ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

「はぁって言うゲーム」

2020-04-14 09:11:02 | 子どもと学ぶ


雨の日。
午前中はそれぞれのドリル。
今日はみな来るのが遅く、取り組み始めたのは10時半ごろ。
家でもやっていたのかと思ったら、寝坊して、起きてご飯食べて、テレビを見たりしてごろごろしていたらしい。それならもっと早く来ればよいのに。

Sちゃん(3年生)は公文の算数と英語を、Tちゃん(5年生)、Kちゃん(4年生)は学校からのドリルを、Aちゃん(3年生)は自分で選んで買った算数のドリルをやった。
集中できるのは、1時間が限度かな?

11時半ごろから昼ごはんの支度。
この日は遅くなったので、簡単なサンドイッチバイキング。
ハム、レタス、キャベツ、キューリ、チーズ、ゆで卵を細かくしてマヨネーズで和えたもの、コロッケなどをそれそれ好きなだけパンにはさんで食べる。

それとリンゴ。
リンゴの皮をむいたのは初めてだそうで、危なっかしくて、むいた皮はぶ厚かったけれど
何事も最初はうまくいかないもので。
でも小学校5年生にもなって、リンゴの皮がむけないのはどうかな。
うちの息子たちはどうだったっけ。
やっていた気がする。でも、弟のほうはへただった気がする。
次はちょっと意識的にリンゴの皮をむく練習をしてもいいかな。

昼食のあと、『はぁって言うゲーム』をすることに。
なんでも「嵐のなんとか」という番組で、
「はぁ」と言う演技をみてどんなシーンかを当てるのをやっていたそうで。

番組を思い出しながら、例題をつくる。

例題:ふりむく「はぁ」
A.くつをふまれる
B.落ちているさいふをみつける
C.事件がおきる
D.うしろにゆうれいがいる
E.ぶきみな音がする
F.だれかが呼ぶ
テレビでは、Hまであって、カードになっていたそう。

Tちゃんが最初に演じる人に立候補。
みんなの見えないところへふうみんと移動してどれをするか決める。
Tちゃんがぶきみな音を聞いてふりむいて「はぁ」と言うシーンをする。
他の3人はそれがAからFのどのシーンか当てる。
ペアを変えて、全員が演じる役を練習。

Aちゃんが腰をふって歩き、ふりかえってちょっと怖い顔をして「はぁ?」と言ったのは、みんな大笑いだった。くつを踏まれたシーンだった。ふうみんが当てた。
これ、踏んだ人は後ろから踏んだのか、ふんづけて通り過ぎたのか。

Tちゃんが自分で問題をつくりたいと言い出し、各自が問題をつくることに。

ふうみんの問題 ドアを開けるときの「はぁ」
A.ドアを開けたらママがいて嬉しい
B.ドアを開けたら変なおじさんがいた
C.ドアを開けたら夢のようなステキな部屋だった
D.ドアを開けたらきらいないじめっ子がいた
E.ドアを開けようとしても開かない
F.ドアを開けると誰もいなかった
まず問題をつくった本人がどれかをする。
ふうみんはCを演じる。
他の人はすぐに答えが分かった。
次に問題をつくった人が、誰かを指名してやってもらうことができる。
Tちゃんを指名してEをやってもらう。
これもすぐに分かった。
「ふうみんの問題、簡単すぎる」と子どもたち。

次はAちゃんの問題 「はぁ」
A.ママのごはんがおいしそう
B.しらないおじさんが呼んでる
C.テストに受からなかった
D.パパがプレゼントをくれた
E.サプライズでゆうえんちにつれて行ってもらった。
F.すきなものを買ってもらった
AとEが演じられたが、そこそこ答えが割れて面白かった。
Eの演技に、Tちゃんが「遊園地は広いから、もっと見渡して『はぁ』って言うんじゃないの?」とクレーム。それに対してAちゃんが、「『遊園地に連れて行くよ』と言われたときだから、あれでいいの」と。だとしたら、「ゆうえんちに行くことになった」とかなんとか、書いてほしかったけど。

Kちゃんの問題 えー
A.知らない人に名前をよばれる
B.急にじゃんけんをする
C.ボールを背中に当てられる
D.知らないおじさんがじょうずに歌っている
E.トイレに行って戻ったら家にだれもいなくなっていた
F.はじめておかあさんにほめられた
B~Fは、私では思いつかないなあ。
KちゃんはCを演じたが、いつも顔が笑ってしまうのでどのシーンなのか判別がつかない。
大学のドラマの授業でも、いつも笑ってしまう学生がいた。
自分でもどうにもならないようなのだが、なんだろう、あれは。
教員の研修では、そういう人を見たことがない。
AちゃんがBを演じたが、ふうみんがまたまたみごとに当てた。

Sちゃんの問題 はぁ
A.やせていた人が太っている
B.気になることをみつけた
C.川に流れている人がいる
他の人がせっせと問題をつくっている中で、ここまで書いて、次が思い浮かばないという。「何か困ったこととか楽しいこととかない?」と聞くと
D.とりのうんちがあたまにおちた
「好きなタレントから手紙をもらったとか」と言うと「好きなタレントはいない」というので、「だれか有名人を知ってる?」というと「あべしんぞう」。
えっ!それ?… 確かにニュースで頻出だが。
E.あべしんぞうから手紙をもらった
これを演じるの、めちゃくちゃ難しそう。
人と状況によってリアクションがまったく違うだろうな。
この「はぁ」も楽しくなさそうなので、「何か楽しいことは?」というと
F.誕生日に大きなプレゼントをもらった
あべしんぞうの問題には、他の子が「本当にSがつくったの?」と驚いていた。
「川に流れている人がいる」もシュールだなあ。こういう問題を小学生がつくるんだ!
どこから思いつくのだろう。もし災害の映像だったとしたら、怖い。
SちゃんはDを演じた。またまたふうみんが当てた。
Tちゃんが、「ふんが落ちてきたなら頭を押さえるとか、上を見るとかするんじゃない?」というが、頭にポトンときた瞬間は、まずハッとするのでは?
つまりTちゃんの「演技は型」に対して、Sちゃんの「演技は気持ち」だと私には感じた。
Aをふうみんが演じたが、演技が達者だったとみえて、当てられた。

Tちゃんの問題 きゃー
A.ふしんしゃがいる
B.おばけがついてくる
C.高いところから落ちそうでこわい
D.あめがふってきた
E.ふりむいたらアイドル(TWICE)がいた
F.ふりむいたらプレゼントがたりょうにおいてあった
TちゃんはCを演じたが、ふりむりて「キャー」と言ったので、全員AかBだと思った。
高いところだったら上から見下ろすのでは?さっきの助言が自分には活かされないようで。
またKちゃんにEをさせようとしたが、結局自分で演じていた。
数歩歩いて、ふりかえって、足をバタバタしてメチャクチャおおげさに「キャーッ」と叫んでいるのだが、うれしいのか怖いのか分からず、だれも当てられない。結局、自分から答えを言う。
私は思わず「アイドルがいるように見えるようには、どこにアイドルがいるのかを考えないとね」と余分なアドバイスをしてしまった。
「あれは何かな?(誰かな?)」と思いながら歩いているはずだ。通り過ぎてから、ハッと気づいてふりむいて確認して「キャー」となるわけで、アイドルとはすでに少し距離があり、真後ろにいるはずがない。
まあ、ここまで分かって演じるというのは高望みか? 
でもTちゃんは、状況が想像出来たら十分にできる。

これで1時間以上は遊んだ。
『はぁって言うゲーム』というカードゲームがあるのは知っていたけれど、
ゲームをしたことも、カードを見たこともない。
子どもたちが観たというテレビ番組も知らない。

でも、ルールをつくりながら、カードもなしに十分楽しめた。
カズさんもやったら面白かったのに。
多分、演技は上手だが、他の人の演技をみてどういうシーンかを当てるのは苦手だ。

この子たちは、異年齢だけれどフラットだ。
年上に敬語を使うこともない。
姉に対して「お姉ちゃん」という言い方もしない。
それぞれの名前を呼び捨てで呼ぶ。
年下が年上をたしなめたり、命令したりもすることもある。
けれど、異年齢だからこその刺激が互いにある。

遊びという形で、文化をつくっていく力を子どもたちは持っている。

ゲームのあとは、工作だった。
工作はまだまだ続くようだ。
コメント
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