プリンセス プリンセス再結成ライヴ<PRINCESS PRINCESS TOUR2012 ~再会~>@日本武道館 2012.11.24 (sat)
全盛期のプリンセス プリンセスを特に好きだった訳ではないが、16年ぶりの再結成にノスタルジアを感じて抽選制チケットを申し込んだら当選。学生時代の友人と観に行った。武道館4日連続公演の最終日。立見席まで満員の武道館を埋めたのは40~50代が圧倒的。武道館は16年前のプリプリ解散コンサート以来というファンも多かったのではなかろうか。震災をきっかけに5人が集まりみっちり練習したという演奏は昔と遜色なく素晴らしく総立ちで手拍子し腕を振り上げ歌いジャンプし10000人の同窓会と化した。アーバンギャルドのギターの瀬々信氏のアイドルコールの決め台詞は「秋葉原はオレの庭!」だが、プリプリはMCで「私たちの庭、武道館へようこそ」と言っていたのが印象的だった。その通り彼女たちは1989年から96年まで毎年正月に武道館公演を行っている。当時は「歌謡ロック」「産業ロック」と揶揄していたが、20年経ってそれも悪くないと思えるようになった。彼らの曲はとにかく明るく元気いっぱいで何の迷いもない。「元気をもらえる」というのは私が音楽に求める要素ではないが、震災復興にはピッタリである。
そんなことを考えていたら当時のガールズ・ロックが懐かしくなり「オレの庭」であるBOOK-OFF 250円コーナーに足を運んだ。アレもコレもといろいろ見つかったが、余り詳しくないのでさらっとご紹介。
プリプリと並ぶ日本のオール・ガールズ・バンドの先駆者SHOW-YA。ハードロック色が強く派手なルックスは後のジャパメタ/ヴィジュアル系に影響を与えた。プリプリも出演していたイベント「NAONのYAON」を主催。1998年に解散するが2005年再結成「NAONのYAON」を始め積極的にライヴ活動を行っている。
プリプリ、SHOW-YAの先輩格NOKKO率いるレベッカ。これまた元気溢れる歌で大ヒットした。女性ボーカル+男性バンドという構成は当時は珍しかったが、レベッカ以降の音楽シーンではその編成のバンドが多く登場することになる。2000年に再結成した。
KONTAと杏子による男女ツイン・ヴォーカルが特徴のBARBEE BOYS。編成はシンプルなギタートリオだが、サックスを取り入れたトリッキーなサウンドと男女の恋のやり取りのような歌詞が特徴。1992年に解散後、杏子はソロに転向し、山崎まさよし・スガシカオと共に福耳というユニットでもヒットを飛ばした。結成25周年の2009年に再結成し翌年まで活動した。
ヴォーカルのJILLを中心とする4人組PERSONZ。AUTO-MODのメンバーが参加しており、ルックス的に元祖ヴィジュアル系といえるバンドである。JILLの存在感たっぷりの歌とビートの効いたサウンドはとても爽快。1983年の結成以来解散することなく現在も活動中。オリジナル・アルバムは19作を数える。
アイドル歌手としてデビューした渡瀬マキが結成した4人組LINDBERG。デビュー時は「アイドルがロックに転身?」と疑問符付きだったが、アイドル出身ならではの溌剌としたヴォーカルを武器に大ヒット。2002年に解散するがデビュー20周年の2009年に1年間限定で再結成。
札幌出身のオール・ガールズ・バンドGO-BANG'S。忌野清志郎が偶然デモテープを聴き「いいじゃん!」と言ったことがデビューのきっかけ。メジャー・デビュー前にナゴムレコードのオムニバスに参加したこともあり、乙女チックな弾け方が魅力だった。2010年に「SMAP×SMAP」出演のため一夜限り再結成した。
メジャーどころを紹介してきたがガールズ・バンドの元祖としてはこのバンドを抜かす訳には行かないだろう。日本で一番無名な世界的人気バンドと呼ばれた少年ナイフ。関西インディ・シーンから登場し、シンプルなギター・ロックがアメリカのオルタナ界で話題になりニルヴァーナと共にUKツアーをした。ソニック・ユース、レッド・クロスなど人気バンドにファンが多いが、いたってマイペースに活動、現在でも数百人規模のライヴハウスで演奏し、毎年海外ツアーを行っている。
こうやって聴いてくると、1980/90年代のガールズ・ロックには普遍的なポップ感覚が息づいていることがわかる。プリプリの岸谷香がMCで言っていたように「バンドが終わっても音楽は生き残る」のである。彼女たちの歌は永遠のスタンダードとして歌い聴き継がれて行くに違いない。
産業ロックと
インダストリアル・ミュージックは
違います
ガールズ・パワーが地球を救う。