SILENT HILL(2006年フランス、カナダ、アメリカ、日本)
監督 クリストフ・ガンズ
脚本 ロジャー・エイヴァリー
出演 ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン
ローリー・ホールデン、デボラ・カーラ・アンガー
キム・コーツ
■ストーリー■
ローズとクリストファーの夫婦は、夢遊病の娘シャロンがときおり口にする“サイレントヒル”という単語を気にしていた。ある日、ローズは、現実にゴーストタウン“サイレントヒル”という町が存在することを知り、シャロンを連れサイレントヒルに向かうのだった。シャロンは深い霧の中、サイレントヒルへ向かう途中、事故にあって道路上の車の中で気絶しまうのだった。ローズが目覚めると、娘のシャロンがいなくなっていた。ローズはシャロンを探すため、サイレントヒルの町へと入っていくのだった。
□■□ネタバレあり!未見の人は読まないように!□■□
■感想■
コナミの人気ビデオゲーム「サイレントヒル」を、鬼才のクリストフ・ガンズ監督が映画化した傑作ホラー。
「観よう!観よう!」と思っているうちに、時間が過ぎてしまい今週末(金曜)までの公開ということで、レイトショーに行って今日(正確には昨日)観てきました!
自分の大好きな監督、クリストフ・ガンズ監督の作品なんで、すごく期待してました。
高い期待度にも関わらず、面白く観れました!
クリストフ・ガンズ監督の『クライングフリーマン』(1995年)、『ジェヴォーダンの獣』(2001年)の2作とも、自分的に大好きな作品ですから、今回も期待度★★★★★でした!
原作のコミックがあった『クライングフリーマン』は、映画のジャンルでも「アクション映画」の分類に入る正統派のアクション映画でしたけど、『ジェヴォーダンの獣』は、どのジャンルに入れるのか迷うような、どのジャンルにも入らないような傑作でした!
『ジェヴォーダンの獣』は、伝説の怪物を描いた動物パニック映画として始まって、アクション物、剣劇物、歴史物とどんどん展開していくんでビックリした覚えがあります。
今作『サイレントヒル』は、人気ビデオゲームの映画化作品なんですけど、ゲームで見覚えのあるシーンや、要素を散りばめながら、アドヴェンチャーゲーム系のノリから、オカルト映画、ミステリー映画、スプラッター系ホラー映画へと展開していきます!
もう、色んなジャンルの映画の要素を入れ過ぎて、ビデオゲームの映画化作品という枠を超えて大傑作ホラー映画になっています!
原作のビデオゲーム同様、1度見たら忘れられないような不気味なクリーチャーが、これでもかと出てきます!ビデオゲーム版の「サイレントヒル」をやったことある人は、クリーチャーやら、サイレントヒルの町並みを見て
「見たことあるある!」
みたいな感じでニヤニヤしながら観れるでしょう。
今作は、原作のゲーム同様、アクション重視のノリじゃないんで、主人公のヒロイン、ラダ・ミッチェルは武器を持ってクリーチャーと戦うんじゃなくて、クリーチャーから逃げながら、あくまでも謎を解きながら娘シャロンを探し続けていきます。
カギの束を見つけたり、懐中電灯見つけたり、次に行く場所への手がかりを発見したり、隠された部屋を発見したりして、まさにビデオゲームのノリで見れます!
“ゲームの映画化で、こういう演出方法もあったのか!”って思っちゃいました。
ドンドン、次へ次へとサクサク進んで行っちゃう「トゥームレイダー」の映画版のララ・クロフトもこれくらい見習って欲しいです!
映画の半分くらいまでの展開は、それこそゲームの映画化作品のノリなんですけど、ヒロインのローズたちが迷い込んだサイレントヒルの町の住人が出てくるあたりから、正統派オカルト映画になっていきます。
そして、すべての謎が解けたあとの教会のシーン!!
“すさまじいです!!”
血みどろな1大スプラッター絵巻なシーンが繰り広げられます!!!
結局、クリストフ・ガンズ監督は、クライマックスの、このシーンを演出したかったのかな??って思っちゃうほどインパクトがあって、力の込もっているシーンになってます。
でも、そのあとの最後の展開にも、ビックリ!!
事件が解決してハッピーエンドと思っていると、そうなりません!!
「ハッピーエンディングじゃ無いのかッ!!」
思わずスクリーンに向かって突っ込んじゃいました。
ハリウッド的じゃないこのラストの展開には、少し引きました!観客を置き去りにしたような、1970年代ホラー映画のノリです!
ランニングタイム126分の映画で、このラスト!
せいぜい100分の映画での、ちょっとヒネリを効かせたようなラストなら分かりますけど、この大作で堂々と持ってきちゃうなんて最高です!
でも、このラストじゃ、続編は少し厳しいですかね??でも、続編を作ったら観ますからネ!もし、続編を作るならクリストフ・ガンズ監督で続編作ってネ。
監督のクリストフ・ガンズが、どうしても監督したかった作品だけあって、もう『ジェヴォーダンの獣』以上に、思い入れたっぷりな作品になっています!
でも、ホントに教会のシーンのインパクトが強すぎです!あのシーンしか印象に残らないくらいです!
クリストフ・ガンズ監督の次回作にも期待してます! 75点
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