A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

UP-TIGHT/山崎怠雅クインテット/庭/チューニングブラザーズ@渋谷Last Waltz 2014.4.12(sat)

2014年04月14日 02時54分15秒 | 素晴らしき変態音楽


音の治療室_sound-treatment-circus
出演:UP-TIGHT/山崎怠雅クインテット/庭/チューニングブラザーズ


静岡から昨年スプリットCDをリリースした、UP-TIGHT、庭が出演します。そして、ソロCD「フィクション」も大好評の山崎怠雅さんの本CDにも参加のメンバーによる山崎怠雅クインテット、1年以上ぶりに復活のラジオ集団チューニングブラザーズの登場となります。何卒ご来場ください!!!



3月初頭のでんぱ組ウィーク以来、かなり女子に偏った生活を送ってきたような気がする。世間的にも、某オボさんをはじめ女子が脚光を浴びているし、失礼千万承知の上で四十代五十代六十代各年代の女子を検証した結果に明らかなように、今は女性上位万歳時代なのかもしれない。しかし、ボーイズ冬の時代にも年の差無用のロケンロー軍団亜米利加帰りの中指立てた四人組のように、存在感を誇示する男子も少なからず存在する。そんな中、東京・静岡のノイズ&サイケ系男子が一堂に集うイベントが開催された。

久しく訪れていなかったポスト青い部屋=渋谷Last Waltzにて 短波ラジオ奏者直江実樹の企画イベント『音の治療室』。半年ぶりの静岡ノイズ&サイケに東京アシッドフォーキーの雄・山崎怠雅が加わるという筆者にとっては正に「ネ申イベ」。春に突入した六本木通りの坂を息を切らしてラストワルツに向かった。


k.mochizuki、エフジェイ、pujari、塩澤達哉(tatami)、黒石貴裕(Exxe Mxxy)



(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

前回2013年9月1日新宿URGAでは3人だったが、今回はBとDsを加えた5人編成。リーダーのk.mochizuki(因みに名前表記も前回と異なる)が「庭は、サウンド同様メンバーも毎回異なる」という通り。初めて観た前回は、地面に這い蹲ってノイズを奏でる毒虫のような姿に驚愕したが、二回目もその非現実的な光景は、自分に関係のない別世界の出来事であるかのように思える。というよりそうであることを願う自分がいるのだ。暴力に近い音圧に襲われ身の危険を感じるのは、決して他人事ではない。しかしそれが目の前でのたうつ異形の集団が引き起こす現象だという事実を受け入れたくないのだ。もしかしたら30数年前に非常階段の阿鼻叫喚のパフォーマンスに逃げ惑った観客の気持ちに似ているかもしれない。しかし、庭のパフォーマンスには当時のマル非のような暴力性や絶望感は皆無に近い。つまり激情に駆られてもいないし発狂してもいない人間が、このような畸形集団として存在することに恐怖に似た違和感を憶えるのである。意固地なまでに「ノイズ表現」に拘る庭の姿勢は、大都市から離れたローカルの強みに他ならない。




●チューニングブラザーズ
くぅた/小池実/直江実樹(radio)、安藤裕子(sax)、星山可織(casiotone,voice)、Guest:尾上祐一(Telegraph key,laptop-radio)




異形集団・庭が退場し、ルックスは至極真っ当な男女が数人ステージに上がる。バンド名の通り短波ラジオ奏者を中心としたユニット。くぅた、小池、直江が短波ラジオ。メンバー紹介でそれぞれ機種名・シリアルナンバーまで言及するのが面白かった。尾上が真ん中でPC画面を見ながらモールス信号を鳴らす。安藤のソプラノサックスは、非ジャズ的な音色とフレーズを備え、星山のカシオトーンと歌がアクセントを入れる。聴く限りではラジオはメインでは無く、全体のバランスが重視されている。音塊の総攻撃だった庭に比べて、チューニングブラザーズのサウンドは音像の取捨選択が鍵であると言えよう。だからこそ「チューニング」を名乗るのだろう。




山崎怠雅クインテット
山崎怠雅(vo,g) 伊藤 きんぐ 昭彦(Ag) 浅野廣太郎(sax) 小池実(Bass) 井上順之介(Dr)




昨年12月27日四ッ谷Doppoでの山崎のレコ発に出演したのと同じラインアップ。魔術の庭に参加した時は凄まじい勢いでギターを弾きまくったタイガだが、自らのリーダーバンドでは、ソロは浅野のバリトンサックスに任せ、ギターはバッキングに徹して、歌を最大限にアピールする。抑揚の豊かな楽想には所謂アングラ臭が一切無く、気持ちいいほど真っ直ぐな気持ちがダイレクトに届く。フリーキーに暴れるバリトンサックスは、デストロイヤー(破壊者)ではなく、メロディと対象させることで、エモーションの振り幅を広げ、聴き手の理解を促す効果をもたらす。相応しいかどうかは自信がないが「さだまさし+坂田明の長髪版」と喩えたら怒られるだろうか?




UP-TIGHT
Aoki(vo,g) Ogata(b) Shirahata(ds)




年に一回観られれば幸運なUP-TIGHTを半年で再体験出来るとは誠に幸運。しかもUP-TIGHT史上最高のトライアングルの現メンバーでのステージは実に貴重。庭同様にローカル都市で熟成されたオリジナリティ溢れる独自のスタンスは真似しようとしてもできない。BとDsに他のバンドの経験があるのかどうかは分からないが、UP-TIGHTとして演奏する限りはココでしか出来ない渾身のプレイに徹する。ストイックに音楽に身を捧げる気迫が会場を包み込む。暴君さながらに感情をストレートに発散する青木のオーヴァーアクションに導かれて、この場のすべてが宇宙の彼方にワープするように振動する。サイケデリックというのが、ココではない何処かへのマインドトリップを意味するとすれば、この日のUP-TIGHTの50分強のステージこそ、サイケデリック体験に他ならない。




差別や偏見に聞こえたら謝りたいが、ローカルに活動する音楽家の魅力は、曲解と孤立に基づくガラパゴス性と、意固地な程のプライドの高さだと思う。庭のアンバランスな存在感とUP-TIGHTのロックへの不器用な思い入れこそが、決して朱に交わることのない比類なき美しさの秘密であるに違いない。大都会に迎合すること無く存在するローカルシーンに憧憬の念を抱くことは、無い物ねだりの我が儘なのだろうか。



行ってみたい
静岡騒弦
高松モンスター

今一番観たいロコドルと言えば
でん○組.incヽ(*´∀`*)ノ!










コメント
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