A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

裸のラリーズが鳴り響くファッション・ショー~LAD MUSICIAN「MINIMAL ART ROCK 77」

2012年11月21日 00時37分38秒 | アート!アート!アート!


このブログでファッション・ショーの紹介とは読者の方には意外かもしれない。実際書いている本人にも想定外である。

今朝ツイッターをチェックしていたら「裸のラリーズからイメージしたファッション・ショー」についてのツイートを発見しリンク先へ飛んだら何と!!水谷孝さんと灰野敬二さんのコスプレのオンパレードで思わず電車の中でひっくり返りそうになった。

LAD MUSICIAN(ラッド・ミュージシャン)という創立12年目のユニセックス・ストリートブランドで、コンセプトは「音楽と洋服の融合」だという。ファッション音痴なので下手なことは書けないが、音楽、特にロックとファッションは切り離せない関係にあることはいうまでもない。山本寛斎、三宅一生、ミチコロンドン、マリー・クワント、ポール・スミス、ヴィヴィアン・ウェストウッドなど音楽と関わりのあるファッション・ブランドは数多い。プラスチックスはファッション・デザイナーやスタイリストによるバンドだった。「ファッションと音楽」でググったところ、ファッション系サイトの記事が見つかった。また高橋幸宏さんとユナイテッド・アローズ顧問の対談も面白い。

こうしたファッション業界からのラヴコールに対してロック界からは「ファッション野郎にロック・スピリットが分かってたまるか!」という意固地な思い込みがあることは確かである。多くのロック・ミュージシャンとファンにとってファッション業界はハイソな別世界であり、心の中ではファッション・モデルに憧れながらも、ロック・セレブ以外には無縁の人種として排斥する方向にあった。サイケもパンクもグランジもファッション界との相互作用により世界的ムーヴメントになったのは事実なので、ロック界の最後の砦がフリージャズとアングラ音楽だったのではないだろうか。しかし遂にコアなロック・ファンの聖域である裸のラリーズがファッション界に取り込まれてしまった!こうなったら潔く負けを認めよう。リッチな異母兄弟であるファッション界に頭を垂れて許しを乞うしか無かろう。



ファッション・デザイナー黒田雄一氏によるLAD MUSICIANは今までもフェンダーとコラボしたり、ファッション・ショーに若手ロック・バンド、ノーヴェンバーズの生演奏をフィーチャーしDOMMUNEで配信したりとコンセプト通りの革新的試みを実行している。裸のラリーズにインスパイアされ「MINIMAL ART ROCK 77 Les Musician Denudes」(!)とタイトルされた2013年春夏コレクションも黒田氏のロックへの拘りが結実したものである。興味深いのは入手が容易なブート音源ではなく、ラリーズの数少ない公式音源「'77 LIVE」を使ったところだ。黒田氏が音楽を本当にリスペクトしていることが良く分かる。氏は間違いなく灰野敬二ファンでもある。一見無縁な暗黒のロッカーと華やかなファッション・セレブの出会いが化学反応を起こし音楽を超えて世界的カルチャーに影響を与えることになれば痛快至極である。




▼女性アーティストの世界ではファッションと音楽の関係は常に密接であった。



漆黒が
スポットライトに
照らされる

単行本「捧げる 灰野敬二の世界」が発売された。ウラゲツさんの書評をご一読いただきたい。
コメント (2)
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