『JIGSAW ジグソー』
OCCHI DI CRISTALLO(2004年イタリア、スペイン、イギリス)
監督:エロス・バグリエリ
脚本:フランコ・フェリーニ
エロス・バグリエリ
ガブリエラ・ブラッシ
原作:ルカ・ディ・ファルビオ
出演:ルイジ・ロ・カーショ
デシスラヴァ・テネケディエヴァ
サイモン・アンドリュー
カルメロ・ゴメス
ルチア・チメネ
■ストーリー■
野原でカップルと老人が殺された。死体の処理の丁寧さから、担当の刑事ジャコモ・アマルディはイヤな予感を感じるのだった。
その後、古物商の女性が同一犯と思われる犯人に殺されるのだった。殺人現場に残された謎の言葉から犯人が言葉を使ったゲームをしていることを知るのだった。
■感想■
正統派のイタリア製ジャッロ映画です。
正確には、スペイン、イギリスとの合作です。1970年代のジャッロ映画でも、スペインとかの合作とかあったから、本当に正統派のジャッロ映画です。
もちろん日本劇場未公開!こういう作品のリリースは、すごくウレシイですね!!
冒頭、主人公の刑事ジャコモの性格を表わすためか、女性に乱暴しようとしていた犯人の足を拳銃で撃っちゃいます!
ジャコモが、クリント・イーストウッドかブロンソンみたいな“ダーティハリー”みたいな暴力的な刑事なんだな!とか思って見てると、かつて恋人を乱暴され殺されたということが後でわかります!
それで、女性に乱暴しようとした犯人に
「当然のむくいだ!」
とかいって、足を撃ったんですネ!
ダーティハリーの銀行強盗のシーンみたいに、主人公の荒っぽい性格を描写するために、そのシーンを持ってきたわけじゃないんですネ。
まぁ、キャラクターの性格を描写するためといえば、同じような目的ですが、、、。
最初、3人の犠牲者を出したときは、本格的なシリアルキラー物!!!と期待させますけど、その後は殺しの場面は、あんまり多くないです。
どちらかと言えば、90分前後のエンタメ系の作品が多いイタリア映画では少し長めのランニングタイム108分の作品です。
でも、こんなに面白いなら108分でも、120分でも何分でもOKですよ!!
イタリア映画のジャッロ映画ですから!!
今作の脚本は監督のエロス・バグリエリとガブリエラ・ブラッシとフランコ・フェリーニです。
フランコ・フェリーニといえば日本公開した作品で、主に脚本で関わった作品をいくつかあげると、
『フェノミナ』(1984年)(脚本)
『白い肌にひそむ罠 』(1986年)(監督、脚本)
『オペラ座 血の喝采 』(1988年)(脚本)
『トラウマ 鮮血の叫び』(1992年)(原案)
『スリープレス』(2001年)(原案、脚本)
『デス・サイト』(2004年)(脚本)
と、イタリアスリラー映画ファンが大喜びの作品に多数関わってるんで、今作も見る前から期待度がマックス状態でした!
とにかく、劇場未公開のイタリア製のジャッロ映画が観れただけで、大満足です!!
ミステリーとしての「犯人は誰??」っていうのは、あんまり盛り上がらなかったですけどね…。
でも、イタリアのジャッロだけあって、雰囲気は最高ですネ。
音楽やちょっとした小道具、剥製とかが雰囲気を盛り上げてくれます!
ジャッロ度 ★★★★★
ミステリー度 ★★★
スリラー度 ★★
今作の場合、ストーカー被害にあっている女子大生のヒロインが、最初、ストーリーに関わってこないんで「あれ??」って感じでした。
彼女のルームメイトなんて、本当に事件に関わってきませんから!ダリオ・アルジェントの作品だったら、確実に殺されてます!
ところで、今作の犯人って誰か、わかった人っています??あまりにもベタで分かりませんでしたヨ!
でも、ジャッロだけあって、今作は、犯人の殺人を始める動機つけとかは、ちゃんと説明されてます。意味も無く突然、連続殺人を始めるわけじゃないところが、たとえ、それが突っ込みどころありまくりの理由でも用意されています。
でも、とにかく、今作はイタリアのスリラー映画だ!っていうこと自体を1番に楽しむのが正しい見方ですよね!
もう2004年のイタリア製スリラー映画が見れただけで大満足です~。
雰囲気A級!
殺人シーンB級!
ストーリーB級!
でも、今作は「観れた」ということが1番のポイントです!!
イタリアのスリラー映画ファンは必見の1本!
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