極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

はたはたと虎の尾を踏むガリバー

2010年02月03日 | 時事書評



ブロガーと 無頼生活 長くては 精彩を欠く 床屋談義よ 


 福島政裕

【巨人病の処方箋は?】




嘗て、ピータードラッカーは日本からの集中豪雨
的な自動車輸出に対し、価値の高い輸入品に対す
る妨害と確立した外国産業の狙い撃ちを特徴とす
る日本の商売のやり方を「敵対的貿易」と表現し
た(福島政裕『日本異質論研究-日本封じ込め
)。福島政裕は、ジェームズ・ファローズの『日
本封じ込め』(Containing Japan)をとらえ直すこ
とにより、日本異質論と日本異質論をめぐる議論
を検討し、経済のグローバリゼーションと経済的
地域統合が同時に進む世界における現代国家の繁
栄と平和の秘訣を模索している。



米国のラフード米運輸長官は2日、米政府はトヨ
タ自動車のリコール問題に関し、引き続き原因を
追究し、リコールの動向を注意深く監視していく
考えを示したと報道された。同長官はリコール問
題に関するトヨタと米政府の対応について、電子
メールでロイターに対し「トヨタの問題はまだ片
付いていない。同社は現在、責任を取るために行
動しているが、残念なことに、この点に到達する
まで多大な努力が払われた」と述べたが、米政府
高官は昨年12月に「法的義務」について「トヨタ
の経営陣に対し注意を促すため」日本を訪問した。
また1月にワシントンで開かれた2回目の会合で
もアクセルペダルに不具合が生じた問題に関して
対処するよう強く迫ったとして、同長官は「われ
われは、トヨタに対し消費者保護に向けた対応策
を取るよう、要請してきた」と述べ、米道路交通
安全局(NHTSA)は、トヨタの電子スロットル制
御システムに問題がないとした過去の調査ファイ
ルを再度点検する方針だという(「トヨタのリコ
ール問題はまだ片付いていない=米運輸長官
」)。




米国発の金融危機や気候変動による自動車産業の
対応など大変動期(動乱期)に入りその衝撃と混
乱が背景にあるが、品質に直接的な原因があると
すれば言い訳できるはずもなく、早期対応に全力
を入れたとしても足らない状況であることは誰し
も理解できること。組織がでかくなると臨機応変
に対応できなくなる。増して、米国の象徴である
自動車産業の壊滅状況下では、またぞろ「日本封
じ込め論」のような偏狭な愛国主義の台頭に火を
つけることになりはしないか?巨人が大虎の尾を
踏んだのではと危惧する。艱難辛苦、体質改善に
向けて「ピンチがチャンス」ととらえ喫緊な対処
に期待したい。



【スパコンとなにか】

Cell-Processor.jpg Cell Broadband Engine (Cell)

米空軍が、わずか200万ドルで約500テラフロップ
スのスーパー コンピュータを開発している
。不
可能だと思うかもしれないが、ソニーの家庭用ゲ
ーム機『PlayStation 3』(PS3) を利用すれば開発は
可能だという。ニューヨーク州ローマにある米空
軍研究所 (AFRL) では、すでに336台の PS3を使
用してクラスタを開発しており、さらに1700台を
追加してこれを強化する計画だ。1台約300ドルの
PS3 からなるクラスタに加えて、クラスタを制御
するためのいくつかのハードウェアを増やすため
AFRL が得た補助金は200万ドルだという。

PS3&PS3slim.png

米空軍は、米国防総省 (DoD) による高性能コン
ピュータ利用環境近代化プログラム『High Perform-
ance Computing Modernization Program』(HPCMP
) の
一環として、2010年6月までに1700台の PS3 をシ
ステムに組み込む計画。完成後、同スパコンのク
ラスタは約500テラフロップスのコンピューティ
ング性能を実現できると見込まれている。これは、
世界最速スパコンを決める注目度の高いランキン
グ『TOP500』で上位10位以内に入る水準




今回のニュースは、ソニーの PS3、およびこれに
搭載されているプロセッサ『Cell Broadband Engine
(Cell/B.E.) について、長年持ち越されていた検証
の機会を提供するものといえる。PS3 は2006年11
月に鳴り物入りで登場したが、これまでまったく
の期待外れに終わっている。ゲーム市場では今な
お最先端のゲーム機ではあるものの、投入時の価
格の599ドルは、一般市場では高価で不向きだが、
新政権の事業仕分けのでも話題となった「スパコ
ン」をめぐる研究開発の有り様に一石を投じた新
聞だと考える。



【はたはたと熟鮓】

 


ハタハタ(Arctoscopus japonicus、鰰、鱩、英名:
Sailfin sandfish)とはスズキ目ワニギス亜目ハタハ
タ科に属する魚である。別名:カミナリウオ。体
長20cm程になり、水深 0~約550mまでの泥や砂の
海底に生息する深海魚である。生息域は太平洋北
部、特に日本海、オホーツク海、アリューシャン
列島など。秋田県の県魚である。主に食用で、し
ょっつると呼ばれる魚醤で親しまれる。1970年代
までは秋田県において大量に水揚げされ、安く流
通していた。

 



図 秋田県のハタハタの漁獲量

冬の初めに大量に買ったハタハタを、各家庭で塩
漬けや味噌漬けにして冬の間のタンパク源として
食べていた。1980年代に急激に漁獲量が減り、現
在では高級魚として高値で取引されている。1992
年9月から1995年8月まで全面禁漁を行ったことも
影響したのかここ数年は産卵のため浜に大量に押
し寄せる姿が見られという。食べ方は塩焼き、田
楽、ハタハタ汁など。ハタハタ寿司はなれずしの
一種で、保存食となる鱗が無いことと小骨が少な
く脊椎も身から簡単に離れるため、一匹丸ごとか
せいぜい頭を落としただけの状態で煮たり焼いた
りすることが多い。

 

鮮度のよいハタハタを焼いた場合、尾びれの付け
根で骨を折っておくと頭のほうから脊椎が全部き
れいに抜け食べやすい。塩蔵したものや味噌漬け
にしたものを煮たり焼いたりして食べる。タンパ
ク源が少なくなる雪国の冬を乗り切るための重要
な食材であった。ハタハタの卵は「ブリコ」と呼
ばれる。ハタハタ漁の時期、雌の多くは直径2~3
mmの卵をたくさん腹に抱えており、この卵の周りは
ヌルヌルとした感触をもった粘液で覆われている。



生のハタハタを焼いた場合、この卵の固まりをか
じると口の中で小気味よくプチプチとはじけてう
ま味が広がる。塩漬けや味噌漬けにして保存した
ハタハタの場合、卵の皮がゴムのように硬くなり
噛むと顎が疲れるくらいになる。このくらい皮が
硬くなると、噛んだ時の音が「ブリッブリッ」と
いう鈍い音になる。これが「ブリコ」と呼ばれる。
秋田音頭の歌詞に出てくる「男鹿で男鹿ブリコ」
のブリコとはこれのことだとされる。




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