A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二/Paradise/壊れかけのテープレコーダーズ@東高円寺二万電圧2011.7.14(thu)

2011年07月16日 00時48分09秒 | 灰野敬二さんのこと


壊れかけのテープレコーダーズ × Paradise 共同企画 『明滅するモノローグ』Guest:灰野敬二。

高円寺PAL商店街にあったライヴハウス20000Vは20年前Flower Trip時代に何度も出演し愛着のある小屋だったが、ビルが火災を起こし閉店、昨年10月UFO CLUBと同じ東高円寺に移転し「二万電圧」として営業を再開した。行くのは今回が初めてだったが、東高円寺の駅から近く、内装も綺麗で、昔の酒とタバコの香りが染み付いた20000Vとは全く違ったお洒落な小屋に変身していた。キャパは若干小さめ。この日は灰野さん出演のためホール内禁煙だったので気持ちよくライヴを楽しめた。

壊れかけのテープレコーダーズは以前観たことがある女性キーボードを含む4人組。5月に三軒茶屋ヘヴンズドアでワンマンを成功させ自信に満ちたステージを観せてくれた。Vo&Gのコモリ氏(ちょっと草野マサムネ似)の時々激しく狂うギター・プレイと紅一点ユサ嬢のレイ・マンザレク風キーボード、そして二人のヴォーカルの掛け合いがいい。曲もメロディーがはっきりしたJ-Pop調で前も書いたが普通っぽさが最大の魅力である。



Paradiseは壊れかけ~と同じレーベルの4人組。fykさんからヴォーカリストが凶暴なので気をつけるようツイッターで知らされ、ステージ脇から用心して観たが、多少酔っ払っている(ラリッている?)感じはしたが、なかなかカリスマ性があって悪くはなかった。サウンド的にはキュアーやシスターズ・オブ・マーシーを想わせる懐かしいポジパン的要素があり、個人的には壊れかけ~よりも好きかも知れない。エンディングにヴォーカリストがマイクスタンドを破壊して狂気の片鱗を見せた。急遽参戦したfykさんに聞くと機材破壊や自殺行為で入院歴もあるらしい人らしい。でもそんなところも伝説っぽくて、もしかすると毛皮のラリーズのように大ブレイクする可能性も秘めている気がした。



最後が灰野さんのソロ。アンプはジャズ・コーラスを2台、マイクを二本立て、譜面台を置いただけのシンプルなセッティング。まずはドラムマシーンの打撃音が響き渡る。これだけで会場が灰野カラーに一変してしまうのだから凄い魔術だ。ドラムマシーンに乗せてフルートとヴォーカルをしばし聴かせた後、グヤトーンのフレットレス・ギターを手にする。そこから導き出されるのはギターともパーカッションともいえない独特のサウンド。この楽器を最初に使ったのは去年のスーデラでのdoubt music/futarriフェスでの静寂デビューの時。以来試行錯誤を重ねオリジナルな楽器として改良されてきた。後半はSGを掻き毟り「ここ」「あっち」「暗号」「ふわふわ」「始まりに還りたい」とファンにはお馴染みのナンバーを演奏。まさに"ベスト・オブ・灰野敬二"といった選曲。100分に亘る充実の演奏に全身が痺れるような感動が残った。



終演後灰野さんは「ここ暫くの鬱憤を全部吐き出したよ。思ったよりモニターの音が良かったので気持ちよく演奏できた。やってて気持ちのいい時は歌詞が次々浮かんでくるんだ。その証拠に譜面を一度も見なかっただろ?それにフレットレス・ギターがとてもいい音を出した」と満足した様子だった。

灰野さん
二万電圧
気に入った

会場にはシベールの日曜日の坪内氏も観に来ていた。8月7日ペンギンハウスで新生シベールの日曜日(坪内氏以外全とっかえ!)のライヴを予定しているとのこと。
コメント (2)
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