A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

カリフォルニアの地下水脈~LAFMS=ロサンゼルス・フリー・ミュージック・ソサエティ

2013年02月18日 00時37分24秒 | 素晴らしき変態音楽


モダーンミュージックのHPの新入荷情報に工藤冬里&礼子の新作CDと「音人」という雑誌の告知があった。「音人=ONZINE」は"音響作家、石上和也発行の音楽雑誌の第一号!お薦めは150ページのうちの45ページ分の坂口卓也氏によるLAFMS特集!!!"とコメントされていたので「おおっ」と思い早速明大前へ出向き購入。


坂口氏は1980年代初頭ピナコテカレコード発行のフリーペーパー「アマルガム」や自販機雑誌「JAM」「HEAVEN」に"科伏(補)=シナプス"のペンネームで寄稿していた。大半はアメリカ西海岸に棲息するロサンゼルス・フリー・ミュージック・ソサエティ=LAFMSという組織に関する記事だった。竹田賢一の雑誌レビューに始まり色んな偶然が重なりアメリカでLAFMSのメンバーに直接会い様々な情報を入手、その後現在に至るまでの交流に関しては「音人」に詳しい。2010年にロンドンで3日間に亘り開催された"The LAFMS in London - The Lowest Form of Music"の詳細なレポートを含む同記事は本ブログの読者なら興味深いに違いない。現在大阪在住の坂口氏は近年LAFMS関連のイベントを自主企画したりノイズ・即興関連イベントや雑誌記事・CDライナーなどで精力的に活動しており、東京の園田佐登志氏と並ぶ日本地下音楽界の生き字引である。坂口氏ブログ「音薬談」はコチラ

私がLAFMSのことを知ったのはアマルガムの記事と「Fool's Mate Vol.17」(July '81)掲載の水上はるこの記事だった。LAFMS作品はプレス枚数が少なく初期作品は入手出来なかった。キャプテン・ビーフハートやワイルドマン・フィッシャー、レジデンツとも交流のあった彼らのサウンドはひと言では括れないハチャメチャな奔放さと原初的衝動に満ちており、メンバーが流動的なプロジェクトが無数に存在するので全体像の把握は不可能。それは彼らの意図でもあるだろう。ピナコテカレコードが交流しLAFMS作品の日本配給や共同コンピ制作予定との情報もあったがピナコテカ閉鎖のため実現しなかったようだ。



1996年に突如10CD(&11CD)アンソロジーBOX「LAFMS:the lowest form of music」がリリースされ20年間の活動の全貌が明らかになったが、複雑怪奇な匿名性と節操のない音楽性ゆえ謎はますます深まるばかり。2000年代に未CD化音源の発掘・再発やDoo-Dooettes+灰野敬二+Rock Pottsの「FREE ROCK」リリース、Solid Eye来日とLAFMSの話題は続いた。2011年リック・ポッツが来日しスーパーデラックスで工藤冬里とセッションした。予測不可能な冬里の演奏にハンドメイド楽器を駆使して対抗するリックは間違いなく真のエクスペリメンタリストだった。



今後もLAFMSのアーティストは音楽に限らず冒険を続けるだろうしその影響は現在の音楽シーンに深く根付いていることも確かである。坂口氏のレポートにあるように現在進行形のLAFMSの動向に注目して行きたい。

羅府夢衆は
今を生きてる
リアリティー

<LAFMS関連情報>
LAFMSの準メンバーでもあり80年代日本に住みアンダーグラウンド・シーンと深く交流したジョン・ダンカンが来日、東京では非常階段と共演する。

日本のLAFMS=第五列によるピナコテカレコード最後の作品「なまこじょしこおせえ・賣國心・INFECUND INFECTION」がCD化される。
JOJO広重ブログによれば第五列BOXも計画されている模様。

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台湾的最新若年型自主岩石音響地獄変~BB彈、透明雑誌、河豚子、SELFKILL、女孩與機器人

2013年02月16日 00時23分48秒 | ロッケンロール万歳!


台湾から新しい風が吹く。青山月見ル君想フにて「日台交流イベント~ROMANTIC TAIWAN~」が開催中。若手エレクトロニカユニット女孩與機器人(The Girl and the Robots)、台湾原住民メンバーによる国民的人気バンドTOTEM(圖騰樂團)、映画音楽で活躍する黄裕翔(ホアン・ユィシアン)の3組をメインに日本のミュージシャンも出演し台湾料理やお酒も楽しめる2週間である。


韓国に次いで近い異国でありながら台湾ポップスはテレサ・テンくらいしか紹介されなかった。21世紀に入り日本とアジアの垣根が低くなり日本のアーティストのアジア公演が盛んに行われ逆にアジアのポップスが日本上陸しその成功ぶりはK-POPの隆盛を見れば明らか。アジア諸国にもインディーズやアンダーグラウンドな音楽シーンがあることも分かってきた。

最初に琴線に触れた台湾ポップスは以前取り上げた癒し系女性シンガー齊豫(チー・ユー)だが最近の若手ロックバンドの動向には大きな興味を惹かれる。

2005年頃当時有力だったMySpace経由で知った台湾のガールズパンクバンドB.B.BOMB(BB彈)。台湾の野外フェスでも大活躍のリアルパンクバンドで来日経験もある。詳しいバイオは不明だがメイン・ヴォーカル以外は流動的なようでガールズトリオだったりバックが男性だったりする。メロコアやパワーポップの影響を受けたサウンドだが中国語の響きが可愛らしい。昨年のライヴではガレージサウンドを聴かせている。台湾パンク界の姉御的存在。



「台湾のナンバーガール」と呼ばれる轟音ギターロックバンドが透明雑誌。2011年夏初来日ツアーを行い圧倒的なパフォーマンスが話題となった。昨年秋2度目の日本ツアー、アルバムも日本発売され人気を博す。ART-SCHOOLの台湾公演のサポートを務めた。日本のオルタナ・バンドと共通する風通しの良いちょっと捩じれたギター・サウンドが心地よい。



3ピースガールズバンド河豚子(フグコ)。奇妙なバンド名は日本のマンガの登場人物からつけたという。可愛らしい唄声に乗る轟音ギターがキャッチーな中毒性の高いサウンドで日本のギャルバン=チャットモンチーやねごとからマイ・ブラッディ・ヴァレンタインなどシューゲイザーやドリーム・ポップとリンクするサウ ンドがカッコいい。メンバーはG&Vo:wama、B:柚子、Dr:ORCA。昨年9月に来日ツアーを果たした。



インスト・バンドSELFKILL。2002年結成の10年選手のベテランである。2007年第18屆金曲獎・最佳樂團獎(台湾グラミー賞・最優秀グループ部門)に史上初めてポストロックバンドとしてノミネートされ注目を集めた。メンバーは匡匡(G)、胖虎(B)、阿達(Dr)の3人。トランペットやヴァイオリンを取り入れ構築するゴッド・スピード・ユー!ブラック・エンペラーなど英米のバンドに負けない雄大且つ壮絶な音世界は悠久の中国文明の深遠さを反映している。



先日青山月見ル君想フで来日公演を観た女孩與機器人(The Girl and the Robots)。2009年にインディー・デビューし台湾には珍しいエレクトロニカ/ポストロック・サウンドが話題になる。2011年メジャー・デビュー。メンバーは「女孩」のRiin(Vo,Electro)、「機器人」のJungle(G,Electro)と蛋(Syn)というトリオ。ライヴではドラマーが加わり夢見るような浮遊感のあるメロディーを軽快なテクノビートで聴かせる。Riinのキュートなパフォーマンスと片言の日本語のMCが魅力的。最新作「平行宇宙」の初回ボーナスCDには日本人DJによるリミックスも収録。新世代ロック、特にエレクトロニカの世界には国境はない。



インターネットの発達で世界の文化的障壁は消え失せた。世界各地から発信される新世代カルチャーに注目したい。

台湾は
不思議に満ちた
夢の島

マイブラの台北公演が2月13日に開催された。参戦者の感想は「情人節前夕聽MBV者,真文青也。只是耳膜也被震破了」・・・・・言わんとするところはよく分かる。
コメント (2)
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ゴロッパチ~ロック数え歌、またはロックで祝うバースデイ特集 Pt.3

2013年02月15日 00時22分09秒 | 動画の歓び


数字のバンド名といえば日本が誇るガレージ女番長トリオTHE 5.6.7.8'S(ザ・ファイブ・シックス・セブン・エイツ)通称ゴロッパチでキマリ!結成26年目の現在も途絶えることなくDIY精神で活動を続ける彼女たちはクエンティン・タランティーノ監督映画「キル・ビル」やレディング・フェスティバルへの出演等で世界的規模でリスペクトされる国宝級バンドである。この4月には活動を集大成するDVDの発売も決定。それにしてもゴロッパチといい少年ナイフといい由紀さおりといいきゃりーぱみゅぱみゅといい海外を席巻するアーティストが女性ばかりなのはジャパニーズ・ガールズ・パワーの威力を象徴しているようだ。



さて成人を迎え酒もタバコもOKになったこの特集のPt.3は大人として様々な波風を経験する青年期に突入する。

▼21=フレーミング・リップスディアフーフ:21歳ソングが見つからないので21世紀の精神異常者ナンバー。プログレNo.1人気ソングでカヴァーも数多いが当ブログにピッタリのモダンロックの代表バンド2巨頭によるライヴ・ヴァージョン。対バン・ツアーのアンコールであろう。完コピながらトラメガを使ったヴォーカルと冗長な間奏を省いたコンパクトな演奏がいい。




▼22=安倍なつみ:22歳といえば普通は伊勢正三作のお別れソングだが当ブログは普通じゃないので敢てなっち再登場。2003年のソロ・デビュー曲。歌の上手さに感心する。30歳を過ぎたが舞台や歌で活躍中。




▼23=神聖かまってちゃん:J-Rock界のお騒がせバンド。の子のヴォーカルとジャンクなサウンドは投げやりに聴こえるがナウなヤングのハートを鷲掴み。因みにかまってちゃんの年齢夏休みソングは22歳と26歳もある。




▼24=黒乃うさぎ:ヴィジュアルなごむ系?ゴスロリ界のイロもの芸人?ゴールデンボンバーの次を担う存在?謎のお化粧シンガー、愛称はにぃにぃ。妄想ぴこぴこいもうと黒乃雪乃も存在する。




▼25=スティング:2011年にソロ活動25周年を迎えたスティングがポリスを結成したのは25歳の時だった。この曲は1996年の6thアルバム「マーキュリー・フォーリング」収録曲だが米盤には未収録。




▼26=ジョン・ケージ:実はズルである。ケージのナンバー・ピースは1から108まである(30以上は端折っているが)のでどの数字でもOKなのだ。26は探せばかまってちゃんや外国の楽曲があるが現代音楽を1曲入れたくここに持ってきた。映像もエグいしヴァイオリンのドローンがケージらしいので聴いていただきたい。




▼27=狐火:福島出身ラッパーの3rdアルバムのタイトル・ソング。就職活動に挑む心情を切々と綴ったライムはタイトル通り現実味が溢れる。アゲアゲ・ヒップホップよりこんな内省的なつぶやきラップの方が好きだ。




▼28=The Weekend:カナダ出身のR&Bシンガー、アベル・テスファイによるユニットThe Weekendのメジャーデビュー作「Trilogy」収録曲。レディ・ガガのリミックスやドレイクとの共演で注目されている。シルキーな歌声が魅力。




▼29=椎名恵:北海道出身の80年代を代表するラヴソング・シンガー。30歳を目前にした女性の恋愛や生き­方をテーマにした1988年発表の4thアルバムのタイトル曲。大人の歌を唄わせれば天下一品。現在もジャズクラブ中心に活躍中。




▼30=ゆず:今をときめく人気デュオの2006年の7thアルバム「りぼん」収録曲。芝居仕立てのPVに描かれた通り30目前の二人の気持ちを唄った曲。似たような存在のケツメイシにも「三十路ボンバイエ」という曲がある。



孔子曰く
三十にして立つ
而立(じりつ)哉

AKB48の伊豆田莉奈がTV番組で「30歳以上の独身は負け犬」という旨の発言をし話題となっている。色々難しい年代である。次回はその三十路についてじっくり考察したい。
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イェーセイヤー/80KIDZ@代官山UNIT 2013.2.13 (wed)

2013年02月14日 01時12分15秒 | 素晴らしき変態音楽


Live event
YEASAYER
LINE UP:YEASAYER Support act:80KIDZ

ご存知のように第55回グラミー賞でゴティエが最優秀レコード賞など3冠、FUN.が最優秀楽曲賞と最優秀新人賞の2冠、UKフォークバンドのマムフォード&サンズが最優秀アルバム賞など2冠に輝いた。いずれも世界的に大ヒットしチャートを席巻しているアーティストながら日本での知名度はイマイチ。ワイドショーや新聞ではゴティエの留学経験ネタとFUN.の「僕たちはそんなに若くない」発言が紹介されたくらいでマムフォード&サンズに至っては数秒PVが流れただけ。何故彼らがこれほど評価されるのかどんな背景があるのかといった説明は一切なし。ゴティエの記事で書いたように日本と世界の音楽市場の熱量差が証明されたグラミーだった。

因みにマムフォード&サンズはバンジョーなどアコースティック楽器だけで大会場を熱狂させるライヴ命のバンドである。フォークバンド編成だが若いリスナーへの受け方はアコギ版インディー・ロックと呼んだ方が相応しい。アメリカやヨーロッパは国土が広い分ライヴ・ツアーの重要性が高い。グレイトフル・デッドをはじめとするロードバンドへの支持の高さは圧倒的だが日本には伝わりにくい。英国出身の彼らの活躍でアメリカのルーツ音楽が注目されるという逆転現象も起こっている。



新世代アーティストの台頭が著しい中、NYブルックリン出身のエクスペリメンタル・ロック・バンド、イェーセイヤーの来日公演に参戦した。MGMTやベックとのツアーを経て2007年にデビュー、実験性とポップセンスを併せ持ったサウンドが高く評価され2010年の2ndアルバムで世界デビュー。同年のフジロックで初来日した。昨年リリースの3rd「フレグラント・ワールド」を引っ提げて初の単独公演が実現した。


代官山UNITは洋邦問わず実験的イベントや新世代バンドのライヴが多く開催される先鋭的なクラブである。場所柄外国人やオシャレ系の客が多い。この日も外国人客の姿が多い。一昔前は”外人が多い=日本ではマイナー”というイメージだったが21世紀には外国人の嗅覚が最先端日本人の感性とリエゾンするのが普通の光景になった。

オープニング・アクトは日本の若手バンド80KIDZ。全く知らないバンドだったが浜崎あゆみやOrange Rangeなどのリミックスも手掛ける人気エレクトロユニットとのこと。メインの二人(共にg&key)にb,dsの4人組。インストロック/ポストロックというのだろうか、4つ打ちビート+重いベースに乗せてギターやキーボードが弾けるサウンドは新感覚派。neco眠るやte’、TOE、LITE、空間現代に通じるがもっとファンキーなダンスビートでオーディエンスを温める。



短時間のセットチェンジでイェーセイヤーの登場。新世代ロックらしく普段着の青年4人組(ドラムはサポートメンバー)。予想外にベーシストの二の腕が逞しい。そのベースの太い音が演奏をドライヴさせる。アルバムは打ち込みビートが主体のマシーナリーな印象だったがUNITのフロア向けサウンドシステムで聴くとグルーヴィーな低音リズムが腰に来て気持ちがいい。ボーカロイドによる「ワタシタチハブルックリンカタキタイェーセイヤー。コンニチハトーキョー」という日本語のセリフを織り交ぜたエレポップ・サウンドにウルトラヴォックスやデペッシュ・モードやDAFを思い出す。全員マルチ・ミュージシャンというが楽器の持ち替えはない。3人ともヴォーカルを取るが歌の上手さに感心する。ゴティエに通じるR&B・ソウルの影響やレゲエやダブの要素を強く感じる。それがレイドバックではなく尖ったダンスロックになっている。あらゆる音楽要素を混ぜ合わせオリジナルなサウンドを創造しひとつのスタイルに拘らず常に変化する姿勢が今風。グルーヴ感たっぷりの演奏にはポストロック特有のクール感はない。人を踊らせるステージの楽しさは失神はないけれどザ・キャプテンズと同じである。

Photo by Takayuki Mishima



新世代
ロックに息づく
ダンス衝動

しばらく若者に交じって新世代音楽に身を委ねようかな。
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ザ・キャプテンズ/アーバンギャルド@渋谷Milkyway 2013.2.11 (mon)

2013年02月13日 00時24分14秒 | ロッケンロール万歳!


『7DAYS☆失神天国 2013』
CAST
◆ザ・キャプテンズ
◆ミドリカワ書房
◆アーバンギャルド
◆惑星アブノーマル(O.A)

"最後のグループサウンズ"=ザ・キャプテンズ7DAYSの初日。この日は新宿JAMでGirls Sazanami Beat! vol.5レコ発!の三日目が、下北沢シェルターでザ・シャロウズ・ワンマンが開催され東京はあたかもネオ60'sナイトだった。どれに行くか迷ったファンも多いことだろう。ザ・シャロウズもザ・キャプテンズもサザナミレーベルと関係がある。ザ・キャプテンズは2004年のコンピ「Wild Sazanami Beat! Vol.1」に、ザ・シャロウズは2010年の同シリーズのVol.5に参加している。ザ・キャプテンズのライヴを初めて観たのは2006年のサザナミイベントだった。

2001年に仙台でヴォーカルの傷彦を中心に結成したザ・キャプテンズはインディーズで3枚アルバムをリリースした後シングル「失神天国~恋をしようよ~」でメジャー・デビュー。メジャー・アルバムのタイトルは「失神最前線」。オックスをはじめグループサウンズを象徴する「失神」を合言葉に人気を博してきた。自主企画イベント「失神天国」もデビュー時から継続し2011年から「7DAYS☆失神天国」として一週間連続イベントを開催している。今年はその3回目。日替わりで対バンを迎え7日間9公演の真冬の最高に熱い1WEEKである。彼ら自身で対バンを選ぶ。初日はアーバンギャルドを筆頭に若手2バンドを揃えた豪華ラインナップ。アーバンギャルドの今年2回目のライヴでもありアーバンギャル&ギャルソンも集まった。

都合で最初の2バンドは観られなかったどちらもユニークなアーティストなのでPVを貼っておく。

惑星アブノーマル



ミドリカワ書房



GSを標榜していてもこれだけ幅広い才能を集めるのが興味深い。

●アーバンギャルド
Milkywayは初めて。地下にチェルシーホテルが、上階にAUBEがあるライヴハウスビルで上からの震動が鈍く響く。キャパ300人でステージが高くて観やすい。天馬が「今日はちょっとしたレア曲大会になりそうだ。最近はワンマンでもこぼしてしまいがちなあの曲やあの曲をやります。」と思わせぶりなツイートをしていたのでちょっと期待。前方は殆どアーバンギャル&ギャルソンで埋まっている。「さよならサブカルチャー」PVの衣装で登場。「サブカル」~「病めるアイドル」~コール&レスポンス~「ベビーブーム」~朗読=AKB48峰岸みなみネタ連発の坊主めくり。「スカート革命」のあとシルクハット+付け髭で「プロテストソング」。ライヴで観るのは初めて。カトちゃんのひげダンスみたいで面白い。「修正主義者」~「ロボットと私」とレア曲連発。最後は「生きてくれるかな?」→「いいとも!」のコール&レスポンスに続き「ノンフィクションソング」で終了。コンパクトに纏まったアーバンも悪くない。失神ファンももの珍しそうに楽しんでいた様子。和やかな雰囲気。



セットチェンジ中にステージ前のスクリーンにGS映画のビデオが映されBGMもGS尽くし。B級カルトGSではなくタイガーズやスパイダースなど王道系なのが新世代メジャーGSのザ・キャプテンズらしくていい。

●ザ・キャプテンズ
客電が落ち赤いミリタリールックのメンバーが登場。ベーシストの顔に馴染みがあり懐かしい気分。最後に薔薇を片手に”薔薇から生まれた薔薇王子”って自分で言っちゃう傷彦様が登場。「君たちが聞きたい言葉を聞かせてあげる・・・・・・・愛してるよ!」というナルシスティックなMCで薔薇を前列のファンに渡すと会場中から「キャーーーーーッ!」と嬌声が上がる。歌も演奏も完璧にこなすが王子様オーラが物凄い。2曲目で早くも客席に飛び込んで失神する傷彦様。一挙一動がキマっていていて見事としか言いようがない。新加入のキーボードのケイ伯爵の楽しんご風おねえキャラも炸裂。初めてでもノリノリで踊らす盛り上げ方が最高。1時間を超えるステージだったが演奏と同じくらいしゃべりがあった気が・・・。サザナミを通過して成長したアーティストはみんなサービス精神満点で安心して楽しめる。それにしてもこの愛と元気いっぱいのステージを7日間続けるとは凄いエナジーだ。各日とも意外性のある対バンで面白そう。個人的にはニューロティカ/THE GELUGUGU/花団の14日(木)が観てみたい。



来場者プレゼントのニューシングル「シェイクハンド」はGSというより戦隊アニメ主題歌+ヴィレッジピープルなディスコ歌謡で彼らの懐の深さを感じさせる。



キャプテンは
翼じゃなくて
傷彦様



キノコホテルと2マンしてくれないかなー。
傷彦様とマリアンヌ様のミリタリー対決っていうか薔薇vsムチ!観たくね?
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That’s a NO NO!/原子力牧場/ザ・ランチェリーズ/ザ・ゲルピンズetc.@新宿JAM 2013.2.10 (sun)

2013年02月12日 01時07分53秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


Girls Sazanami Beat! vol.5 Release Party! 3daysの二日目!
出演:That’s a NO NO!, The Yummys(岡山), 原子力牧場(静岡), ザ・ゲルピンズ(札幌), The Lubies, THE RICOTTES, ザ・ランチェリーズ,よなよなモリーズ

優良インディーレーベル、サザナミレーベルのガールズコンピ「Girls Sazanami Beat!」の第5弾が発売された。ガレージロックの雄ゴーグルエースのリーダーのカマチガクにより2003年に設立されたサザナミレーベルは独自のセンスと嗅覚と何よりも音楽への愛情に貫かれ今年10周年を迎える。発足当時から精力的に日本および海外のガレージロックシーンと交流しコンピCD「Wild Sazanami Beat! 」をリリース。2008年から「Girls Sazanami Beat!」として女性アーティストに特化したコンピ・シリーズをスタート。"CDからライヴ"という現場主義が信条で毎回レコ発イベントを開催。チョコメイツ(岡山)、ミルキィズ(神戸)、thee 50's highteens(福岡)などサザナミコンピ&イベントで知りファンになったローカルバンドも多いし別ルートで入手し気に入っていた原子力牧場(静岡)を初めて東京に呼んでくれたのもサザナミだった。今回のリリースパーティーは新宿JAMで3日間に亘り開催。その中日、原子力牧場が出演する二日目に参戦した。

トップのよなよなモリーズは見逃したので最初はThe Lubies。揃いの衣装の女の子ふたりと男性ドラマーのトリオ。全員平成生まれの若さ弾けるサウンドには敬愛するブリティッシュ・ビートの香りがたっぷり。サザナミイベント出演の全バンドに共通するが常に笑顔を絶やさず楽しそうに演奏するのが観ていて嬉しい。




(撮影・掲載に関しては主催者の許可を得ています。以下同)

2番手はザ・ランチェリーズ。コチラもお揃いミニのワンピースの女性トリオ。失礼ながらThe Lubiesよりはだいぶ年季が入っているご様子。GSやR&Rのカヴァーを含みコーラスもバッチリの元気なステージ。「皆さん手拍子お願いします!」というMCの口調に聴き覚えがある。あとでプロフィールをみたら何と元タイガーリリィのク二コ(g)とチャオポア(b)のバンドだった。このシーンが素晴らしいのは解散や脱退があってもまた新たなユニットで活動を続けるアーティストが多いことだ。みんな初期衝動を忘れずに頑張っている。





SEのB級GSザ・ムスタングの「ゲルピン・ロック」に乗って登場したのは札幌のザ・ゲルピンズ。メンバー全員ポニーテール姿に萌える。キュートなルックスに似合わずドスの効いた歌謡ロックやブルースも飛び出す破天荒さに驚く。札幌といえばこのコンピシリーズの第1弾に収録されたイタリヤギターというジャンクなガレージバンドが気に入り音源が欲しいと連絡したところバンド活動が停滞していたらしく1年後にやっと入手できた覚えがある。ザ・ゲルピンズのメンバーに尋ねたらイタリヤギターを知っていた。3枚だけ持ってきたCDR「今夜だけは本気でハグしてゲルピンズ」を購入。音割れした爆裂ガレージパンクから「いつまでもここにいると思ったら大間違いのブルース」(!)という演歌ロックまで収録、北国の謎がますます深まる1枚。3月に正式アルバム・リリースを予定。







4番目は原子力牧場。ドラマーの脱退で暫く活動がストップしていたが前回のサザナミイベントにヘルプで参加したAUが正式メンバーとなり昨年2ndアルバムを制作。その「原子力牧場II」を携えての上京ライヴである。1年ぶりに会うもよぽんは少し大人っぽくなっている。今までのバンドは皆ユニホームだったが彼女たちは思い思いの衣装。曲調はガレージではなく通称SHOCK POP・VENOM ROCK。初めて聴いたとき神聖かまってちゃんのの子のようにヴォイス変換機を使っているのかと思ったもよぽんの変幻自在のヴォーカルと彼女の倍の年齢でジミヘン好きのもたんのハードなギターワークが特徴。J-RockにもV系にもガレージにも属さない特殊な世界を許容するサザナミの懐の深さが分かる。新作も捻くれた曲満載で聴き応えたっぷり。  







5番目はTHE RICOTTES。ゲルプ教授というメガネのおじさんが率いる大所帯パーティーバンド。スクーターズを思いっきりバタ臭くした感じ? 教授と二人の女性ヴォーカルの円熟のパフォーマンスとバックを固めるイケメンプレイヤーの対比がユニーク。オーディエンスもダンス大会でノリまくり。イベントのハイライトといえる盛り上がりを見せた。





6番目は岡山のThe Yummys。ハロウィン風衣装はクランプスの影響か。ファズギターが唸りを上げるヘヴィーガレージサイケ。紅一点のベーシストのニコやかな笑顔が素敵だ。後半ゲストギタリストと革ジャン女子ヴォーカルトリオが参加し賑やかに盛り上げる演出は高知のモンドダイヤモンドに通じる。西日本に特有のノリなのだろうか。





トリはThat’s a NO NO!。昨年リリースのデビューCD「YES or NO」は久々のガールズガレージ・マストピースだった。一昨年のサザナミイベントでは揃いの衣装だったがこの日は黒基調にバラけたスタイル。ドラムはザ・シャロウズの新道。前回はサザナミイベントの後にシャロウズのオールナイト・ライヴがあったが、今回は翌日がシャロウズ・ワンマンライヴ。忙しいことこの上ないがそれも理解出来る素晴らしいドラマーだ。長身のヴォーカルのヨシケイと小柄なギターのトモカとの凸凹具合が面白い。流石トリだけあって迫力・演奏力ともに抜群。「YES or NO」を聴いていない方はご一聴をお薦めする。







サザナミで
踊り狂って
夏になる

7月6日に新宿ロフトで開催されるサザナミレーベル10周年イベントで伝説のガールズバンド、ポルトガルジャパンが再結成するとのこと。このバンドも滅茶苦茶カッコいいので是非観ていただきたい。



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キューティパイ ~ロック数え歌、またはロックで祝うバースデイ特集 Pt.2

2013年02月11日 00時49分36秒 | 動画の歓び


数字ソングは数多いが数字だけで歌詞にしてしまった曲はこれくらいじゃなかろうか。坂田明の激烈サックスをフィーチャーしたハードコア・ナンバー。作詞作曲は真島昌利。この歌を覚えれば試験もバッチリ。受験生諸君に捧げます。



さてロック数え歌 Pt.1(No.0~No.10)が予想外に好評をいただいたので続編をお贈りしよう。

▼11=イレヴン:レッチリやパール・ジャム、サウンドガーデンと人脈的繋がりがあるグランジ・バンド。日本では無名だがアメリカでそこそこヒットした。紅一点のキーボード奏者は2008年癌で他界。



▼12=中川あゆみ:14歳でデビュー、自分の生い立ちを赤裸々に歌ったこの曲で話題になった女性シンガー。昨年半ばブログを閉鎖し名前を聞かなくなったがどうしているのだろう。



▼13=13thフロア・エレベーターズ:ジム・モリソンと並ぶカリスマ、ロッキー・エリクソン率いるテキサス・サイケの代表バンド。現在のロック界にも信奉者が多い。



▼14=amazarashi(アマザラシ):青森出身の若手ロックバンド。2010年のデビュー以来一切本人のメディア露出のない覆面バンドながら高い人気を誇る。



▼15=スマイレージ:ハロプロ所属、つんくプロデュースの6人組アイドルグループ。キャッチフレーズは「日本一スカートの短いアイドルグループ」。



▼16=安倍なつみ&矢島舞美(℃-ute) :当時26歳のなっち(元モー娘。)+16歳のまいみによるユニットの2008年のデビュー曲。お互いの年を唄うのは年齢ソングの定番。パロプロ順列組み合わせユニットの常でこの1作で消滅。



▼17=南沙織:沖縄出身、昭和アイドルの代表格シンシアの1971年のデビュー曲。第13回レコード大賞新人賞受賞。後に森高千里がカヴァーヒットさせた名曲。



▼18=松田聖子:アイドル連投で申し訳ない。ハイティーンは熟れ頃なのでアイドル年齢ソングが多いのである。



▼18:お口直しに洋楽ショックロック年齢ソングも貼っておく。



▼19=阿部真央:人気女性ロッカー、サラ毛の真央姉さんの5thシングル。自分にとって歌とは「誰かと繋がるための術」であると語る。



▼20=きゃりーぱみゅぱみゅ:曲名には入ってないが最新二十歳ソングといえばこれにキマリ!現在ワールドツアー中、2月13日武道館ライヴDVD発売。選挙権を持ったきゃりーの社会的オピニオンリーダーとしての活躍に期待したい。



成人に
達したけれど
先は長い

大人の垣根を越えて続く年齢(数字)ソングの続きにご注目を。



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マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン@新木場 STUDIO COAST 2013.2.8 (fri)

2013年02月10日 00時33分36秒 | 素晴らしき変態音楽


My Bloody Valentine
JAPAN TOUR 2013

昨年のリマスター盤リリース以来マイブラおよびシューゲイザー周辺が異例の活況ぶりを見せている。ここ数年ビートルズ、ストーンス、クイーン、ツェッペリンで食いつないできた洋楽メディアでは何度もシューゲ特集が組まれムック本も複数出版された。前作から20年を過ぎたマイブラも「懐かしロック」に違いないが新世代ニューゲイザーやドリーム・ポップへの影響を考えると他のオヤジロックより断然若いリスナーに身近な存在である。実際アソビ・セクスやビーチ・ハウスなどその影響下にあるバンドの来日公演は2・30代の若者で満員でよく嘆かれる洋楽不況が嘘のような活況ぶりである。

その教祖としてマイブラへの注目度は急上昇。22年ぶりの単独公演は発売早々にソールドアウト、大阪・東京共に追加公演も決まった。また来日直前に突然オフィシャルサイトで新作の完成が発表されDL販売が開始されるという絶妙のタイミング。否応にも熱狂が高まりTwitterなどSNSでは賛否両論の盛り上がりを見せている。大阪から始まったツアーで入場者に耳栓が配布されたことも話題となり音楽サイトのライヴレポートはどれも絶賛。

かくいう私も90年代当時はさほど興味がなかったがこの盛り上がりに便乗する形で再発CDや関連書籍を買い集めブログでも何度か取り上げた。ツイートや雑誌記事を見ると90年代を体験した人と2000年以降後追いでファンになった人が混在し、体験派はブームの背景や影響を語り、後追い派は想像力を膨らませ如何に凄いかを説いている。どちらもマイブラを「伝説の存在」と讃えているのは同じ。捻くれ者は「ライドの方が人気があった」「ダイナソーJr.やソニック・ユースの方が凄い」「ライヴは下手だった」とムキになって反論する。個人的には初来日公演は観ていないし当時CDも買っておらず深い思い入れはないが、比較的マニアックな存在なので例えばキュアーやエコバニやオアシスやブラーを語るよりマイブラについて分析した方が面白いのは確かである。マイブラ以外のシューゲ系バンドの作品を聴いてみたが明らかにマイブラは異色である。同時代インディーロックやハッピーヴァレーと呼ばれていたバンドがどれも既存のロック・スタイルを継承しているのに対し、マイブラはヴェルヴェッツやジザメリの影響があるとはいえ音作りを含め過去の音楽を曲解し捩じ曲げた異形のサウンドを産み出している。シューゲの創始者として若いバンドから多大なリスペクトを得ているマイブラが実は「王道ではない」という事実は注目に値する。

[2/10追記:リリース当時余り評価されず(売れず)後に多大な影響力をもたらした異形の作品ということではヴェルヴェット・アンダーグラウンドの1stと同じである。「ラヴレス」のジャケットがしばしば模倣される現象も「バナナ」に似ている。他に再評価でこれほど影響力をもった作品・アーティストは思いつかない。]

そもそもロックンロール自体が黒人音楽の模倣と曲(誤)解により誕生したのだからマイブラへ憧れは当然のことだし揶揄するつもりは毛頭ない。しかし楽曲の本質を見抜くという意味ではあまたあるマイブラのカヴァーの中では先輩格の少年ナイフによるカヴァーが際立っているのは間違いない。





前日の小春日和が一転いきなり真冬の寒さが戻った冷風の中スタジオコーストへ向かう。会場前はコートを着込んだ若者でごった返している。やはり2・30代中心で男女比6:4。折角だからと普段は素通りの物販の列に並び3500円の質の悪そうなTシャツを購入。会場入口で紅色の耳栓をもらう。色は毎日変わるらしい。左手のテラスのステージ全体が見渡せる場所を確保。お一人様や二人連れの客が多いが会場で出会い意気投合したグループもチラホラ。徐々に客が増え開演10分前には満員。時折スタッフがステージを横切ったりバックスクリーンが光ったりするがニューウェイヴのBGMが流れる中皆平然と大人しく開演を待つ。

10分押しでオルゴール風のSEがPAから流れ客電が落ちる。大歓声に迎えられ4人のメンバーが登場。トレードマークのジャズマスターを構える。「ワンツー......、ハイ。」とMCして演奏スタート。新作も含めiPodで何度も聴いたので聴き覚えはあるが曲名は覚えていない。ギターの音が大き過ぎてヴォーカルが殆ど聴こえずほぼインスト状態。イントロでウォーッと歓声が上がるので人気曲だと分かる。彼らの曲の多くはギターの音量とテンポ以外は変化に乏しくかなり一本調子である。曲が変わってもテンションが同じで"Shoegazer=靴先ガン見"を意識しているのかフロントの二人は全く動かない。その分ベースとドラムが激しいアクションでハードなビートを叩き出し、音だけ聴くとMC5やストゥージズなどガレージロックの影響が濃いことが分かる。バックスクリーンには様々なパターンのサイケ映像が投射され音とシンクロして幻惑的な世界を産み出す。最近ゴティエ、EP-4 unit3、坂田明平家物語と素晴らしいライティング体験が続いているのでヴィジュアル効果の重要性を実感する。しかしメロディーの聴こえない演奏が1時間続くとちょっと飽きてくる。







そこへラスト・ナンバー「You Made Me Realise」投下。「ノイズ・ピット」「ホロコースト」と呼ばれる長時間のノイズ演奏に 突入することで知られる曲だ。数コーラス楽曲を演奏したところでノンビートになりノイズ放射スタート。さっきまでのダレた気分が一気に引き締まる。こりゃ尋常な音じゃない。ラリーズや灰野敬二、メルツバウ、非常階段など轟音ライヴは何度も経験しているので甘く見ていた。大スピーカーから放出される爆音は重量級の厚みで物理的に全身を襲う。震動が足元と耳から脳髄に伝わり頭蓋が共振する音響地獄。耳栓はこのためだと納得。この20分の為だけに8000円払ったといってもいい程の満足感を得ると共に、このメガトン級ノイズに2400人の観客が耐えた事実に感心する。久しぶりにライヴで耳鳴りが残った。アンコールは必要ない。バンドとしての力量はどうあれ20分間本気の演奏をしたことに拍手を送りたい。同時にこのノイズを嬉々として甘受するリスナーがこれほど多く存在することにノイズの未来の可能性を感じる。



<Set List>
1 I Only Said (Loveless)
2 When You Sleep (Loveless)
3 New You (mbv)
4 You Never Should (Isn't Anything)
5 Honey Power (EP)
6 Cigarette In Your Bed (EP)
7 Come In Alone (Loveless)
8 Only Shallow (Loveless)
9 Thorn (EP)
10 Nothing Much To Loose (Isn't Anything)
11 To Here Knows When (Loveless)
12 Slow (EP)
13 Soon (EP)
14 Feed Me When You Kiss (EP)
15 You Made Me Realise (EP)

シューゲ=(イコール)
ノイズではない
ドリーム・ポップ

マイブラは5月TOKYO ROCKS 2013で再来日する。野外スタジアムでのノイズ放射がどうなるのか楽しみだ。
コメント (2)
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1.2.3.4.5.6.7 DAY'S A WEEK ~ロック数え歌、またはロックで祝うバースデイ特集 Pt.1

2013年02月09日 00時44分26秒 | 動画の歓び


クロマニヨンズ&ベンジーの記事で年齢に関する曲を掲載した時、他にも年齢や数字をタイトルにした楽曲がいくつか頭に浮かんだ。真っ先に浮かんだのはザ・コレクターズのインディ・ミニ・アルバム「WELCOME TO THE FLOWER FIELDS AND THE MUSHROOM KINGDOM(ようこそお花畑とマッシュルーム王国へ)」に収録の「1.2.3.4.5.6.7 DAY'S A WEEK」。

▼ザ・ピロウズによるカヴァー・ヴァージョン



数字の入ったバンド名も結構ある。そんな訳で0から順番にどこまで行けるか数字ソング&バンドをようつべで探してみた。出来るだけ年齢に因んだ曲を優先したのでご自分および友人や家族の誕生日に唄っていただければ幸いである。

▼0=ユニヴェル・ゼロ:本当は「東京ニューウェイヴ'79」に収録の自殺の「ゼロ」にしたかったがようつべにないのと人生を自殺からスタートというのも何なので暗黒のチェンバーロックをどうぞ。




▼1,2,3=モーニング娘。:赤ん坊の時間は早く過ぎるので端折って一気に駆け抜ける。




▼4=ギャング・オブ・フォー:間もなく来日するポストパンクの代表バンド。カミソリギターが強烈!




▼5=カウント・ファイヴ:テレヴィジョン/トム・ヴァーラインもカヴァーしたガレージロック・クラシック。




▼6=ゆーゆ:やっと年齢ソング登場。6歳にしては堂に入った王道歌謡バラード。




▼7=7!!(セブンウップス):沖縄出身男女4ピースバンド。アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」主題歌で人気に。3月にバニラビーンズと対バンする。




▼8=ザ・バーズ:ロジャー・マッギン率いる12弦ギター・フォークロック・バンドがドラッグをキメてトリップしたラーガロックの名曲。




▼9=9nine:2005年結成のアイドルグループ。ヴァラエティ色豊かなパフォーマンスが特徴。




▼10=テン・イヤーズ・アフター:アルヴィン・リーの猛烈なマシンガン・ピッキングで有名な英国ブルースロック・バンド。




ワントゥースリー
三つ数えて
飛び出そう

数字ソング・ネタは40以上あるので続編に乞うご期待!
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ヒラメキが生んだ新古典~坂田明「平家物語 実況録音 映像篇」DVD

2013年02月08日 00時20分00秒 | 素晴らしき変態音楽


2011年10月に発売後、ロングセラーを続ける坂田明『平家物語』(dms-142)に続き、今度は映像版(DVD)が登場です!! 高平哲郎の構成・演出によって、2012年6月24日に新宿Pit Innで行なわれたライブを丸ごと収録。坂田明、ジム・オルーク、田中悠美子、石井千鶴、山本達久のクインテットによる、さらに末広がりになった演奏も坂田明の朗読をこれでもかと引き立て、フリーの演奏シーンでは阿鼻叫喚、「先帝入水」では涙すら誘います。ライブ・ペインティングと絵巻物などがバックスクリーンに投射され、音だけでは伝わらない『平家物語』の豊穣なイメージが映像にも炸裂します。

○演奏
坂田明(アルト・サックス、クラリネット、バス・クラリネット、鳴り物、朗読)、ジム・オルーク(ギター、ヴォーカル)、田中悠美子(義太夫三味線、浄瑠璃、朗読)、石井千鶴(小鼓、締太鼓、ヴォーカリーズ)、山本達久(ドラムス、パーカッション)

○ライヴ・ペインティング
中山晃子

○撮影/編集
テレコム・スタッフ

○構成/演出
高平哲郎

1. 祇園精舎
2. 入道逝去
3. 六道之沙汰
4. 坂落
5. 組討の段
6. 敦盛最後
7. 木曾最期
8. 先帝入水
9. 音戸の舟唄
doubtmusicホームページより)

♪祇園精舎の鐘の声・・・♪という「平家物語」の一節を坂田明が唄うのを最初に聴いたのは2011年8月15日下北沢Lady Janeでの石橋英子&ジム・オルークとの共演ライヴである。その前に観た同年5月23日渋谷Bar IssheeでのTatsu(レピッシュ)&DJ Sniffとのライヴでは唄ってないので「平家物語」企画は2011年6月・7月にスタートしたものと思われる。8月24日キッドアイラックホールでのソロ公演の2ndセットで「平家物語」を吹き語りしたのが世界初演ではなかろうか。doubtmusicからCDがリリースされたのは10月16日。その日にピットインでペーター・ブロッツマンのゲストで坂田と佐藤允彦が出演。ライヴでは平家物語は唄わなかったが休憩時間に話したら「ごめんね、こんなの作っちゃって」と照れていた。JOJO広重がライナーで絶賛していたが坂田本人やdoubtmusicの沼田順社長をはじめスタッフはこの作品がどう受け止められるかいまいち自信がなかったのではなかろうか。

CDはネットを中心に「よくぞやってくれた!」と絶賛され不安視されたジャズ系メディアでも好意的に評価され徐々に話題が広まっていった。直後に始まった坂田明&ちかもらち「ちかもらち空を飛ぶ」ツアー以降「祇園精舎~」はライヴの定番レパートリーになる。

それに気を良くした沼田が企画したのが2012年2月8日秋葉原CLUB GOODMANでの「平家物語 実演会」だった。直前の2月4日四谷・喫茶茶会記でのソロ・ライヴでは客がたった5人だったので動員は大丈夫か?と心配したが蓋を開けたら立ち見も出るほどの大盛況。田中悠美子(三味線)/石井千鶴(小鼓)/山本達久(パーカッション) /ジム・オルーク(ギター)を迎えて2時間近く繰り広げられた集団演奏は坂田ひとりの多重録音によるCDとは全く違ったスケールの大きい世界を見せてくれた。→ライヴレポートはコチラ

その好評ぶりおよび4月9日に開催されたJAZZ非常階段の成功でさらに大胆になった坂田&沼田コンビは6月24日新宿ピットインで「俺たちひょうきん族」「笑っていいとも!」等で知られる高平哲郎の構成・演出によって第2回実演会を開催。私は観に行けなかったのだが何とこのたびその日の演奏が映像版DVDとして発売されてしまった。どこまで悪ノリするのかdoubtmusic!社運を賭けたJAZZ非常階段がそれなりに売れ、フェスティバルFUKUSHIMA!を阿鼻叫喚に陥れたノイズ電車&温泉が話題になり儲けた(?)お金をこんなトンでもプロジェクトに注ぎ込むとは!沼田社長、あなたはゼッタイ的に正しい。足を向けては寝られない。というか沼田のトンでも商法にまんまと乗せられる我々は何と幸福なのであろうか。同時に"非情"階段=JOJO広重のリスナーの懐具合を完全に無視した物欲刺激リリース作戦にも踊らされているのでダブルパンチである。ボックスセットを出さないだけ沼田には慈悲の心があるのかも。明日の昼飯代が心配になるがクロマニヨンズのヒロトが語る通り音楽表現と生活とは別モノだからここで語るのは辞めておこう。

ウルトラQのオープニングのようなリキッド・ペインティングが投射されるステージで坂田の低い唸り声から始まる映像は単なる演奏会の記録ではなく一遍の映画のような映像美とストーリー性に貫かれている。NHK大河ドラマのように日本画と筆文字の字幕が出るのも嬉しい。坂田をはじめミュージシャンの一挙一動が如実に観察出来るので実際にピットインで観る以上に深く演奏に没入することが出来る。ジム・オルークの手による録音はライヴならではの臨場感を生々しく捉えており説得力がある。ミュージカルやロックオペラとは違うが一度観始めると途中で辞めらず一気に最後まで観てしまう。坂田が20分で思いついたという直感的なアイデアが遥かに進化してパフォーミング・アートとして見事に開花しているのに感動する。ここにあるのは単なる物語でも音楽でも朗読でも記録映像でもない。「坂田明 平家物語」という新たな芸術である。この表現運動がどこまで発展するのか。間違いなく日本国内に留まるものではなかろう。「アキバ」「ハラジュク」「ヲタク」「きゃりーぱみゅぱみゅ」と並んで「ヘイケ」が現代日本文化のシンボルとして語られる日は近い。

▼2012年2月8日秋葉原CLUB GOODMANでの第一回実演会の模様。DVDに収められた実演会のプロトタイプである。


(動画の撮影・掲載に関して主催者・出演者の許可は得ていません)

1980年代に坂田は「新童謡」というジャンルを構築したが30余年後に「新古典」を生むとはお釈迦様いや六波羅殿でも気がつくめえ。



八〇〇年
経ってみても
平家は凋落

沼田商法の常としてDVD発売記念ライヴが開催される。
2月13日(水)秋葉原CLUB GOODMAN doubtmusic presents<坂田明 平家物語・実演会 其の参 坂田明/平家物語 実況録音 映像篇(DVD/dmf-148)発売記念!!>
【出演】坂田明、ジム・オルーク、田中悠美子、石井千鶴、山本達久


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