A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

組原正 レコ発@南池袋 ミュージック・オルグ 2012.7.21 (sat)

2012年07月23日 00時33分33秒 | 素晴らしき変態音楽


【組原正・ニューアルバム『inkuf』発売記念ライブ】
先日UFO CLUBでお披露目ライヴをやった新生グンジョーガクレヨンのギタリスト組原正さんの新作発売イベント。企画は牧野琢磨氏(NRQ/湯浅湾)。以下ミュージック・オルグHPでの紹介文。
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【企画者から】
元グンジョーガクレヨンのギタリストである組原正【くみはら・ただし】さんが、5/23にニューアルバム『inkuf』を発表します。これを機会に、私・牧野の個人的な欲を実現させるべく、発売記念ライブを企画させて頂きました。

組原さんはかつてグンジョーガクレヨンというバンドのギタリストでした。グンジョーは、舞台の上にとにかくただ五人の人間がいる、という面白みに満ちた誠に稀有なバンドでした。

組原さんがやっている音楽には本当に驚かされます。我々は何かを聴いたとき、それを形作っているものを自身の経験に参照しがちで、是か非ではなくそれはあたりまえのことです。ですが、組原さんの演奏の前だとこれが意味なくなるのです。何にも・何処にも参照できない音楽。例えば過去という記憶にも、未来という想像にも。組原さんの演奏を聴くたびに私はそう思います。そして毎回驚き、嬉しくなっちゃうのです。

とはいえ、それは決して難解なものではなく、思わず吹き出してしまうようなおかしな身体性、必死さ、真剣さ、人間味、人懐っこさ、そのようなものが溢れていて、そこに私はまた強く惹かれるのです。

組原さんの音楽をご存知の方にとっては、私のような人間がいくら言葉を重ねても「知ってるよ」という話ですよね…すみません。とはいえ、すでによくご存知の方々、加えてまだそれを聴いたことがない方々、あるいは過去聴いてうっすらとしか覚えていない方々、どのような方であっても、皆様全員に7/21はオルグへお越しいただきたいのです。

当日は三組の出演を予定しています。オプトラム、T.美川さん、中尾さん、そして元グンジョーのドラマーである宮川さん。どの方も、組原さんの強いご希望のもとブッキング致しました。

あまりライブをやる方ではないので、またとない機会かと存じます。何卒ご来場のほどを宜しくお願い申し上げます。

牧野琢磨(NRQ/湯浅湾) 拝
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ミュージック・オルグは初めてだったが、池袋駅から徒歩5分のビルのB2にあるライヴハウスというより幡ヶ谷 Forest Limitや武蔵小金井アートランドのようなイベントスペース。横長に機材がセッティングしてある。最近いろんなところで会うイベント企画者のやんてら氏やノイズ系ライヴ友達のK氏も来ている。開演時間が近づくにつれ次々と観客が押し寄せ予備の椅子が並べられ、立見も出る満員御礼。先日のUFO CLUBは正規料金で入場したのは私ひとりという閑古鳥状態だったというのにどうしたことか?宣伝力の違いだろうか。

最初はOptrum。ここ数年伊東篤宏氏(Optron)のソロやセッション活動が多く進揚一郎氏(ds)とのデュオOptrumとしての演奏を観るのは数年振りになる。開始前に伊東氏が「客席がかなり近いのでかなり眩しいと思うので前列の方は視線を外して下さい」とMCしたが正に目の前で明滅する蛍光灯の光に目が眩んだ。伊東氏はエアシンセを使ったりエフェクターの種類を増やしたりして音色の幅を広げている。そこに進場氏の強力なフリージャズ&ハードコア・ドラムが絡み迫力たっぷりのノイズコア・サウンドを展開する。25分の演奏だったがちょうど良い長さで楽しめた。



続いて主役の組原さんが登場。非常階段/IncapacitantsのT.美川さんとのデュオの予定だったが、グンジョーガクレヨンのベースの前田隆さんが飛び入り参加しトリオ・セッションに。組原さんはトレードマークのナチュラルボディのテレキャスターにPCを繋いだセッティング。ヴォーカルにハーモナイザーをかけた奇妙な声のヴォーカリゼーションでスタート。ギターのネックを愛撫するように上下に駆け回る独特のフィンガリングから産み出される音は楽器の音というより雨音や雷鳴、家が軋む音など環境音に近い。そこにうねる前田さんのベースと美川さんのハーシュノイズが絡み付き情緒を排除した冷徹な音響空間が生まれる。グンジョーの時も感じたが組原さんのプレイは即物的なドライ感が濃く、テクニックや情念を超えた次元のものである。時にピョンピョン飛び跳ねるアクションが面白い。30分弱のセッション。



最後は組原さん+宮川篤志さん(ds/グンジョーガクレヨン)+中尾勘二さん(as,tb)のトリオ。時間になっても宮川さんが到着していないというアナウンス。このユルさが彼らならでは。それほど待たせず宮川さんが到着。ドラムをセットするとすぐに演奏開始。さすが長年活動を共にする二人だけあり、即座にギアがハイに上がる。中尾さんは最初トロンボーン、半ばでサックスに持ち替え。今回はドラムがあるのでよりタイトに音が締まった演奏。中尾さんのとぼけた味のホーンが強固なg+dsの演奏にユーモラスな色をつける。こちらも30分弱の演奏。



終演後、組原さんがマイクでMCをしたのだがエフェクターがかかっていて何を言っているのか判らない。企画者の牧野氏から「レコ発にも関わらずCD販売がないのは販売レコード店の担当者が来なかったから」とお詫びが入る。私は持参したCDにサインを貰った。

組原氏
ギター講座を
やってケロ

今後の予定は決まってないそうだが、せっかく再結成したグンジョーガクレヨンにはさらなる活躍を期待したい。

コメント (2)
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