疲れても 口に出さぬと 秘めたのは 過去のことかと 赤き真弓
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ドバイ首長国
【織り込み済みのドバイショック】
11月26日、中東アラブ首長国連邦(UAE)を構成す
るドバイで、八百億ドルの政府系不動産開発会社の
「ナキール」社とその持ち株会社の「ドバイ・ワー
ルド」社の債務不履行が問題となり金融業界をはじ
めとして世界が動揺しているという。パームジュメ
イラのプールつきの高級アパート(4ベッドルーム)
の平均的な価格は、2001年に売り出し開始時が150万
ドルだったものが、07年には400万ドルまで高騰。リ
ーマンブラザーズ倒産を皮切りとした金融危機で今
では10分の1の価格である40万ドルまで下落(ドバ
イの通貨ディルハムはドルにペッグ)。
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英米の金融界影響が強い、特にドバイを世界に売り
込んだのが英国の金融界だったとされるが(ドバイ
の事業戦略は彼らがつくり、世界に向けたイスラム
金融の巧妙な販売促進はロンドン金融界が仕掛けた
)、その象徴のブルジュ・アル・アラブホテルの夜
景(写真)から見る景色のよう水泡に帰した。20
年前の日本で起きたバブルと同様に、わたし(たち)
には、織り込み済みであり、その対処法も備えては
いるが、市場は当面蜂の巣を突いたことにはなるだ
ろうが冷静に行動するだけだ。
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もう1つ、20年前の織り込み済みのことを。地球
温暖化の影響で気温の上昇がこのまま続くと、アフ
リカでの内戦の発生件数は2030年までに、現在より
50%以上、犠牲者は約40万人増える恐れがあるとの
予測を、米カリフォルニア大などがまとめたという。
織り込み済みとは、温暖化→気候変動→農業打撃→
食糧紛争の頻発と。報告では「内戦が相次ぐサハラ
ソマリア内戦
砂漠以南のアフリカの国で、81~02年に発生した内
戦の件数と気温の関係を分析。気温が1℃高い年は、
内戦の件数は4.5%、翌年に0.9%それぞれ増えること
が分かった。また、2030年までに気温は0.7~1.6℃
上昇し内戦の件数は54%、内戦に巻き込まれる犠牲
者数は累積で39万3000人増になると試算。灌漑整備
が不十分なアフリカでは気温が1℃上昇すると主要
穀物の生産量が10~30%落ちる(「アフリカ内戦急
増の恐れ 20年で5割増」11月27日/毎日新聞)。とこ
ろで、これへの対応は「国境なきグリーンワークス
旅団」で開陳。
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急激な円高で、「がけっぷちに立っている」。27日
朝、日本経団連の御手洗冨士夫会長は、日本経済の
現状をこう表現した。「史上最高値の79円75銭を更
新する」との見方も浮上してきた。東京株式市場の
平均株価も九千円割れ目前まで一気に急落し、9月中
間決算で見られた企業業績の回復基調も吹き飛ばす
勢いだし、10月の全国消費者物価指数(CPI)はデフ
レをさらに鮮明となり「景気の二番底」が現実味を
帯びてきたと報じた。
わたし(たち)の対処策は、「リフレ派宣言」(『
黄菖蒲と赤字国債』)で明らかにした調整インフレ
諸政策の遂行だ。即時に政府が為替に介入する(→
公的為替保険的保障)というのが正答的行動だ。こ
れにより、米国の経済を支えつつ、その購入分を物
価デフレータ等の数理工学的解析で適応させ、貨幣
を市場に流入させつつ、同時に、内需拡大政策を短
中長期に施行する。この場合、民間及び民営ででき
ない、例えば労働シフトの諸政策を政府が直接的に
施行する→『憲法25条番号制』導入にあわせ、コ
ンピュター操作の職業訓練を期間限定で実施し、労
働のミスマッチを是正するなどがそれだ。まぁ、英
米金融資本中心のグローバリゼーションを見れば明
らかだ。良くも悪くも、非実労、賭博に走る性向は、
ドルの垂れ流しという意識的な不調整インフレーシ
ョン政策で世界中を景気刺激してきたという現実を
認めざるをえない謂わば、毒を以て毒を制する政策
だと。おっと、これも織り込み済みだ ^^;。
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【続・信長の薬草園】
伊吹の植物は、全山石灰岩からなる立地から好石灰
岩性植物、白山から続く奥美濃の山並みを通って北
方系の植物はこの伊吹山から一挙に標高を下げるの
で、分布が伊吹山で限止する。反対に暖地系の植物
群は伊吹山の山麓で北上が拒まれる。伊吹山山系は
日本海側気候がこの県境で止められ、太平洋側の温
暖な気候は岐阜県側の伊吹山山麓で分布は止まる。
ルリトラノオ
ルリトラノオ こうしたこの地域の独立峯と北に延び
る伊吹北尾根の立地環境が植物の多様性を生み、維
持されてきたと。複雑な環境がルリトラノオ、イブ
キレイジンソウなどの固有種を生み、多様な植物社
会を誕生させた。石灰岩性の立地は高木層発達を悪
くし、低木層と草本植物層の発達を促し、植物多様
性が促進された。伊吹山山塊(山麓)は薬草も多く、
岐阜県側の揖斐川町春日地域の調査では280種類の
薬草が知られ、全植物の2割強になり、薬草の占有
率の高い。それらの薬草は昔から、今も地域の方た
ちが健康を維持するために使われていることも伊吹
山を囲む地域の特徴。伊吹山に何故薬草が多いかは、
植物の多様性が多くの薬草を誕生させたことであり、
地域の住民が巧みに利用していることに繋がる。
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日本武尊像
日本武尊が東征から都(当時は大和の国)に帰る途
中、伊吹山の魔物を征伐するために伊吹山に来ると、
伊吹山を幾重にも大蛇が取り巻いていた。そこで日
本武尊は大蛇を跨いで通り抜けようとした時、毒気
に当たって高熱を出して倒れてしまったと語られる。
イブキトリカブト
このころは縄文時代に当たり、東日流外三郡誌によ
れば日本列島の先住民族はツボケ族を中心に次々と
漂着する中国系集団と共存していた時代でした。伊
吹山山塊にも北方系の民族が北陸道を経て勢力を伸
ばしていた。日本武尊がそれらの豪族に立ち向かっ
たので、彼らは特有のトリカブト毒で応戦したと思
われている。豪族のトリカブト毒に犯された日本武
尊は朦朧としながら山を退き、泉で養生するとされ
る古事記には「居寤の清泉(イサメのシミズ)」(
岐阜県不破郡関ヶ原町玉倉部)と、日本書紀には「
居醒泉(イサメガイ)」(滋賀県米原市醒ヶ井)と
の二説があるという。玉倉部の「居寤の清水」は鍾
乳洞に続き、伊吹山の清水を渾々と湧き出たせてい
る。一方の「居醒泉」から湧き出る水は清流となり、
そこにはバイカモ(梅花藻)が群生する。その後、
日本武尊は正気を取り戻し、岐阜県の養老を通り、
三重県の能褒野で一羽の白鳥となり大和に帰ったと
設定される。 イブキトリカブトは伊吹山の比較的
頂上付近に群落を形成。と、まぁ今夜はここまでと
し、『伊吹歴史回廊』について時折紀行日記として
打ち込んでいく予定。
梅花藻
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東の野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ
柿本人麻呂
マユミ(檀、真弓、檀弓:Euonymus hamiltonianus Wall.)
とは、ニシキギ科ニシキギ属の木。別名ヤマニシキ
ギとも呼ばれる。日本と中国の林に自生する。秋に
果実と種子、紅葉を楽しむ庭木として親しまれ、盆
栽に仕立てられることもある。落葉低木、または小
高木。雌雄異株。葉は対生で細かいのこぎり歯(鋸
歯)があり、葉脈がはっきりしている。一年目の枝
は緑色をしている。
近種のツリバナは新芽が鋭く尖っているが、マユミ
の芽は丸々としている。老木になると、幹には縦の
裂け目が目立つ。花は初夏、新しい梢の根本近くに
つく。薄い緑で、四弁の小花。果実は枝にぶら下が
るようにしてつき、小さく角ばった四裂の姿。秋の
果実の色は品種により白、薄紅、濃紅と異なるが、
どれも熟すと果皮が四つに割れ、鮮烈な赤い種子が
四つ現われる。若いころは、疲れても口に出すこと
がなかったが、言い訳がましく、厚顔無恥にも「疲
れた」を連発の今日この頃。わたしだけではない。
彼女もだ。お互いに甘えているのだが、他人はどう
見るだろうか、赤っ恥だけれど許してもらえると尋
ねる自分の心を詠う。緑紅色の「マユミ」。花言葉
は「あなたの魅力は心に」。
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