『バイオクライシス』
THE DARK HOUR(LA HORA FRIA)
監督 エリオ・キロガ
脚本 エリオ・キロガ
出演 シルケ
ペポ・オリバ
オマー・ムニョス
ナディア・デ・サンチャゴ
■ストーリー■
最終戦争が起き、生き残ったわずかの人々は地下のシェルターに逃げのびた。かつては大勢いた人々も、今は8歳の少年ジーザス、パブロとマリア、ルカとマテオ、天文学者マグダ、少女アナ、かつてリーダーだった元軍人ペドロ、皆と離れて暮らすユダの9名になっていた。地上には兵器により感染したミュータントがあふれ、シェルター内にも夜は毎晩のように怪物がやってくるのだった。そんな中、毎晩訪れる怪物のため飼っていた鳥が死ぬ事態が発生していた。薬と食料がつきかけていたメンバーは、ミュータントのいる倉庫にいくことにするのだった。
□■□ネタバレあり!本当にしてます!□■□
■感想■
最終戦争後のシェルターに生き残った人々を描くスペイン製SF映画。
ハリウッドとまるで違うアプローチのSF映画です!
「暗い!暗い!暗い!」
最初から最後まで、なんの救いも無い展開のSF映画です。
万人受けを狙っているハリウッドのメジャー作品と違って、ヨーロッパ映画なんでまさにSF映画ファン&スリラー映画ファンへの限定状態です。
特に、爽快なシーンもないですし、アクションシーンもほとんど無いにも関わらずランニングタイム93分、全然退屈しません。大した見せ場も無いのに退屈させないのは、けっこう面白いのかも??でも、本当は、あと10分くらい短くても良かったかも!!
いつものように、こういう閉じ込められた空間に少人数がいる中で、仲間割れみたいな感じで、暴れだすメンバーがいます!!観てる人のほとんどの人が想像するどおり、もちろん軍人のペドロが協調性無しの足手まといになっちゃいます!!こういう風に狭い空間に閉じこもるスリラー映画だと、絶対に軍人が自分勝手な行動をとって悪い状況にもってちゃうんですよね。でも、今作の場合は、メンバーが2人死んだくらいですんでます。でも2名って言っても、9名中の2名ですからね。
それに、ペドロが暴れなくても、最後は冷凍モンスターが地下壕にやってきて、同じ状況になっちゃうんですもんね。CGでしょうけど、こんな風にちゃんとモンスターが出てくる作品だと思ってなかったんでビックリです!!
映画が始まって、4日前、3日前、2日前とカウントダウンしていくんで、「どうなるんだろう??」って思ってると、まさに驚きの展開!!“なんてシリアスな展開!!”
今作も90分枠の映画枠とかで1980年代にひっそりとTVの映画劇場で放映されたら、隠れた名作になったんでしょうけどね。こんな風な正統派SF作品だとは思ってませんでした。救いの無い展開がまさに正統派のSF映画って感じです。
最後の本当のオチは、SF映画ファンが喜びそうな感じの展開で、それなりにインパクトがありますけど、それより何より、まるっきり救いの無いストーリーの方がインパクトが強すぎで、このラストのオチ的なシーンが、逆に驚かせる印象が薄いラストのオチになっちゃてます!!
登場人物の名前が、ジーザス、マリア、ペドロ、ルカ等、「聖書」の中の人物と同じ名前なんで、ラストは、もっと救いのある展開になるのかな??とか思ったんですけど、甘かったです!!
ハリウッド映画に慣れてるせいで、こういう展開にはビックリしちゃいます。
シェルター物としては、良くありがちなオチですけど、『大襲来!吸血こうもり』(1974年)や、『恐怖の地下壕』(1976年)みたいな作品になのかな??と勝手に思い込んでいたので、正統派終末SFだったんで驚いちゃいました!!
1970年代や1980年代くらいまでは、ホラー映画やSF映画は、そのジャンルのファン向けだけに製作さえれていたから、こういう観客を突き放したような展開の作品が多かったですけど、まさか、いまどき、こういう作品を見せられるとは!! 60点
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