(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)
ケリス・ウィン・エヴァンス
会期:2015年3月20日(金) – 4月18日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー 東京
オープニング・レセプション:3月20日(金)18:00-20:00
レセプション当日19:00より音楽家灰野敬二氏がライブ・パフォーマンスを行います。
1月20日六本木SuperDeluxeにDJ出演して以来2ヶ月ぶりの灰野敬二の公演。その間不失者でオーストラリアのフェスに出演した。久々の国内ライヴは倉庫の6Fにあるギャラリーに於けるロンドン在住アーティスト、ケリー・ウィン・エヴァンスの個展のオープニング・レセプション。4年前2011年2月26日に同じ会場で同じアーティストの個展のレセプションに灰野が出演した。翌日が新木場スタジオコーストでのイベント「I'll Be Your Mirror」だったことも記憶に残っているが、何よりもその2週間後に大震災が起こり、世界がすっかり変わってしまったことに想いを馳せると、遥か昔の別世界での出来事だったように思われる。
⇒灰野敬二パーカッション・ソロ@清澄白河 Taka Ishii Gallery 2011.2.26(sat)
前回同様エヴァンス本人の強い要望で実現したギャラリー・ライヴは、4年前より狭く改装された空間で開催された。真っ白な四角い部屋の真ん中にエヴァンスのモービルオブジェが吊り下げられ、その奥にパーカッションを並べたターブルと右隅にギター・アンプが置いてある。それだけでインスタレーション作品に見える。金属円板パーカッション「OTO」の演奏。PAを通さない生音なのに高音が突き刺さり耳鳴りがする。叩く灰野の手の速い動きを見ていると、目の前で火花が飛び散るような錯覚に陥る。壁の反響に加え、オブジェの円盤により音波が屈折し、演奏が進むにつれて通奏低音のように低い音が鳴り出し、さらにOTOの音階とは異なる別のメロディーを感じるようになる。いつものライヴでギターやエアシンセの爆音の中に存在しない旋律が聴こえてくるるように。
OTO演奏が40分続いたところでおもむろにギター・アンプの電源を入れる。ギターやエレクトロニクス機材もないのに?と思ったらケースから取り出したのは巨大なスプリング。伸縮するコイルを伝わる振動や衝撃が電気増幅され、強烈な爆音が鳴り響く。火打石のようなOTOで浄化された聴覚のレベルがレッドゾーンに振り切れて決壊する。ギャラリーのフロアを這うスプリングはまるで大蛇のようだった。灰野はさながら蛇使いのシャーマン(祈祷師)の如し。
終演後、静けさの戻ったギャラリーに展示されたエヴァンスのオブジェに近づくと、円盤と壁、円盤と円盤の間のあちこちからブーンという羽音のような信号音が聴こえた。灰野の演奏中も音を発していた円盤たちは、まさに灰野と人知れずセッションをしていたのだろう。
円盤の凹みから
OTOとOTOが
絡み合う
<灰野敬二Live Schedule>
3月27日(金)千駄木Bar Isshee
灰野敬二 with 狩俣道夫
4月3日(金)渋谷lastwaltz
「闇に光」
出演:灰野敬二+山崎怠雅/グンジョーガクレヨン/蔦木俊二(突然段ボール)
4月12日(日)六本木Super Deluxe
Merzbow x Balázs Pándi x 灰野敬二
出演:Merzbow x Balázs Pándi x 灰野敬二/KK NULL/BASTARD NOISE
4月22日(水)新宿PIT INN
新宿 PIT INN 50th Anniversary 坂田 明 2DAYS
「即興一発新橋へ、早また汽車は煙はく!」
【MEMBERS】坂田 明(As,Cl)灰野敬二(G)本田珠也(Ds)
4月24日(金)六本木Super Deluxe
Peter Brötzmann with Strings
出演:ペーター・ブロッツマン (サックス、クラリネット)、ジム・オルーク (ギター)、灰野敬二 (ギター)
ゲスト:八木美知依(エレクトリック21弦箏、17弦ベース箏、エレクトロニックス、歌)ソロ