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年を追う毎に加熱するハロウィン現象も「そんな毛唐の祭りはオイラには関係ねぇ」と頑なに拒否してスルーしながら半世紀生きて来た。しかし人生が緩い下り坂に差し掛かった2015年、遂にハロウィンに巻き込まれることとなった。その主因は推しメンがハロウィンソングをリリースしたことなのか?今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気アイドルとは言え、家へ帰れば妄想ヲタ女に過ぎない黄色い小娘の影響で、人生の三分の二近く守ってきた主義主張をあっさり放棄してしまうのか?それは過去の自分の否定ではないか?この先大丈夫か?不安じゃないか?・・・・そんな自分を元気づけるためには、今年突然ハマった訳ではなく、以前からハロウィンへの傾向賛美が始まっていたことを証明し、自分の行為の正当性を明らかにするしかない。
以下の議論は、筆者の自己同一性を取り戻すための、深遠なる思索の小径のメモである。
●フランク・ザッパ
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ハロウィンの象徴は鮮やかなオレンジ色の西洋カボチャ。ダークグリーンの日本の南瓜では盛り上がらない。そんなカボチャを現代音楽とミックスしたのが、前衛ロックの始祖フランク・ザッパ。デビュー作『ひどく興奮します(Freak Out)』に続く『完全無料(Absolutely Free)』のメイン曲が「若きカボチャの召還と儀式の踊り(Invocation & Ritual Dance of the Young Pumpkin)」。ストラヴィンスキーの『春の祭典』のポップアート的解釈である。
The Mothers of Invention / Invocation & Ritual Dance of the Young Pumpkin
●デッド・ケネディーズ
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都会のニューヨークやロンドンのパンクスは、ほのぼのしたハロウィンや田舎臭いカボチャを歌うことはなかったが(日本でお正月や雛祭りのパンクソングが無いのと同じ)、西海岸で年中行事をパンクに結びつけ檄を飛ばすパンクバンドが現れた。ジェロ・ビアフラ率いる4人組『死んだケネディ家(Dead Kennedys)』は「年に一日だけハロウィンで騒いで憂さ晴らししても明日から普通の生活さ。一年中ブチ切れて生きようぜ!」と歌うアジ演説ソング。
Dead Kennedys:Halloween:Brixton 1982
●ソニック・ユース
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ジャックオランタン(カボチャ)案山子に火を放ち、ノイズをロック界に撒き散らしたのがNYアンダーグラウンドの帝王ソニック・ユース。3rdアルバム『邪悪な月が昇る(Bad Moon Rising)』(85)は、ドラマーがボブ・バートに固定され、骨太のノイズロックを産み出した重要作。キム・ゴードンが気怠く歌う「ハロウィーン」は当時はシングル盤のみでリリースされ、CD化の際に追加された。
Sonic Youth: Halloween
●スマッシング・パンプキンズ
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アメリカではスイカ割りではなく、カボチャを割るのかもしれない。だとすれば1988年に結成されて、ニルヴァーナと並ぶ90年代グランジ/オルタナロックの人気者になった4人組の奇妙な名前も納得できる。初期はロン毛のビリー・コーガンの美青年ぶりが初々しい。彼らの曲がハロウィンのカボチャ割り大会のテーマ曲に起用されたかどうかは知らないが、「ヲタク・アメリカ合衆国(Geek U.S.A.)」という曲は、全米のヲタの孤独な心を映し出した。
[HQ] The Smashing Pumpkins - Geek USA
●でんぱ組.inc
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そして21世紀のハロウィンソングの白眉は電波ソングである。相沢梨紗デザインのゾンビコスプレはメンバーそれぞれ完成度の高さは超一級。えいたそ☆成瀬瑛美が「かぼたそ」という名のペットカボチャを連れたジャックオランタン案山子に扮したことは、彼女のエキセントリック性の表出であり、特にソニック・ユースとの共通性は、えいたその神性の証である。
【Mステ ミュージックステーション】 でんぱ組.inc - 永久ゾンビーナ
上記の三段論法の証明により、筆者のハロウィン参戦は、決して自己批判すべき変心ではなく、半世紀賭けて追い求めてきた自分自身とやらを探す旅路に狂いがないことが明らかにされた。
あしたから
探しに行こう
マイセルフ
2015年10月25日(日) VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY>参戦記
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イベントは夕方17時スタートなので、その前に原宿2.5 SPINNSの相沢梨紗キュレーションによる「HALLOWEEN CAFE」へ。限定ランチは売り切れていたが、衣装や漫画やデコレーションを堪能。しかもチェキくじにも参加でき、心優しいりさ推し青年のご好意で、黄色チェキをゲット。前日の『バンもんFes.』で特典会に参加出来ず、結果的に浮気せずに貞操を守った自分の健気さをエイミに伝えようと、意気揚々と幕張へ向かう。(チェキに夢中で財布をHALLOWEEN CAFEに落としてきたことが途中で判明、精神的に凹みピークに。。。)
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VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY>
10月25日(日) 幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール
VAMPS / BREAKERZ / ゴールデンボンバー / でんぱ組.inc / Silent Siren / HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA / Tommy heavenly6
海浜幕張駅はコスプレ女子でいっぱい。色とりどりのコスチュームに身を包んだ女子の群れはそのまま幕張メッセの3つのホールぶち抜きの巨大ホールに吸い込まれて行った。ゾンビ女子、ヴィジュアル女子、ミニヨン女子、血飛沫女子、着ぐるみ女子・・・その間をカボチャのお面を被った「かぼたそコス」で掻き分ける。Eブロッグは前から2番目だが、花道が目の前にあるので、パフォーマーの接近率が高い。Tommy FebruaryとBREAKERSを熱低めで眺め、一般参加コスプレショーの完成度の高さに感心。次はでんぱ組。少しでも前方へ行こうとするが、女子の壁は崩れない。周りにでんぱヲタが殆どいない中、えいちゃんコールと完成度の低いヲタ芸を打ちながら観戦。何とか周囲の視線をやり過ごし、ゾンビーナコスを堪能したが、終わった途端どっと疲れが出て退出。女子トイレの長蛇の列を横目に退散した。筆者の一途な純情はエイミに伝わっただろうか?
【OFFICIAL】でんぱ組.inc『でんでんぱっしょん』(TIF2015)