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極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

艶歌再考と非線形思考

2010年02月13日 | 現代歌謡



平均も 高齢越えて ジジババが 寄り合い図る 覚悟の文化 


 中森明菜「天城越え」

【艶歌-Enka-再考】

気になることがあり彼女に聞いてみた。「こころ
に残った曲がある?」「ない!」。昨年からもの
すごく気になっていて、メガヒット時代は過去の
ものになったことは了解しているが、年齢を計算
に入れても、これほど日本語(言葉)にパワーを
失っているという経験ははじめてだ。確かに、綾
香や木村カエラやという歌手の歌う曲には吸引力
があるが、それもスガシオやコブクロが変異点で
あったんだと了解するしかない。

 綾香「三日月」

 木村カエラ「Butterfly

当面、カバー曲で歌詞と楽曲との深耕時代と思い
中森明菜の『Eenka』を聴くことにした。『艶華
-Enka-』は、中森明菜の演歌楽曲を中心としたカ
バー・アルバム企画。2007年6月27日にユニバー
サルシグマよりリリースされた。『歌姫』シリー
ズ完結後の新たなカバー・アルバム企画で、本作
は演歌楽曲を中心としたカバー集。「外国から見
たエキゾチックな日本」というコンセプトで制作。

 夜桜お七

収録曲は「艶華I」 (Instrumental) 作曲: 千住明、
編曲: 千住明 、「天城越え」 作詞: 吉岡治、作
曲: 弦哲也、編曲: 千住明 、「 無言坂 」作詞:
市川睦月、作曲: 玉置浩二、編曲: 鳥山雄司、
「氷雨」作詞/作曲: とまりれん、編曲: 千住明
「みちづれ」 作詞: 水木かおる、作曲: 遠藤実、
編曲: 千住明、「越冬つばめ」 作詞: 石原新一、
作曲: 篠原義彦、編曲: 中川幸太郎、「 艶華II」
(Instrumental) 作曲: 千住明、編曲: 千住明、「悲
しい酒」作詞: 石本美由起、作曲: 古賀政男、編
曲: 鳥山雄司、「舟歌」作詞: 阿久悠、作曲:浜
圭介、編曲: 千住明、「石狩挽」作詞: なかに
し礼、作曲: 浜圭介、編曲: 千住明・鳥山雄司、
「矢切の渡し」作詞: 石本美由起、作曲: 船村徹、
編曲: 千住明、「夜桜お七」作詞: 林あまり、作
曲: 三木たかし、編曲: 栗山和樹、「艶華III」
(Instrumental) 作曲: 千住明、編曲: 千住明。

「越冬ツバメ」

季節を失ってから、異性を求め歌えど「性」その
ものが希薄になった言葉、歌詞の憤慨と憤死が堆
積する<現在>。辛うじて踏みとどまって成功?し
ている男性歌手が三名いる。桑田佳祐、井上陽水、
矢沢永吉であるが彼らの歌手生命もまた危うい。
とはいえ、これに続く中堅の歌手を挙げるなら福
山雅治に期待したい。

 「はつ恋」



非線形増幅回路を備えたCR発振回路

【線形思考 vs. 非線形思考】

Dazai Osamu.jpg

吉本隆明が、太宰治が好きなのは<自問自答の塊>
だからといえば、吉本隆明は「幻影を無限に肥大
化させる本駒込の富士山」というあだ名をつけて
いる糸井重里が答える。「ブルータス No.679」
の『2010年、吉本隆明が「人はなぜ?」を語る。
』の談話に惹かれた。

 糸井 自分の中で「問う」「答える」という
 ことをしないで、簡単に人に聴いてしまうと、
 きっと育たないものがありますよね。
 吉本 そうです。例えば、政治家は、政治現
 象に対して、どういう見解を個人または集団
 として持つか、ということばかり考えるやつ
 なんです。それをやらないとろくなことも起
 こらないし、立派なことも起こらない。
 糸井 機能として満点のことを考える人は山
 ほどいるんだけど、なんでそれを考えるかと
 か、どこに弱みがあるかとか、自分を勘定に
 入れた悲しみとか、それがあるかないかとい
 うのは、まさに自問自答の経験ですよね。
 吉本 それがない限りは同じですよ。何年経
 っても。
 糸井 吉本さんから自問自答の話を聞いたと
 きに、「吉本さんが太宰治のことをこんなに
 好きなのは、太宰治が自問自答の塊だからか
 な」と思ったことがあるんですけど、あれだ
 け文章を信じた人が、あれだけ曝け出してい
 るんですよね。あとで読んでみて、びっくり
 したんですけど、こんなに自問自答なんてで
 きるもんじやないってくらいに自問自答の分
 量が圧倒的に多くて。青春の文学という以上
 に、あれだけ自問自答できる能力というのは、
 あれは吉本さんのおっしやることにぴったり
 とハマる文学者だと思いますね。今でも、お
 好きですよね。(中略)
 


 糸井 今、誰かに疑問を聴くならならば?
 吉本 疑問ですか……社会でも、国でも、な
 んでもいいですね。ほとんどが絶望的だと思
 っていますから。俺とは関係ないよと本当に
 思っています。ですが、以前は偶然でもいい
 から、彼らに会えたら、聞いてみたいことは
 なかったか、と聞かれたら、そんなことはな
 かったと思います。でも、今はなくなりまし
 たね。自分よりも前の世代の人の話は聞いて
 みたかったですよね。(中略)

 吉本 民家に住んでいるとか、学校に行って
 いないとか。学校に行っていない思想家には
 割合関心を持てます。独学している人とか。
 糸井 実は、僕、吉本さんにあだ名を勝手に
 つけているんです。本駒込の富士山って。本
 駒込よりも富士山のほうが大きいんだけど。
 無理矢理はめようみたいな。でも、民家に住
 んでいて何かをした、っていうのは、そうい
 う意味だと思うんですよね。
 吉本 そうですね。
 糸井 幻影の部分を無限に肥大化させていく、
 という。
 吉本 そうだと思いますね。(中略)


 
 糸井 僕は吉本さんから「
死というのは、自
 分に属さないんだ
」ということを学びました。
 そのときから、自分で、死ぬんだ、生きるん
 だ、ということを決めなくなったんです。そ
 れだけで、今日が楽しく、そして、意義を持
 ちます。年寄りはみんな自分で決めたかのよ
 うに、もうダメだとか言いますけど、あれは
 ダメですね。
 吉本 本当にそうです。最近、わかったこと
 があるんですけど、死というイメージは年齢
 によって変わるんです。昔は、死というもの
 のイメージが怖くてね。棺桶に入って、焼き
 場に行って、火をつけられて、じりじりと背
 中のほうから焦げていくというのが、死のイ
 メージだった。そう思っていたときに瀬戸内
 寂聴さんに会ったら「死ぬのは怖くないわ」
 って言うんです。坊さんだから、そういう話
 をするんだと思っていましたけど、でも、糸
 井さん、これは変わるんです。こういう風に
 考えて、こう考えて、こう考えたら、今のこ
 とはどうでもよくなった、ということではな
 いんです。今、思うと、おっかないイメージ
 で、よく自分の死を考えて、それがわかって、
 寂聴さんにもあんまり反感を持たないように
 なりましたね。(中略)



 糸井 それは勝ち負けで言えば、勝てっこな
 い、という発想ですよね。先日、吉本さんの
 娘さんから、吉本さんの奥さんは、吉本さん
 のことを可愛いと思っているという話を聞い
 たんですよ。可愛いというジャンルは勝ち負
 けじやないじやないですか。
 吉本 いやあ(笑)。
 糸井 乗り越えちやっている(笑)。
 吉本 そうですね。根本的な発想はわかって
 いるような気がします。自分に解けない難問
 が出てきたら、跳び越しちやう。で、その続
 きは何なの? と問われる間もなく、跳び越
 す。とにかく跳び越すところに自分の身を置
 くんです。はたから見ると、なにも解決して
 いないんじやないかと思うけど、次は跳び
 しちやった後から始める
 糸井 解決はしているんだけど、法則化がで
 きてない。違いますかね?(笑)
 吉本 どうかな?
 糸井 で、また、跳び越しちやう(笑)。
 吉本 でも、本当にわからないからなんです
 けどね。気がついたら、今の年齢だから。
 糸井 親鸞の91歳が近づいていますよ。いよ
 いよ行きますね。
 吉本 まあ、行きますね。これは(笑)。



この対談を読み終えて、吉本隆明は「優等生思考
」だなと自分の中学時代の経験からそう思った。
また、数学領域の非線形理論、最適化理論、また、
これは「重層的決定」に通じるけれど、簡単にい
うとそういう思考だと理解した。ところで、この
対談では新政権に対する可能性について、珍しく
? 吉本が踏み込み肩入れしている。

 糸井 そう考えた吉本さんの思考のプロセス
 というのは、どうだったんですか? 普段の
 考えとは違って、人の心について、思考され
 てます。
 吉本 そうですね。そこには少し心の問題が
 入ってます。僕は唯心論も唯物論もヘチマも
 ない。それは両方必要なんだから。間違いな
 く。
 糸井 売り場のおやじとお客と自分との、3
 つの心の駆け引きですよね。
 吉本 私は進歩的な人だからといって、特別
 扱いはしませんというのが、売り場のおやじ
 の唯一の言い分。(中略)僕が思うに、鳩山
 由紀夫という人が、今やろうとしていること
 を、「そんなうまくいくか」とか言わないで、
 ゆっくりと静かな革命をしようとしている、
 と正直に捉えてあげてもいいんじやないか、
 と思いますよ。それだけの能力はあると思い
 ますし、民主党には、それだけの人材はいる
 と思うんです。一見、革命と見えないような
 形でそれをやろうとしている。やり方がまず
 い以外には失策はないと思います。それに、
 とてもいい時期だと思いますから、やればい
 いのに、と思いますけどね。気後れすると、
 よりラディカルなことを言う政治党派か、保
 守派の大企業みたいな資本家、どちらかに偏
 りやすいんですけど、だけど両方に偏らない。
 そのあたりはうまくやっていくと思いますけ
 どね。危惧もたくさんありますよ。あんなに
 善良で、気が強くない人が、そういう風に頑
 張れるかな、と。でも、粘り強く、自分たち
 の思うことを貫いてくれたら、静かなる革命
 が成就すると思っていますけどね。なんで、
 僕がそんな思い方をするかと言ったら、同人
 雑誌と同じなんです。欲張らないことなんで
 す。
 糸井 本当に、一番わかりやすいのは、静か
 に消費税が上がっていって分配のやり方が
 変わること。そうすれば、素直に変わるはず
 ですよね。
 吉本 あと、この状況になったのは現在の日
 本の中で、どこが一番肝要なのか、という答
 えを、民主党が持っていたからじやないでし
 ょうか。民主党に潜在しているものや活用で
 きるものを活かせなければ、ほかのどこの党
 にもできないでしょう。僕はその程度には民
 主党を信用しているんですよ。まだどうなる
 のかわからないけど、ゼロで終わるというこ
 とはないから、少しはやるんじやないかな
 糸井 だと思いますけどね。


コメント
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