旅の連れタニは、以前中国の外務省要人を我が家に招いた時同席しました。
その時、中国には50以上の部族がいるが、タニは上海っこ風だと言われました。
そして私は雲南省、もうひとりの友人は黒龍江省といわれ3人とも民族不詳に大笑いしたものでした。
そのタニと、墓碑に彫られた人型のシンボルTanit(タニト)
タニトはフェニキアの「月と冥界の女神」にしてカルタゴの「守護神」です。
バルドー博物館にて
カルタゴ博物館にて、陶片裏の刻印
フェニキア人は、古代オリエントの大国の狭間で翻弄されながらも、技術力と経済力を武器にしなやかに力強く生き抜いた民族です。
地中海の各地に多くの植民市を建設した中で、最大かつ最強の街がチュニジアのカルタゴです。
古代世界史で必ず出てくるカルタゴ、
BC9世紀にフェニキア人によって建設された都市は現在瀟洒な高級住宅地になっています。
大統領官邸右手に広がる巨大な共同浴場遺跡やピュルサの丘の住居跡などは、カルタゴ・ローマ時代のものです。
古代カルタゴ・フェニキア時代の建造物はローマに徹底的に破壊されています。
わずかに円形の軍港と、真偽は不明ながら生贄にされたといわれている子供たちの墓(トフェ=タニト神の聖域)ぐらいだそうです。
現在販売されているチュニジア産煙草パッケージにも豊穣の女神タニト神を表した印が印刷されています。
タニト女神のシンボルと右手をかざす礼拝ポーズはフェニキアの文化的特徴なんだそうです。
チュニジアはおよそ3000年の歴史の中、ローマ、アラブ、イギリス、フランスと色々な人種に入れ替わり立ちかわり支配されました。
しかし自分たちの起源は、あくまでもフェニキア・カルタゴなのだという主張がこめられているかのようです。