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『ドゥームズデイ』スコットランド2035

2010-01-05 00:15:35 | SF
ドゥームズデイ
DOOMSDAY(2008年イギリス)
 監督 ニール・マーシャル
 脚本 ニール・マーシャル
 出演 ローナ・ミトラ、ボブ・ホスキンス、マルカム・マクダウェル、アレクサンダー・シディグ、エイドリアン・レスター、デビッド・オハラ

 ■ストーリー■
 2008年、スコットランドで原因不明のウイルスにより感染した者は出血とともに死亡するという病気が発生する。治療方法の分からぬまま病気が蔓延する中、イギリス政府はスコットランド自体を高い城壁で囲み外界との接触を遮断するのだった。また上空は飛行禁止区域となりスコットランドは完全に封鎖された状態になるのだった。
 時が経ち、2035年、スコットランドが閉鎖される直前、兵士に助けられた幼い娘エデン・シンクレアはイギリス政府のやり手の捜査官となっていた。ある日、麻薬捜査班の手入れの最中、例の殺人ウイルスに感染した患者が発見されるのだった。このままではイギリス全土にウィルスが蔓延してしまうのは火を見るより明らかだった。しかし、全滅したスコットランドで生存者が確認されるのだった。ウィルスの血清の存在を確かめ入手するためエデンをリーダーとする特殊部隊が結成されスコットランドへと向かうのだった。

 □■□ネタバレあり!□■□
 ■感想■
 『ドッグ・ソルジャー』(02年)、『ディセント』(05年)のニール・マーシャル監督が描くバイオレンスSFアクション。
 ジョン・カーペンター監督の近未来傑作アクション『ニューヨーク1997』(81年)と、世界中のエンターテイメントSF映画に影響を与えた荒廃した世界でのカーアクション『マッドマックス2』(81年)を足して、『世界が燃えつきる日』(77年)のエッセンスを掛け合わせたような作品です!!
 “(『ニューヨーク1997』+『マッドマックス2』)×『世界が燃えつきる日』”な作品をニール・マーシャル監督風にに仕上げました!!って感じの傑作SF映画!!

 エンターテイメントのデストピア系近未来アクション映画を作ろうと思ったら、100人の監督、脚本家が作ろうとして「マネになっちゃうからなぁ…」と思って躊躇してしまうような映画を堂々と作りあげてしまいました!!

 「面白い!面白ろすぎ!」

 『マッドマックス2』以降、大量に作られたイタリア映画のエピゴーネン系作品の良いところをいくつも集めて1本の作品にしちゃいました!!って印象です!!
これってけなしているみたいにとっちゃう映画ファンもいるかもしれないですけど、自分にとっては最高のホメ言葉です!!
 
 『ニューヨーク2019』(84年)
 『カー・バイオレンス』(83年)
 『ブロンクス・ウォーリアーズ』(82年)
 『ブロンクスからの脱出』(83年)
 といったマカロニSF映画の傑作4本を1作品にしてしまったような感じで面白いです!!

 面白いものは、どう料理しても面白くなる!!っていう良い見本です!!
 ニール・マーシャル監督も1980年代のSF映画が好きなんでしょうね!!
 まぁ、今まで監督した作品が狼男映画の『ドッグ・ソルジャー』と、地底を舞台にしたホラー『ディセント』ですから当然こういうジャンルの作品は好きなんでしょうけどね!!

 ウィルスが蔓延しそうだから、スコットランドを高い城壁で囲んでしまうなんて!!
 普通、この設定を言っただけで「『ニューヨーク1997』だからやめよう!!」ってなっちゃうのに、
 「だから、どうしたっ!!」
 って感じで、次から次へと見せ場を用意して、観客をグイグイ画面に引きずりこんでいっちゃいますから!!まぁ、もともと今作を観て喜んでる映画ファンは、これってあの作品のマネ??なんて思う人はいないはずですからね!!

 ニール・マーシャル監督は、もうこの路線でSFアクション映画をドンドン作っていって欲しいです!!ホラー映画ファンには『ディセント』の方が評判が良いのかもしれないですけど、自分的にはなんでもかんでもアリの今作『ドゥームズデイ』の方が1000倍好きです!!
 とにかく色んな要素ありの状態は、まさに面白くするためなら何でもありのマカロニSFアクションと同じ状態!!

 『ニューヨーク1997』『マッドマックス2』好きな映画ファンはもちろんのこと、マカロニSFアクション映画ファンも必見!!
 自分的には、イタリア製の『レプリコップ未来刑事』(85年)、『ラッシュ地獄からの脱出』(83年)、『ラスト・ソルジャー』(ビデオ題:『ザ・エクスキューター』)(83年)等、マカロニSFより好きです!!まぁ制作費もそういった作品の何百倍もかかってますけどね!!
 
 映画のラストでパンク集団のアジトに、ヒロインが戻りますけど、あのシーンだけは理解できないです!!映画的にはアリなラストでしょうけど、あんなカニバルなパンク集団のところに戻るのだけはダメダメ!理解不能です!!イギリスに帰るよりあそこにいる方が安全なのかもしれないですけどね。
 上司のボブ・ホスキンスとヘリコプターでイギリスに帰って欲しかったです!!その展開の方が素直に観れたのに…。

 あと今作で面白いと思った設定は、普通、こういう荒廃した地区に2つのグループがいたら、片方のグループが頭がおかしかった場合、もう一方はマトモってことが多いですけど、今作の場合はカニバルのパンク軍団と中世風のガイキチグループと2つのグループともイカレテるってところです!!まぁ、塀に囲まれて28年間も外界と遮断されていたらオカシクなっちゃうのが普通なんでしょうけど。

 あと28年間も供給がなかったはずなのに缶詰があるのは、どうなんでしょう??缶詰の中身って、液体状のモノって蒸発しちゃってりしないんでしょうか??あとケータイ電話とか車って28年間もほっといてても使えるんでしょうか??車はバッテリーが上がっていそうですけど。
 ちょっとわからないですけど。まぁ、些細なコトなんですけどね。そんなコト抜きにして楽しむ作品でした!!
 とにかく2009年度ベスト10に入る作品です!!SFアクション映画ファン必見!!
100点

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