『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド死霊創世紀』
NIGHT OF THE LIVING DEAD(1990年アメリカ)
監督 トム・サヴィーニ
脚本 ジョージ・A・ロメロ
出演 パトリシア・トールマン
トニー・トッド
■ストーリー■
兄と一緒に田舎まで母親の墓参りにやってきたバーバラは墓場で死体に襲われる。兄は殺されるが、バーバラは一軒家に逃げ込む。がその家にも血まみれの男たちがいて彼女を襲ってくる!と、そこへ黒人青年ベンが逃げ込んでくる。死体が生き返って<ゾンビ>となって襲ってくるのだ!その後、逃げて来た5人と一緒になり一軒家に篭城することになる…。
□■□ネタバレあり!□■□
■感想■
ジョージ・A・ロメロ監督の低予算ホラーの超名作『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生』(1968年)のリメイクです。オリジナル版のロメロ監督自ら今回は製作総指揮、脚本に当たってます。今作の監督はロメロ監督作の常連のメイクアーティストのトム・サヴィーニ。
ストーリーも1968年版とほぼ同じ展開で進んでいきますが、今作は22年後のリメイクなので時代を反映してか、リメイクするにあたって、最初に襲われるバーバラのキャラクターがかなり変わってます。
オリジナル版では、単なる足手まといの被害者のキャラクターだったバーバラですけど、女性の時代を反映してか、強い女性キャラに変更されてます。
『ターミネーター』(1984年)、『エイリアン2』(1986年)を例に出すまでもなく、ホラー、SF&ファンタジー映画でも強い女性の映画が当時ブームでしたからね。
『13日の金曜日』(1980年)に代表されるような、スラッシャームービーだって、最後、1人生き残ったヒロインが殺人鬼と戦うっていうパターンが多かったですからね。
あれだって、追い詰められてるとはいえ、強い女性ですからね。
あと、オリジナル版よりも登場人物たち同士の争いがより鮮明になってる気もします。実際こういう状況になったら冷静になってらんないだろうけど、映画の中の登場人物が争ってばかりですからね。
これじゃ、ゾンビよりも人間のが恐いよ!て、これがジョージ・A・ロメロ監督のリビングデッドシリーズの1つのテーマでした。
オリジナル版のファンのために、ある“サプライズ”も用意されてます。オリジナル版が良いか、リメイク版が良いかっていうのは好みの問題って感じですかね。 オリジナル版は超低予算ですけど、全体的に切羽詰まった雰囲気が、画面からにじみ出ててホラー映画としてはもう名作中の名作、古典中の古典の1本になってますもんネ。
一方、リメイク版は、90年代初頭の良質のちょっとだけゴア系のホラー映画って感じで完成されてますもんね。
でも、ゾンビ物ですけど、目を覆うようなゴアシーンもないし(←こういうホラー映画ファンにとってのって意味です)、まあ、オリジナル版とセットでの鑑賞を薦めます!
最近は、ランニングタイムの長い映画が多いですけどエンドクレジット入れて90分弱なんであっという間に観れますし。80点
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