A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

Bo Ningen/下山 Gezan @ 東高円寺 UFO CLUB 2012.7.20 (fri)

2012年07月22日 00時42分36秒 | 素晴らしき変態音楽


Bo Ningen来日公演
<Bo Ningen x 下山(Gezan)2マン!>

2011年2月に初めて観てド肝を抜かれて以来、来日する度に通っているロンドン在住のサイケデリック・ロック・バンドBo Ningen の2012年サマー・ツアー初日は、大阪のジャンク・ロック・バンド下山(Gezan)との長髪バンド対決。灰野さんが映画「ドキュメント灰野敬二」の中で「ロック・バンドは長髪じゃなきゃいけない」とい語っていた通り、ロングヘアーのバンドには相当の覚悟と気合いが感じられる。現在のアンダーグランド・シーンの最注目バンド二組の対バンなのでチケットは早々にSold Out。彼らは2011年8月に大阪で共演しているが、東京での対バンは初めて。観客には若い女性が多い。

会場に入るとステージのカーテンが開いたままになっている。マイク・スタンドがステージ下にセッティングしてあるからだ。下山(Gezan)の激しいアクションのためにステージを少しでも広くしようということだろう。UFO CLUBでの定位置、ステージ右手のソファに居を定める。恒例のラジオ風のテーマSEに乗って下山のメンバーが登場。全裸&アフロがトレードマークのカルロス・尾崎・サンタナ氏(b)がこの日は女物のドレスで登場。穏やかなバラードで始まるが2曲目以降はステージ狭しと暴れ回るマヒトゥー・ザ・ピーポー氏(vo.g)を中心に爆音が炸裂する混沌のステージ。マヒトゥ氏はMCで「東京の奴らはバカばっか」と挑発、集中豪雨のように激烈な混乱の中、他のメンバーのシールドを引き抜いたりドラマーが叩いたシンバルを手で押さえたり、意味不明の傍若無人ぶりを発揮する。「ドラッグやればサイケデリックなのか、バーカ」「お前らには判らないだろうな、バカだから」と悪態をつきまくる。最後は前回観た時と同じく1stアルバム「かつてうたといわれたそれ」のラスト・ナンバー「春の膝」の叙情的なバラードを歌い上げ終了。毎度の客席への乱入パフォーマンスはなかった。フライヤーを見ると、彼らはこの夏から拠点を東京に移すそうで、8月20日(月)から東京都内16ヶ所、16日連続ライブ「侵蝕の赤い十六日」を敢行するとのこと。関西の狂人バンドが東京に殴り込み、一体どうなるのだろうか?



Bo Ningenを観るのは7回目になるが、観る度に完成度の高い曲構成と激しいエネルギーを発散するパフォーマンスに圧倒される。ロングヘアーに女物のドレスや破れたジーンズという不遜なルックスの割に普段は気のいい好青年揃いである。ミュージシャンに限らず海外で活躍する日本人は概して礼儀正しい人が多い。異国の文化に囲まれて活動する中での日本人としてのアイデンティティを大切にしている証拠だろう。その代わり自分を表現するときは情け容赦なく徹底的に自己主張する。それが異境で認められるための唯一の方法なのである。それはBo Ningenのステージングに見事に表れている。イギリスは勿論ヨーロッパ各国でツアーやフェスティバル出演を重ね百戦錬磨の彼らである。そのテクニックとサウンドの安定感は他の日本のバンドとは格が違う。凶暴に暴れ回る激しいプレイは下山に共通するが、演奏が乱雑になることは一瞬たりともない。vo.bのTaigen氏はしばしばベースのストラップを外し抱きかかえて演奏するのだが、サウンドの要である重低音を外すことはない。精神力・気合いが根本から違うのだ。プレイの激しさに息も絶え絶えのMCで自分たちのライヴは毎回少しの手抜きもない全力投球だと語る。曲名が決まっておらず「いち」と呼んでる新曲も、まさにココだ!というところできめのフレーズやテンポチェンジが来て、心の底から気持ちいい。60分を超える本編に続くアンコールでは最後にドラムのMon-chanがドラムセットの上で逆立ちしそのまま崩れ落ちる。エクスタシーに溢れたステージに満員の観客全員が大熱狂。



終演後物販コーナーに長い列が出来る。下山もBo Ningenもメンバー自ら手売りしファンと交流している。Taigen氏はこのブログを愛読してくれているので話が弾む。地方公演も気をつけて、と伝えて別れた。

憧れの
ロングヘアー
断髪式

そういえばBo Ningenのメンバーは灰野さんの映画を観たのだろうか。
コメント
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