A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

不失者@高円寺HIGH 2015.11.9(mon)

2015年11月11日 00時57分18秒 | 灰野敬二さんのこと


不失者
Fushitsusha


灰野敬二 : vo, g, etc.
森重靖宗 : b
Ryosuke Kiyasu : ds



今年5月3日灰野敬二生誕記念公演〜不失者から半年ぶりのワンマンライヴ。「意味を持つことの出来ない深み」への旅路と言えた前回のライヴ以降、不失者はスタジオリハーサルを入念に繰り返し「今回のワンマン公演に向けて通常に無い回数のスタジオ練習を行い、最大限の準備をする」と異例の声明も出された。1979年の結成から灰野以外のメンバーを何度も入れ替えながら、35年間に亘り、名前の通り「失われざる者たち」宛らに活動して来た不失者。世界でも類のない透徹した精神性と、他者には真似できない独創的な演奏論に基づく世界は、唯一無二と呼ぶしかない。


(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

前衛チェロ奏者として活動している森重靖宗は、高校時ベーシストとして演奏活動を始めたと言うが、バンドでベースを弾くのは30年ぶりとのこと。灰野に負けない程の大音量で重低音を響かせるその奏法は、"バンドの屋台骨を支える大黒柱"というベーシストの一般的イメージを完全に無力化して、バンドの重力から離れ自由奔放に音とフレーズを紡ぎ出し、即興舞踏家の如き跳躍を見せる。時に灰野と森重が向き合い、更に三者が輪になって絡み合う音の魂が、これまでの不失者には無い外向きのパワーを解き放つ。高円寺HIGHの高い天井まで届いた音は、解放された歓びにパチパチと火花を散らしながら昇天する。



PAからのサウンドが轟音をあげて襲いかかる中、スローモーションの動きでドラムを叩き荒れるKiyasuの波動は、灰野と森重のコミュニケーション保護するバリアとなる。「暗号」「ここ」といった人気ナンバーで灰野が爪弾くクリアトーンのギターの音色が、これまでになく親しみ易い表情を見せるのが新鮮だった。灰野の表情からは、今回のトリオ編成の演奏を楽しんで、これから先の活動への確信を感じたに違いない。

失われない
固まらない
流されない

Fushitsusha - The Halation Born Between You And I Who Were Doomed To Appear In Form


コメント (4)
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