7月末に1stアルバム「2013ねん、なつ」をリリースしたふぇのたすの企画イベント。仲の良いガールズ・アーティストを対バンに迎えての女子フェ(のた)ス。My萌えChart赤丸急上昇中の大森靖子サマのバンド、THE ピンクトカレフがお目当てのバンドさんだと答える気満々だったのに、今回は訊かれなかった。トップの椎名琴音は観逃した。
●藤岡みなみ&ザ・モローンズ
15年前テレ東の子供番組「おはスタ」で子役デビューし、現在はパンダ&カレー研究で知られるタレントの藤岡みなみ、通称フジミナ率いるロックバンド。昨年までパンダ繋がり音楽ユニットPANDA 1/2のメンバーだったフジミナが、2013年初頭に結成し日本のインド高円寺からデビュウしたのがザ・モローンズ。メンバーは藤岡みなみ(ボーカル&作詞担当)、ヒロヒロヤ(色んな楽器&作編曲宅録&漫画家担当)、ネロ(エレキギター&チェックシャツ&ロックンロール担当)の三人。ドラムはサポート。結成と同時に公式サイトで音源発表。4月にライヴ・デビュウし、南波志保、いずこねこ、BELLRING少女ハート、Swinging Popsicleなどと対バン。ふぇのたすとも6月に渋谷WWWで対バンしており、その縁で今回の出演が決まったのだろうか。フジミナの歌をきちんと聴くのは初めて。明快なポップチューンをルックス同様にスウィートな声で衒いなく歌う。特に個性的でも尖がってもいない、さりげない普段着のポップスだが、私の琴線にグサリと刺さった。マタタビのような声の魅力には全面降伏(幸福)。キュンキュンメロメロの腑抜け状態に陥り再起不能。普段着女子(実際はパジャマ)にからきし弱いアングラヲタの弱点を露呈した。密かにフジミナ画像蒐集ちう。
●THE ピンクトカレフ
フジミナの不意打ちに蕩けている場合ではない、次はMy女王Chart今月のNo.1のSEIKOサマ。気を取り直して前列へ突き進む。メンバーは、大森靖子(vo,g)、小森清貴(g/壊れかけのテープレコーダーズ)、大内ライダー(b/太平洋不知火楽団)、川畑 usi 智史(ds/エジプト文明ズ)、高野p介(g/うみのて)。現代ライヴハウス・シーンの個性派によるスーパーバンドである。壊れかけでお馴染みの激情派ギタリスト・コモリが別のバンドでプレイするだけでも感激だが、同じ激情派クイーンSEIKOサマとの共演とは卒倒もの。SEIKOサマを生バンドで観ること自体秒殺だから、卒倒×秒殺でヤヴァすぎ脳内酸欠・心臓停止必至。示し合わせたように黒シャツ揃いの野郎陣に花柄ワンピのSEIKOサマが眩しい。激情カオスアクションプレイなのに、サウンドは予想外の流麗ポップ。コモリ&p介のギターが虹の軌跡を描く。サウンドが降り注ぐクリアな空間にSEIKOサマの激情ヴォイスがアバれ捲り、ステージ上に四角いマットのジャングルが出現する。はしゃぎ過ぎのSEIKOサマが客席へダイヴ、というより場外乱闘。客は逃げ惑う訳もなく、SEIKOサマのお戯れをサポート。フランス革命のLiberté, Égalité, Fraternité(自由・平等・友愛)の理念は身近な小社会で簡単に実践可能なことを証明した。燃え尽きるより、萌え憑きたい!!!
●ふぇのたす
ミコ(vo)、澤"sweets"ミキヒコ(el-perc)、ヤマモトショウ(g,syn)のトリオ、ふぇのたすは二回目。前に観た時は、相対性理論直系のエレクトロポップという印象だったが、フジミナ&SEIKOサマのFEVER熱に浮かれた状態で本質が見えた。無機的なハズのデジタルドラムビートが有機生命体の血肉を刻み、ギターとシンセの調味料をふりかけ、アンサンブルで料理し、給仕するのがヴォーカルの役目。すなわちPhenotasとは一軒のデリカテッセン、日本でいえば寿司屋なのである。ヘッドフォンやスピーカーでBGMを流す店内で、美味しいおすしが食べられると評判の、東京おしゃれタウンのお薦めスポット。キャッチフレーズは「たす+たすでありがたす」。振り付けはミコが言うほど簡単じゃないが、見よう見まねで一緒に踊ればはっぴーになること請け合いたす。聴くものみんな笑顔に変える魔法少女の電脳ポップスに幻惑されたす。
女子力は
三者三様
萌えつきぬ
ふぇのたすインストアライヴ情報
9月21日(土)18:00 タワーレコード秋葉原店
観覧無料 CD購入者に特典あり