SUZANNE VEGA JAPAN TOUR 2014
1985年、アルバム『Suzanne Vega/街角の詩』でデビュー。全英11位を記録する。 セカンド・アルバム『Solitude Standing/孤独(ひとり)』から シングル・カットされた「ルカ」は全米3位を記録。また、ア・カペラ曲「Tom's diner(トムズ・ダイナー)」は90年にシングル・カットされ、全英2位を記録。日本でもCMに起用された。2010年にはClose-Up シリーズのリリースをスタート。Vol.1~4までを制作。2013年にはフジロックに初のサマーフェス出演。2014年1月29日には新作「Tales from the Realm of the Queen of Pentacles」をリリース!!!
今回のSHOWはFUJI同様、David Bowieのアルバム、ツアーでもギターを引くGerry LeonardとのDuoスタイルになります。
スザンヌ・ヴェガを観るのは2年ぶり。2012年1月23日大雪の日のビルボードライヴ東京でのライヴは、洒落た空間で親密な演奏を聴かせ、心を温めてくれた。今回は昨年オープンのEXシアター六本木。着席800人の中ホールで落ち着いたライヴだった。85年デビューだから来年デビュー30周年を迎えるスザンヌの魅力は、デビュー当時とまったく変わらない飾り気のない佇まいと豊かなイマジネーションの瑞々しい歌の世界。デビュー作『Suzanne Vega/街角の詩』と最新作『Tales from the Realm of the Queen of Pentacles(金貨の女王の王国の物語)』を聴き比べると、30年の隔たりを少しも感じさせないブレの無さに驚くばかり。
80年代MTVとゲートドラム全盛の時代に、アコギ一本で街角の詩を紡いだスザンヌの視線は、常にヒットチャートやセールスとは無縁の落ち着きを湛えていた。おしゃべり好きのダンス教師だったという経歴は、歌と同時に披露されるトークの中に刻まれており、自己内省的社会批判(『Suzanne Vega/街角の詩』1985)、児童虐待や都会の孤独(『Solitude Standing/孤独(ひとり)』1987)、神秘的シンボリズムと感情の深遠(『Days of Open Hand/夢紡ぎ』1990)、ダンスビートとインダストリアルノイズによる過激な世界(『99.9F°/微熱』1992)、繊細さと出口のない孤独感と欲望(『Nine Ojbects Of Desire/欲望の9つの対象』1996)、男女関係の失敗や挫折(『Songs in Red and Gray(灰と赤の歌たち)』2001)といった変遷には、シンガーやソングライターである前に一人の女性であることを偽らない彼女の生き様が描かれている。
自分の過去の作品をアコースティック弾き語りで再録音した「Close Up」シリーズ4作により、自己の過去と内面世界を吐露し追体験し浄化したスザンヌは、再び同じ処に立って新曲も昔の曲も同じく54歳の自分の歌として唄い紡ぐ。「I Never Wear White」で何故自分が白では無く黒しか身に着けないのかを詳らかにした。「黒は真実。私の在り方。私の人生の駅」。無垢すぎて眩しすぎて純粋すぎる「白」よりも邪悪で日陰で謎に満ちた「黒」の方が相応しい。「Crack In The Wall」は壁のヒビの隙間から垣間見える精神世界への憧れを歌う。普段の生活の中に摩訶不思議を見つけ出す少女の夢想を失ってはいない。
2年前と同じかは分からないが、ジェリー・レオナルドのギターはサンプラーを使ったアンサンブルが見事で、バンド演奏では時に死んでしまう孤独な呟きを際立たせる魔力を発揮した。終演後サイン会を実施、数百人の観客と触れ合う。YouTubeには多くのライヴ映像・テレビやラジオ出演動画・音源が公開されている。孤高に安住して権利を主張するより、自分が授かった音楽という宝物をより多くの人とシェアすることの方が大切なのであろう。日本の後はオーストラリアをツアー。旅から旅への生活は一ヶ所にじっとしているより充実しているらしい。生きている間に如何に多くの魂と交われるかの巡礼の旅。スザンヌが選んだのは、そんな人生なのかもしれない。
<Set List>
☆アンコールの一曲目「Silver Bridge」は、観客のリクエストで「Undertow」に変更された。
何処に居ても
私は私
揺るがない
★スザンヌ・ヴェガが英ラジオAbsolute Radioにてスタジオ・セッションを披露
★スザンヌ・ヴェガが米ラジオ番組『Tiny Desk Concert』に出演しパフォーマンスを披露、音源は無料DL可
★スザンヌ・ヴェガが米ラジオ番組『World Cafe』に出演しパフォーマンスを披露
★スザンヌ・ヴェガがフランスのラジオ局RTLにてスタジオ・セッションを披露
★スザンヌ・ヴェガが米ビルボード誌にてスタジオ・セッションを披露
★スザンヌ・ヴェガがフランスのラジオ局RTLにてスタジオ・セッションを披露
★スザンヌ・ヴェガが米ラジオ局KGSRにてライヴ・セッションを披露