昨年から、珊瑚舎スコーレでお世話になっています。講師として高等部2・3年生の平和学講座で環境問題を担当しています。(生徒として、まゆみさんの演劇講座を受けています。)
高等学校や大学で教員をやってきましたが、珊瑚舎スコーレで授業をするようになって、いかにこれまでの授業が、私の実力よりも、出席日数や成績や「単位が必要」という受講側の思いに支えられてきたかが良く分かりました。
ここでの授業は毎回が手探りです。「おっ、ここに食いついてきたか!」とその方向で次の準備をしていくと、食いついてきた張本人が休んだりします。継続性をもった授業が難しいと感じます。
今年度は対象生徒は4人。年間を通して何か一貫した筋を通そうと考え、『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』(田中優著・岩波ブックレット)をテキストにしました。タイミングよく田中優さんの講演とワークショップがあると聞いて、生徒二人と一緒に出かけました。
そのワークショップで、「石油がなくなっても、お金がなくても、マサイ族は困らない」という話が出たのです。それがきっかけで、「マサイ族のように歩いてみようではないか」となり、11月21・22日の二日で65kmを歩くことに。
生徒たちの出した目的は「平和と環境を考える」「力だめしで自信をつける」です(写真)。
珊瑚舎スコーレを出発して、本島南側を一周。珊瑚舎スコーレに戻る予定でした。結果、だれも珊瑚舎スコーレに帰り着けなかったのですが、65kmを歩こうというだけでも、すごい! 歩くには底の薄い靴。寝袋や食糧、水の入った持ちなれないリュック(1日目はお金を使わないということになっていたので)。
足にマメをつくりながら、足が棒のようになりながら、それぞれが頑張りました。1日目は23km、2日目は最大で28km歩きました。終ってみると、寝不足や疲労以上に、さわやかな気分でした。
楽しかった! こんな授業ができるのは、珊瑚舎スコーレならでは、です。