アーバンギャルドの病めるアイドル五番勝負!!!!!
第四話:北欧の風、心の風邪
アーバンギャルド VS バニラビーンズ
「病めるアイドル」リリース・パーティ5連続イベントの第4夜。Take Off 7は学生時代に出演していた老舗のライヴハウスで、当時は公園通り沿いのビルの上階にあったと記憶しているが、2009年11月に移転し現在はクラブクアトロのあるBOOK OFFの隣のビルのB1にある。以前よりもかなり広くなり、天井が高く気持のいいホールである。チケットは当然ソールド・アウト。
今回の対決アイドルは"北欧の風にのってやってきた、清楚でイノセンスな雰囲気を持つオシャレ系ガールズユニット"バニラビーンズ=通称バニビ。キノコ頭担当のレナ嬢、外はね頭担当のリサ嬢のデュオである。前回観たでんぱ組.incはバリバリのアキバ系で熱狂的なヲタ・ファンが多かったが、バニビのファンは草食系の普通の男子が多く、同じアイドルでもこうも違うのかと感慨しきり。アーバンは前日に渋谷CHELSEA HOTELで新潟のアイドル・トリオNegiccoを迎え「長ネギに死す」と題するイベントをやったので二日連チャン。アーバンギャル&ギャルソンには両日、っていうかこのシリーズ全てに参戦している人も多い模様で、でんぱ組.incの時に見かけた顔もチラホラ。
軽快なBGMにのせて水玉のアーバンフラッグを振りながらバニビのふたりが登場。野太い雄叫びが飛び交ったでんぱ組.incの時とは違い観客は礼儀正しい拍手で迎える。白のワンピースに北欧の風を感じる。ポージング(バニビは踊りの振りをこう呼ぶ)を揃えてオシャレなテクノ・ソングを歌う。二人組アイドルといえばピンク・レディやWINKがいるが、バニビの歌で思い出すのはザ・ピーナッツ。ダンスではなく主に手のポージングで観せるパフォーマンスが上品でいい感じ。「今日は北欧の風vs心の風邪であるとともにキノコ頭頂上決戦でもあります。この対決には負けません」と挨拶。結成7年、マネキン・パフォーマンスや着せ替えイベントなどユニークな活動で知られる彼女たちのファンのお約束は元気な手拍子だ。キメ部分は両手のポージングを真似てあとはひたすら手拍子大会。いよいよ後半、7/4リリースの新曲披露というところでバック・サウンドのCDが作動しないハプニングが発生。「北欧の風が心の風邪に侵されてしまいました」とひとこと。レナ嬢は「実は私もレキソタンを・・・」とビョーキ系であることを告白。前列を占めるアーバンギャルの奇矯なメイクに驚嘆してみせる。そういったハプニングがありながらも60分のステージが終了。キャッチ・フレーズ通りの爽やかなスタイルに好感が持てる。音楽的にも聴きどころが多く単なるアイドルではなくヴォーカル・デュオとして評価したい。何とレッド・ツェッペリン「天国への階段」のカヴァーをリリースしている。
さてアーバンギャルドの登場。ステージ前のスクリーンが上がると前列から「お~っ」というどよめきが上がる。何事かと思ったらメンバー全員がマッシュルーム・カットの鬘にボーダー・シャツの渋谷系ファッション。特に楽器の3人は普段と全く違ったイメージ。よこたんは金髪に赤いベレー帽が似合っている。「キノコ頭頂上決戦」とはこういうことだったのか。一昨年にアーバン、バニビ、キノコホテルでイベントをしたとのこと。当時とっくににキノコノトリコだったのに見逃していたのは残念。ピアノにのせた大人しめのバラードで始まり、一気にアーバン流ロックに突入。毎度のコール&レスポンスには客席後方を占めるバニビ・ファンの男性客も「大好きでーす!」と唱和。キーボードの谷地村啓氏はおばさん、この日31歳の誕生日を迎えたドラムの鍵山喬一氏は神聖かまってちゃんのの子、ギターの瀬々信氏に至ってはまんだらけの店員、と紹介され大ウケ。天馬氏得意の下ネタ・トークも「北欧風のオシャレなイベントだから」と封印。「近藤、向かってこい」もなかったが、この異常なルックスで彼らの変態性が余計浮き彫りにされたのが面白かった。
▼7/16 渋谷CHELSEA HOTELでのNegiccoとのコラボで筋肉少女帯のカヴァー!
アンコールは前回同様「病めるアイドル」のダンス歌唱だが、驚いたのは観客のノリ。前回でんぱ組.incのファンがその場でつけた「よーこたん!よーこたん!」とか「フゥーフゥー」という掛け声や腕を振りあげての「Oi! Oi! Oi!」という叫びを観客全員が覚えて大盛り上がり。アイドル五番勝負の回を追うごとに観客の反応が病めるアイドル的進化を遂げていることに驚嘆した。最後はバニビを迎えてのコラボ。バニビが出演したロートリフレアTV-CMの腕を上げて腋の下を見せるポージングを生で披露し天馬氏が大喜び。渋谷系オシャレナイトということでバニビがカヴァーしているピチカート・ファイヴの「東京は夜の七時」を演奏し、上品かつ異能的なステージは終了。
ライヴ後のお楽しみは第一回がビンタ会、第二回がハイタッチ会、前日の第三回がナデナデ会ときて今回は肉球チュパチュパ会という謎の企画。よこたんの愛猫ソレイユがおねだりする時の仕草を真似てメンバーが参加者の胸にタッチしてくれる。観客のほぼ全員が参加してアーバン、バニビ両者との交流会を楽しんでいた。
ふたりとも
とってもおしゃれな
バニビです
来週の最終回がどういうことになるのか楽しみでならない。
7月23日(月)恵比寿LIQUID ROOM
最終話:病めるアイドルは僕を好きになる
アーバンギャルド VS ぱすぽ☆