この日は丁度1年前に亡くなった父の一周忌の法要だった。それをすっかり忘れてチケットを購入してしまった。mixiやtwitterで売ろうとしたが買い手は現れず、法事の終わったあとライヴへ向かうことになった。家族には顰蹙を買ったが、そんなの関係ねえ!
少年ナイフの夏のツアー"712 DAY PARTY Tour 2011"。ゲストは住所不定無職、オープニング・アクトは大阪ラモーンズ。FEVERは満員。結成30周年のバンドのライヴだから年齢層は高いだろうと予想したが、意外にに20代くらいの若いファンも多い。幅広い年齢層の観客だった。
オープニング・アクトの大阪ラモーンズは少年ナイフがラモーンズをカヴァーする時に名乗る別ユニット。本家ラモーンズのサポートを勤めたこともあるナイフだから本質的に"楽しいロッケンロール"というラモーンズの信念を引き継いでいる。ライダーズの革ジャンにモズライトのギターにプレジション・ベースとラモーンズに成り切り、「Pinhead」ではラモーンズでお馴染み"Gaba Gaba Hey"と書いたプラカードも登場し楽しませてくれる。しかし数年前話題になった日本語ラモーンズ・カヴァー・バンド「ロマーンズ」に比べると、演奏が上手く円熟したプレイで、あくまで大人の余興という感じがした。ロマーンズはやはり唯一無二の初期衝動の塊だった。
続いて住所不定無職。生で観るのは初めて。カラフルな衣装とビザール・ギター、いつも絶やさぬ笑顔の演奏は少年ナイフ以来のFun Girls Rockの伝統を受け継いでいる。ユリナの弾けたヴォーカルが楽しい。演奏はまだたどたどしいところもあるのだが、テクニック云々を超えたエネルギーとメロディの良さが好みである。後半はユリナとゾンビーズ子がドラムとギターを持ち替えさらにパワフルな演奏。面白いねこのバンド。
最後に少年ナイフの登場。私は1983年デビュー・アルバム「Burning Farm」以来のナイフのファンである。あれからもう30年。オリジナル・メンバーはなおこさんだけになったが、デビュー当時のアマチュアリズムを未だに持ち続けているのが凄い。かなり激しいビートの曲が増えたが、観客がモッシュするのでは無くそれぞれ思い思いに身体を動かして楽しんでいるのがほのぼのしていて好きだ。腕を振り上げ一緒に歌って、まるでクロマニヨンズのライヴと同じノリである。年月を経たロッケンロール・バンドならではの共通したグルーヴである。アンコールでは現在アメリカ在住の、オリジナル・メンバーにしてなおこさんの妹あつこさんが参加。カーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」のカヴァーで終了。めちゃくちゃ楽しいライヴだった。
30年
ロックし続け
ロールする
ガールズバンドでこれだけ長期にわたって継続した活動を行っているのは日本では彼女達だけかもしれない。貴重な存在である。