以前から名前は聞いていたものの実際に音を聴いたりライヴを観たりしたことはなかった。"トラウマテクノポップ"と呼ばれるがいまひとつイメージを掴みきれないでいた。
今回のメジャー契約にあたってはファンからは「メジャーに心を売らないで」「いやぁぁぁぁ!」というようなブーイングもあったという。そんなインディーズの最後の砦的存在のアーバンギャルドのメジャー・デビュー曲「スカート革命」のPVを観て一目で気に入ってしまった。水玉のミニのワンピース、スカートの中やリストカットをイチゴで隠す思わせぶりな演出。トレードマークの等身大キューピーも登場しインディー時代との繋がりを色濃く残す。何より魅力的なのは浜崎容子嬢のコケティッシュで官能的なウィスパー・ヴォイスである。この声には魔性が宿っている。80'sテクノ・ポップを髣髴させるサウンドもノスタルジックで新鮮。童貞処女、オタク、サブカルチャーといったマイノリティへの愛と叱咤激励を込めた歌詞も現代日本の病理とシンクロし心に刺さる。
エレクトロ系では好きだったMEGちゃんが渡欧し音楽活動を休止してしまい寂しい思いをしていたところに救世主の登場だ。"病的にポップ、痛いほどガーリー"というのはデビュー以来のキャッチコピーだが、まさにちょっとビョーキなナゴムギャルや戸川純ちゃん等が活躍した1980年代の復権に心が躍る思いがする。ぜひライヴを観てみたいものだ。
水玉に
こだわりまるで
草間弥生
テクノ乙女のポップな呪いがより多くの人に届きますように。
スカート革命PV