A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

平野剛 Go Hirano@フクモリ マーチエキュート神田万世橋店 2015.11.25(wed)

2015年11月29日 01時20分23秒 | 素晴らしき変態音楽


Go Hirano LAST WEDNESDAY NIGHT LIVE

【日時】11月25日(水) 20:00〜20:40
【開場】フクモリ マーチエキュート神田万世橋店 タナフクモリ
※フリーライブですので、お誘い合わせの上お気軽にご参加ください☆

2015年3月より毎月最終水曜日の夜に
90年代よりカナダを中心に活動してきた平野剛さんによるフリーピアノライブを開催しています!
透明感の中にどこかぬくもりのある音で紡ぎ出される独特の世界観。
そんな平野さんの演奏をゆっくりと店内でお買い物をしながらお楽しみいただけます。
毎月最終水曜日はぜひフクモリ マーチエキュート神田万世橋店で音楽を。
※タナフクモリ(S7/雑貨スペース)での演奏になります。カフェスペースは通常通り営業しております。

【プロフィール】
平野剛 (Go Hirano) / 音楽家
鎌倉市在住。音楽家。橋本一子氏に師事。90年よりカナダを中心に活動を始める。
ピアノ、ピアニカ、声、パーカッションによる音楽を演奏。自然の中の音のかけらを集めた小品集 『Reflection of Dreams』(1996) 『Corridor of Daylights』(2004)をリリース。
2015年1月にタナフクモリにて開催した「星たちの息子・全曲版 柴野さつきLIVE」にゲスト出演。



平野剛の名前は90年代半ばモダーンミュージック/PSFの音楽誌『G-Modern』の連載「知られざるPsychedeliaたち」の筆者として知った。当時海外で発掘されていたレアなサイケデリックバンドを詳細に解説しており、コレクター向けレコード店の経営者、もしくは金持ちのレコードマニアだと思った。その10年後に中古レコード店のノイズ/アヴァンギャルドセールで入手した1st LP『Distance』で、初めて平野がミュージシャンだと知った。ヴァイオリンやギター、エレクトロニクスやガラス片を使った即興演奏は、音楽以前の物音ノイズに近かった。2nd LP『Reflections of Dreams』は、実験性が薄まりピアノとピアニカを中心にした叙情的な小品集だった。映画のサントラのようなメランコリックな抒情性は、やはり音楽というよりサウンドスケッチという印象が強い。2004年9月29日六本木SuperDeluxeで開催されたPSF&アルケミー20周年記念公演に平野が出演しテニスコーツと共演したが、対バンがJunko+浦邊雅祥、灰野敬二+成田宗弘、三上寛+JOJO広重という強烈な面子だったので、正直言って余り印象に残っていない。


(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

それ以来名前を聞くことはなく思い出すこともなくなったが、先日知人から平野が定期的にライヴ演奏をしていることを聞いた。場所は秋葉原近くのJRガード下の雑貨店。お洒落なショッピングモールで、あいにくの雨だったが神田川を望むテラスは、パリのセーヌ河沿いのような異国情緒がある。アート風の雑貨が並ぶ店内にピアノがあり、買い物客が通り過ぎる中で演奏が行われる。優しく爪弾かれるピアノのフレーズは、平易なメロディを空気中に積み重ね、夢の中のように朧げな印象をもたらす。カマボコ状の天井の反射音と時折響く電車の通過音が茫洋感を拡大し、音の空気に包まれる気分。眠りと覚醒の中間に意識が漂っていく。



ピアノを弾きながら片手でピアニカを吹く姿に、音楽と同じように飾り気のない素直さが滲み出る。しかし一心不乱に譜面を見つめる真剣な目つきは音楽へのマッドサイエンティストぶりを示している。”凄いもの派手なものに食傷気味になったところで、もう一度地味なレコードのひそやかな音に耳を傾けてみれば、本当のサイケデリアを感じられるだろう”と20年前に自ら書いていたとおり、平野が奏でる(エリック・サティ風に言えば)雑貨の音楽の中には、この音楽をやり続けるしかなかった30年来の想い(それを狂気と呼ぶのは間違いだろうか)が宿っているのである。

Go Hirano (new song)


ピアノから
出てくる音は
誰のもの

【次回ライヴのお知らせ】


JR秋葉原駅から歩いて5分。クラブグッドマンやディアステージのついでに足を伸ばしてみては如何だろうか。
コメント (5)
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