ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

獲得研12月例会でのワークショップ

2019-12-15 14:14:58 | お知らせ


次の土曜日、獲得型教育研究会の12月例会で、津田塾大学の吉田真理子先生とワークショップをします。

12月21日(土)14:00~17:30
日本大学文理学部 7号館2階1222教室
参加費500円

夏のセミナーで実施したワークショップをもう一度試みる予定です。

渡辺貴裕先生が「表現と理解の循環」について書いておられるのだけれど、
夏のワークショップは、そのことを意識して実施しました。

私の頼りない理解だけれど、
脳神経科学者アントニオ・ダマシオの『進化の意外な順序』のよると、
先に身体があって、神経系は進化のあとのほうで生まれたもので
神経系を持たない生物もたくさんあるわけです。

けれど人間には脳を中枢とする神経系が発達しており
神経系とそれ以外の身体というふうに考えたとき、思考しているのは脳だけなのかというと
脳を中枢とする神経系がないとイメージをつくれない。感情を意識することもできない。
けれど、身体の変化は感情を生み、行動や思考に影響するのです。

脳は身体を動かし、身体は脳を動かす。

また物理学者のレナード・ムロディナウは、『柔軟的思考』の中で、ヒトは3つの情報処理モードについて述べています。
ひとつは台本に則った処理、ふたつめは分析的思考、3つめが柔軟的思考。

台本に則った処理とは、深く考えずに反応してしまうようなこと。
『柔軟的思考』には面白い例が載っていますので(ムロディナウの本はいずれもたとえが絶妙で面白い。彼は本当に柔軟的思考のできる人だなと思う)、ぜひ読んでみてください。

思考を「環境を評価し、アイデアを生み出すことで意味のある反応をするという行為」としたとき、台本に則った処理が思考といえるかどうかは分からないけれど、思考との境界はあいまい、なのだそうです。

これまでの教育は分析的思考を鍛えることでした。
でも、今日重要なのは柔軟的思考だというわけです。

脳には、おもしろい、楽しいと感じたことをどんどんやる仕組みがあって、満足するとやめる。
だから外から目標を押し付けても、楽しくもなんともないし、やる気もおきない。
単純な計算練習などは、台本に則った処理でちっとも面白くない。

身体で感じて動く、動いて感じる、感じながら思考する。
柔軟的思考を育てるには必要な学び方といえるでしょう。

やってみて感じる→感じたことを話し合う→話し合いから感じたことを次の自分の行動に取り入れてみる
これを「表現と理解の循環」と私は言うのですが、そういった循環を意識しながらワークショップに取り組みたいと思っています。


また、『<トム・ソーヤ>を遊ぶ』の本のお披露目を予定しています。
お時間と興味のある方はぜひ!
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