
7月19日六本木スーパーデラックスで工藤冬里さんが中原昌也氏と共演したとき、物販で予約取りをしていた冬里さんとリック・ポッツ氏の共演CDRがメール便で届いた。
リック・ポッツ氏は1970年代後半からロサンゼルス近郊で新しいスタイルのフリーミュージックを指向した集団Los Angeles Free Music Society(LAFMS)の中心人物として数々のバンド/ユニットに参加し、2002年にはSolid Eyeというバンドを率いて来日ツアーをしている。様々なガラクタや改造楽器を駆使して演奏される固定形のない液体状の演奏は古くからのLAFMSファンだけでは無くマヘルやテニスコーツなどを愛好する若いファンにも強い印象を与えた。
その翌年、今度は冬里氏のマヘル・シャラル・ハシュ・バズがアメリカ西海岸をツアーでした。楽器や宿泊をアレンジしてサポートしたのがポッツ氏を始めとするロスのミュージシャン達であった。ロサンゼルスでのライヴは「LA」としてDDSレーベルよりCDRが発売されている。冬里氏のライナーによればロサンゼルス滞在の最終日にポッツ氏からデュオでレコーディングしようという提案がなされ、フェンダー・ローズ、改造ギター、マックの音声再生ソフト、各種笛、その他ガラクタを並べて録音したのがこの「Ka-Bella-Binsky-Bungo!」と題された60分のCDRである。
予約者はノートに住所を書き、そこへ商品が送られるという1980年代のメールアートを思わせる手法で届けられた。限定150枚。私のシリアル番号は19番である。私のカラオケの十八番「あの紙ヒコーキくもり空わって」の19、そして大竹伸朗氏が80年代に結成していたノイズ・バンドも19という名前である。なんとも奇遇なこと。
封筒の中にはCDRの他に古い映画、展覧会のチラシや冬里氏の手帳の切り抜きなどが入っていてとても楽しい。カット&ペースト時代の現代、こうしたハンドメイドの作品作りは人間の温かさが伝わってきて心がほっとする。
この作品はおそらくマヘルや冬里氏のライヴ会場でしか販売されないだろう。今後もメールアート手法で届けられるのか分からない。しかし少しでもマヘルやLAFMSに興味のある人なら何をさておいても手に入れるべきだろう。
肝心の音の方は60分間ノン・ストップのインスト即興でかつてのLAFMSの香りのとても強いものである。
届いたよ
忘れた頃に
突然に
灰野さんとポッツ氏を含むLAFMSの1980年代初頭の共演が「Free Rock」としてCDリリースされている。