A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ティーンエイジ衝動対決~ザ・クロマニヨンズ「イエティ対クロマニヨン」vs 浅井健一「PIL」

2013年02月07日 00時48分12秒 | ロッケンロール万歳!




ザ・クロマニヨンズの7thアルバム「YETI vs CROMAGNON」がリリースされた。浅井健一の5thアルバム「PIL」とリリース時期が近いので1,2月発売のロック雑誌では両者が表紙を分け合う展開になっている。

ヒロト&マーシーのインタビューでは作品内容に関する質問がNGなのでジャーナリスト泣かせであることはよく知られている。シングルやアルバムが出る度に雑誌やラジオの取材を受けるのだが楽曲・歌詞の内容についての詳細は一切話さない。そんな二人からどうやって新しい話を聞き出すかがインタビュアーの腕の見せ所である。例えばアナログ盤への拘りとか好きなアーティストのこととか食べ物の話とか新作と直接関係ない話題で攻めるしかない。アルバムを聴くと「今回も最高のロケンロー曲集だなぁ」という感想しかない。初めて聴いても一緒に歌えるしヘドバンして盛り上がれる。歌詞を深読みすれば突っ込みどころはあるがヒロト&マーシーに作為がないことは明らかだ。色んな雑誌を読んだ中では「ローリングストーン日本版2013年2月号」のジョー横溝によるインタビューとナタリーでのTHE BAWDIESのROYとのロックンロール対談が良かった。「ローリングストーン」は一年前の2012年2月号でもヒロトの巻頭インタビューを掲載。冒頭で震災についてふれたインタビュアーに対して音楽と震災は関係ないと一刀両断にした上で自分の夢は"死ぬまでレコードを聴くこと"だと断言している。この発言を引き出しただけでも素晴らしいがそれに続く今回のインタビューでもヒロトは自分の生き方を率直に語り全くブレない姿勢を示している。



それに対してベンジー=浅井健一はアルバム制作過程や収録楽曲の内容さらには社会・政治の話題まで実に雄弁に語り尽くしている。表紙に登場した「音楽と人2013年3月号」では取材中のカフェが落ち着かず自ら移動を提案し路上~自動車の中で取材に応えた。また前述の「ローリングストーン」では丁度衆院選直前だったこともあり誰に投票するかまで明快に語っている。ここまで心情を正直に曝け出すアーティストも珍しい。



天然系のヒロト&マーシーと思索家のベンジーは一見対照的だが根底に流れるものは全く同じである。それはロケンローへの愛情と自然体で生きる覚悟である。クロマニヨンズのライヴでは前説で「ロッケンロールの初期衝動を発散してくれ!」と客を煽る。ヒロトがロケンローの洗礼を受けたのは中学1年生の頃だというしザ・ハイロウズには「十四才」、ブランキー・ジェット・シティには「15才」という曲がある。10代の頃に受けた初期衝動を忘れず自然体で生きること、それがロケンローなのであろう。






10代で
蹴っ飛ばされた
ロケンロー








































































コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

百鬼夜行の回想録~80'sインディーズ特集 第11回:アヴァンロックの金字塔、吉野大作&プロスティテュート

2013年02月06日 00時51分45秒 | 素晴らしき変態音楽


吉野大作&プロスティテュートのデビューEP「Daisuck & Prostitute」が店頭に並んだのは1980年初頭、アナーキーのデビュー作やPASSレコードのシングル3作=BOYS BOYS、突然段ボール、PHEWと同じ頃だったと思う。日本パンクの自主制作盤としてはヴァニティ、ゴジラ、PASSに続く最初期の作品だった。店頭コメントや音楽雑誌では「ポップ・グループ~リップ・リグ&パニックやア・サートゥン・レイシオを髣髴させるオルタナティヴ・ロック」と紹介され自動車にハンマーを叩き付けるジャケと相まって過激派的存在感が異彩を放っていた。痙攣するビートと破壊的なヴォーカル、そして何よりも軋みを上げる絶叫サックスが大好きだった。



1981年に新興ジャパンレコードからLP「死ぬまで踊りつづけて」でメジャー・デビュー。町田町蔵のINUの「メシ喰うな」と同時期だった。おどろおどろしいジャケットは社会の不合理を告発する絵画を残したシュルレアリスト山下菊治の代表作「葬列」。メンバーは吉野(vo)、東条A機(g)、時岡"TOCKIN"篤(sax)、高橋ヨーカイ(b)、横山孝二(ds)。サウンドはEP以上に振り切れたアヴァンギャルド・ファンク・ロック。吉野が学習塾の漢文教師だと知り人を教育する先生が♪奴らは獣 奴らを生きて帰すな 奴らを高く吊せ 奴らに唾をかけろ!がなり立てたぜTVセット ライフル ライフル 誰もが旅立つはずの 1972 My United Red Army♪(「M.U.R.A.」)といった過激な歌を唄うのに驚いた。吉野が1970年代初期から活動するシンガーソングライターだとか、高橋ヨーカイが裸のラリーズのメンバーだとか、この曲が浅間山荘事件を唄ったものだとかいうことは10年以上経ってCD化されるまで知らなかった。



1985年にキャプテン・レコードから2ndアルバム「後ろ姿の素敵な僕たち」をリリース。このアルバムは当時聴いていない。時代は既にインディーズ・ブームに突入しておりラフィン・ノーズ、ウィラード、有頂天のインディーズ御三家が人気を集め、先輩格のスターリンや非常階段やじゃがたらがスキャンダラスな話題を振り巻き、比較的地味な存在のプロスティテュートまで感心が行き届かなかったのだ。最近になって無性に聴きたくなりCDを探したら廃盤プレミア付きで諦めていたらアナログ盤を安値で発見し早速購入。1stに比べて破天荒さはぐっと抑制され前作のフリーキー・サウンドの根底に潜んでいたドアーズやホークウィンド風のサイケデリックな陶酔感が支配する世界は吉野の70年代の作品に通じるものがある。パンク衝動に突き動かされた1stよりもこちらの方が吉野本来の魅力が発揮されているかもしれない。


80年代後半~90年代前半にかけてはソロや別ユニット後退青年を率いて作品を発表していたが1995年突如プロスティテュートとして元スターリンの杉山シンタロー(b)を迎えた10年ぶりの3rdアルバム「光の海の中で」を、さらに翌年4th「石の中の記憶」を立て続けにリリース。「後ろ姿~」のサイケデリック・サウンドを深化させた円熟した音世界とセンシティヴな言語世界が絡み合い閃光を放つ孤高の演奏を展開。同時代のポストパンク勢が軒並み鳴りを潜める中ひっそりと発表された2作品は和ロックの伝統とパンク衝動と前衛精神が同居した傑作である。その後はブルースに接近しサウンド的にはオーソドックスな作品を継続してリリースしライヴ活動も地元横浜を中心に定期的に行っている。2000年代以降の和ロック再評価の流れの中で初期作品が再発されアシッドフォークの名作として人気を呼んでいる。最新作は2012年2月リリースの「あの町の灯りが見えるまで」。



オフィシャル・サイトはないが愛情の籠ったファンサイトがある。吉野大作の作品の多くはネットショップやCDショップで入手できる。音楽シーンの裏街道を歩んでいるような吉野だがそのスタイルの変遷には日本ロック史の縮図というべき真実が隠されている。

横浜の
ロックの裏道
佇む娼婦

名作デビューEPと2nd「後ろ姿の素敵な僕たち」の正規CD再発を望みたい。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

くじら/EP-4 unit3/ニウバイル/すきすきスウィッチ@青山CAY 2013.2.3 (sun)

2013年02月05日 00時25分45秒 | 素晴らしき変態音楽


CASE OF TELEGRAPH 2013
出演
くじら (杉林恭雄vo.g.、楠均ds.、 近藤達郎ky.、 中原信雄b.)
すきすきスウィッチ (佐藤幸雄v.g.、 鈴木惣一朗ds.g.、 POP鈴木ds.ky.)
ニウバイル(田波健v.b.、内山園壬v.b.、関根隆ky.、金子智子ds.per.、金子俊幸ds.、五十嵐義秀g.)
EP-4 unit3 (佐藤薫、家口成樹ky.、千住宗臣ds.、ROKAPENIS/斉藤洋平VJ )

2010年にレーベルとして再始動したテレグラフ・レコード。80年代のカタログのリマスター復刻に続き2011年4月2日にライヴイベント「Case Of Telegraph」も復活。第1回は震災のため2Daysの予定を1日にして「Case Of Telegraph extra」として高円寺HIGHで開催された。出演はコンクリーツ/モモヨ/蔦木俊二/オート・モッド/アリスセイラー/くじら+佐藤薫/恒松政敏グループ。震災直後多くのライヴ/イベントが中止になっていたの開催されただけで感激した覚えがある。ライヴレポはコチラ

それ以降も

●2011年10月16日「Case Of Telegraph 2011」@高円寺HIGH+AMP cafe 
出演:<HIGH>EP-4 unit3 (佐藤薫+BANANA-UG)/NON BAND/コンクリーツ/WECH-UNIT (ヴェク-ユニット= Sadie Sads, Nubile, Sarasvati)/タコ(山崎春美+GREEN FLAMES [成田宗弘,田畑満,氏家悠路] ) <AMP cafe> -アコースティック・ライブ-恒松正敏/杉林恭雄 (くじら)/久保田慎吾/MASCA (てるり+てそん)/アリスセイラー
●2012年6月30日「Case Of Telegraph West」@大阪CONPASS
出演:EP-4 unit3/NON BAND/タコ(山崎春美)/アリスセイラー/SADIE SADS/NUBILE

と回を重ね、レーベルとしても未発表音源や新作リリースを開始。また80’sインディーズ・アーティストの「今」を捉えた異色の写真集「Thus We Live Bit By Bit」、90年代のインディーズ・マガジン「EATER」を再構成した「EATER '90s /オルタナティブ・ロック・カルチャーの時代」を出版するなど現代のロックのオリジネイターであるだけではなく現在もヴィヴィッドに息づくリアルロックとしてのスタンスを明らかにしてきた。

イベントの第4回目となる「Case Of Telegraph 2013」が会場を青山に移して開催された。先日リリースされたばかりのEP-4 unit3の初CD「A Artaud」のレコ発でもある。CAYは昨年11月の「青山ノイズ Vol.4」以来。南国カフェ風にオシャレなテープルが並んでいる。客層は30代以上のアート系・業界風の人が多い。お久しぶりの挨拶があちこちで交わされている。

和やかなムードのうちに出演者がセッティングを始め特に挨拶もなく演奏スタート。派手さのないg,key.dsのトリオ。とぼけた歌はすきすきスウィッチに間違いない。80年代中野PlanBで観た時は腰蓑の土人(放送禁止用語)姿のgとpercの二人組で会場中を歩き回って奇声を発したり踊ったり自由奔放な演奏だったと記憶している(記憶違いかも)。それに比べると随分普通のロックバンドっぽくなったものだ。メインの佐藤幸雄を中心に昨年再結成されて何度かの公開練習を経て今回が初の正式なライヴらしい。鈴木惣一郎はすきすきスウィッチの初期メンバーで80年代にワールド・スタンダードとして活躍した音楽家だが個人的には超音楽ガイド本「モンドミュージック」の著者として印象深い。単なるドラマーではなくパーカッションや合いの手を入れて彩りを加える。佐藤は時々皮肉交じりのMCや歌詞で曲者ぶりを見せるがそれが内輪ウケに終始したのが残念。確かに全盛期も不完全さを武器にしたユニットではあったが、復活して間もないこともあり中途半端さは否めない。

(写真の撮影・掲載に関しては主催者の許可を得ています。以下同)



続いてニウバイル。当時レコード店に自主シングルや12インチが並んでいたのを覚えているが音の印象は薄い。ポジティヴパンク・レーベル”ヴェクセルバルク”所属だからオート・モッドやソドムやG-シュミットのような音を想像してたらEP-4に似たファンク・ビートでちょっと意外だった。バイオによるとニウバイル、サラスバティ、サディサッズの3バンドのメンバーが2011年に合体した21世紀型ダンス・バンドとのこと。女性2名を含む2ベース・2パーカッションの6人組。斉藤洋平がVJで参加しステージが歪むようなサイケデリックな色彩のライティングで包み込む。カラフルな映像に目が眩むが演奏自体はかなり粗い。MCで「一昨年集まってからゆっくりと活動しています。ハッキリ言ってテレグラフのイベントでしかやっていません」と語り、メンバー紹介では会場にいる友人グループから歓声が上がる。まさか同窓会の余興バンドじゃあるまいに。80年代老舗レーベルのイベントだから多少回顧的ノリでも仕方がないし現役感の欠如も許そう。しかしそれに甘えるような姿勢はいまひとつ納得し難い。




前日にバリバリ現役の非常階段入魂のライヴを観たせいもあるが、最初の2バンドの空洞感に疑問が残ったのは事実。

気分が少し↓のところにEP-4 unit3の登場。メンバーのBANANA-UGがインフルエンザでダウンしたためキーボードにPARAの家口成樹が参加し、佐藤薫、家口、千住宗臣(ds)+斉藤洋平(VJ)によるステージ。彼らまで懐かしノリだったらどうしようと不安だったが、それは最初のホワイトノイズに限りなく近い電子音が鳴った途端に杞憂だと判った。ほのぼのした空気を一瞬にして残酷な程のクールネスで塗り替える。佐藤はラップトップ、家口はアナログ・シンセ、真ん中にドラムの千住が構えるステージ風景が何かに似ていると思ったらデビュー当時クラウス・シュルツェがドラマー時代のタンジェリン・ドリームだった。
[2/6追記:確認したらタンジェリンではなくアシュラ・テンペルだった]
PAから滲み出るアンビエントなエレクトロノイズと雷のように空間を引き裂くドラム、そして何よりもテレビの砂嵐の粒子が変形してA Artaudの文字が浮き出る幻覚的な映像ライティングとサウンドの親和性が素晴らしい。凍りつくようなブラックホールが会場をじわじわと浸食していくのが目に見える。佐藤のプレイスタイルは殆ど動きがなく一見するとやる気がなさそうだが内に込められた強固な意志の力が一切の邪念を撥ねつけ隙がない。この姿勢はこの日も30年前のEP-4もラジオDJも昨年のFREEDOMMUNE 0でのタコでの演奏もMusic Life+での連載もすべて同質のブレのなさで貫かれている。故に30年という不在による空洞感=弱点を全く感じさせないハイレベルなパフォーマンスと策略家ぶりを発揮出来るのである。感情と身体を大きく揺さぶる非常階段の肉体派ノイズとは180度ベクトルの異なる演奏態度だが確信に満ちた姿勢は共通していると思う。現役云々を語らせない希代の思索テロリストたる佐藤薫の存在感は常人のレベルを遥かに超えている。




最後はこの日の出演者の中で唯一生涯現役を貫いてきた杉林恭雄率いるくじら。戸川純&ヤプーズの中原信雄を新たにベースに迎えた新生くじらのデビュー・ライヴである。とぼけた歌詞と曲調はすきすきスウィッチに通じるがエンターテイナーとしての力量は比べ物にならないほど高い。流石プロらしい(というかお金を取るなら当然だが)堂々とした演奏と歌に思わず立上がり身体を動かしてしまう。他の客が誰も踊ろうとしないのが不思議でならない。彼らは30年前大好きだったバンドでデビュー曲「カッパ」の歌詞を一緒に歌えるほど心に残っている。たまを始め90年代以降の"うたもの"シーンの元祖的存在であるくじらは15年ぶりの新作をテレグラフ・レコードから5月にリリースするという。地引氏には今後もこうした"意志を持った"良質なアーティストをリリースして欲しいものだ。




なお会場には目についただけで7台の動画撮影が入っていたのでいずれきちんとした形でライヴ映像が公開されることと思う。

ノスタルジー
だけじゃ終わらぬ
テレグラフ

5/18に恵比寿リキッドルームで開催されるEP-4 presents<[klʌ́b] RADIOGENIC/クラブ・レディオジェニク>が2010年の「マハラジャ」復活のような大同窓会にならぬようくれぐれもお願いしたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「初音階段」非常階段/坂田明/白波多カミン@秋葉原クラブ・グッドマン 2013.2.2 (sat)

2013年02月04日 00時26分48秒 | 素晴らしき変態音楽


<「初音階段」発売記念・非常階段ワンマンライブ>
【出演】非常階段
【ゲスト】坂田明、白波多カミン

昨年2度のJAZZ非常階段はあったが非常階段としてのワンマンライヴは相当久々なのではなかろうか?少なくとも2000年以降の私のライヴ記録には東京でのワンマンライヴは見当たらない。そもそも非常階段としての集団ライヴ演奏は長くて40分、大抵20分前後である。マゾンナは極端な例だがノイズのライヴはだいたいそれくらいの時間である。凝縮されたテンションの高さ故の精神的/体力的制約もあるがメロディーがないので演奏の起伏がつけにくいこと、さらに物理的なオーディエンス側の耐久力の問題もあるだろう。特にひとりノイジシャンズの場合長時間演奏するためにはゲストを迎えてセッションするか映像等とのコラボにするかしかない。その点"バンド"である非常階段は有利である。JAZZ非常階段以外に彼らのワンマンライヴを観たことはないが、坂田明と豊住芳三郎を交えてピットインで展開された色々な組み合わせによるセッションはひとりノイズでは不可能な無限のヴァラエティを楽しめる立派なエンターテイメントだった。その一端は最新スタジオ録音盤「非常階段 featuring 坂田明/Made In Studio」に収録された3つのセッションで味わえる。



初音階段レコ発として企画されたこの日のライヴはノイズバンドとしての非常階段の奥の深さと引き出しの多さを如実に表していた。秋葉原クラブグッドマンは非常階段やAcid Mother Temple、遠藤ミチロウ、灰野敬二、吉田達也関連のイベントが多く開催されの日本の地下音楽にとって重要な拠点である。1996年にオープン、同じビルに売り場のあるイケベ楽器店が運営するライヴハウス。地下には練習スタジオもあり楽器を背負った若者が出入りするロックファンにはワクワクするロケーションである。嬉しいのはドリンクチケットでソフトドリンクが2杯飲めること。初台ドアーズと並ぶ良心的なハコである。ヲタクの街アキバの片隅にこんなコアなハコが存在するのは偶然ではないだろう。昼間AKB劇場やディアステージでアイドル三昧、夜グッドマンでパンクやノイズ塗れという夢のハシゴも可能である。

この日会場を埋めた200人の観客は90%男性。確かにノイズ系のライヴは男性上位の傾向があるが改めてイッツ・ア・マンズ・マンズ・マンズ・ワールドであることを実感する。初音ミク目当のお客さんもいるのか?黒尽くめの外見ではその区別は出来ない。PAから軽快なフュージョンが流れている。



10分押しでステージ前のスクリーンが上がるとそこには実体化した初音ミクの姿が!白波多カミンによるアニメコスプレ。カ、カワイイ。。。ヲタ心が激しく萌え上がる。美川さんじゃなくて良かった! 左右をJOJO広重とT.美川が固め「初音階段」収録の「タンゴ」「やさしいにっぽん人」を演奏。CDでは非常階段の音はサンプリングだったが生で切り込むリアル・ノイズの迫力が凄い。「スラップ・ハッピー・ハンフリーの手法を応用した」という広重の言葉に納得。この日のテーマ「初音階段」はこの2曲で終了。


(写真撮影・掲載に関しては出演者の許可を得ています。以下同)

続いて坂田明+インキャパシタンツ=T.美川&コサカイフミオのセッション。坂田はもはやゲストというよりメンバーといってもいい存在。「何をやるか知らずに来てみたら楽屋にキレイなねーちゃんがいて街角から迷い込んだのかと思った」と坂田が言う通りアキバ駅周辺にはコスプレイヤーの姿が珍しくない。美川の電子ノイズと坂田の咆哮サックスをコサカイのドローンヴォイスが津波のように包み込み鋭角的かつ流動的な異次元空間を産み出す。


3つ目のセッションは坂田+JUNKO+岡野太。非常階段を何度も観るうちにサウンドの要はJUNKOのスクリームと岡野のパワードラムではないかと思うようになった。JUNKOの声の威力は勿論だが、特にドラムの存在が得てして聴覚的刺激に偏りがちなノイズ演奏に肉体性を与え人間の野性本能を呼び覚まし非常階段のサウンドに独自性を与えているのは間違いない。「Made In Studio」に収録された坂田+JUNKOのトラックは両者の剥き出しの音の衝突がハイライトでJAZZ非常階段の演奏で最も即興ジャズに近いという印象を受けた。岡野がリズムに囚われない自由度の高いパルスビートで絡んだ三者の演奏は秘められた衝動のパンドラの箱を抉じ開けるエネルギーに満ちていた。


第1部最後は白波多カミン+広重+JUNKOによるいわば「カミン階段」。コスプレ衣装を脱いでも萌えオーラを放つカミンが小柄な身体に不釣り合いに大きなアコギを抱え「お墓ソング」を歌う。たゆたうギターに浮遊間のある歌声が広重氏好みと言えよう。彼女の初ノイズ/インプロ演奏は昨年10月難波ベアーズでの広重とのデュオだったという。カミンはその時の印象を「とてもセクシーな気分」と記している。ノイズをセクシーと表現する人は初めてだが、私がTIMISOARAで女性ノイズに目覚めJUNKOは勿論Reiko A.や日野繭子などフィメールノイジシャンに惹かれるのは性的魅力のせいかもしれない。押し寄せる広重とJUNKOのノイズをものともせず歌い切ったカミンは後半アコギを掻きむしりインプロに雪崩れ込む。うん、とってもセクシーでしたよ。


▼白波多カミン@難波ベアーズ



休憩時間ドリンクの列に並んでいる間に他の客の会話に耳を傾ける。BiS階段Tシャツの3人組がBiSの話をしていた。BiSが2/20に発売する「バックステージ・アイドル・ストーリー」Blu-rayの先行予約特典がBiS階段DVD-R(BiSメンバーに加え広重のサイン入り!)。丁度今そのイベントが名古屋・大阪・仙台で開催中で彼らは地方まで追っかけている様子。アイドルが先かノイズが先か判らないが確実にファン層は広がっているようだ。

▼BiSニューシングル 3/13 On Sale



第2部は非常階段+坂田明の集団ノイズ演奏。坂田のフリークトーンを合図に一斉にノイズ開始。初っ端からレッドゾーンに振り切れた高密度爆音演奏。ピットインでは大人しく座っていなきゃならなかったがグッドマンなら縛りはない。最初はじっと観ていたオーディエンスも演奏に煽られ暴れ始める。激した客がダイブする。広重のアクションに応じて振り上げられる拳。坂田はサックスを置いてマイクを掴んで叫ぶ。インキャパのふたりの痙攣、岡野の容赦ない打撃音、そしてクールビューティーJUNKOが女王のように後光を浴びて屹立する。神々しい6人の投射熱が会場を赤く燃やす。先日U.F.O.CLUBの音の良さに感動したがグッドマンの音響も素晴らしい。最前列美川サイドで観ていたが一番離れたコサカイの音もクリアに聴こえる。前日のノイズ大学講座で美川が正しいノイズの鑑賞法はスピーカーで大音量で聴くことと語っていたが住宅事情でそうもいかない我々にはライヴ体験が最高の鑑賞法である。激高したコサカイのダイブはなかったが最後にエフェクターボードをステージに叩きつけて40分に亘るノイズ大会終了。












沸き起こるアンコールの拍手。機材を破壊してもやるのかなと思ったらカミンを加えた7人全員で再登場。坂田の哀感たっぷりの「赤とんぼ」にノイズ演奏が絡み付く。コサカイは壊した破片から使えそうなエフェクターを拾い上げ演奏。カミンはアコギで広重のギターと渡り合う。哀愁のメロディーが混沌に変貌する演奏は本編とはまた違った味わいがあった。坂田の「解散!」のMCでワンマンライヴ終演。


外へ出ると昼間温かかったのがめっきり冷え込んでいた。

ノイズとは
何かと問わず
ライヴ観よ

前日の講座で「非常階段のコピーバンドをやる時の秘訣は?」との質問に「僕や美川君のコピーは出来るだろうがJUNKOさんだけは無理」と広重が答えていたがとんでもない。この演奏をコピーすることなど狂人でも不可能であろう。

2月5日(火)DOMMUNEに初音階段が出演する。白波多カミンも参加。詳細はコチラ

JOJO広重「初音階段インタビュー」はコチラコチラ
白波多カミン インタビューはコチラ

<非常階段 ライヴ・スケジュール>
3月10日(日)六本木スーパーデラックス 出演:非常階段、ジョン・ダンカン、ジム・オルーク
4月6日(土)新宿ピットイン 『JAZZ非常階段』 
出演:JAZZ非常階段(非常階段、坂田明、豊住芳三郎)+山本精一

<JOJO広重 ライヴ・スケジュール>
2月13日(水)大阪HOKAGE 出演:BIDE & JOJO + Gigi ほか
2月17日(日)大阪なんばベアーズ 『3階33段』 出演:JOJO広重、3月33日
3月5日(火)高円寺UFOクラブ 出演:JOJO広重 ほか

<コサカイフミオ ライヴ・スケジュール>
2月16日(土) 東京画廊haus コサカイフミオ 無声映画音楽
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゴティエ@赤坂ブリッツ 2013.1.31 (thu)

2013年02月03日 00時16分29秒 | 素晴らしき変態音楽


GOTYE JAPAN TOUR 2013
Support Act:テニスコーツ

1980年代までは日本に於ける洋楽市場でのアメリカのチャートの影響力は甚大だった。ビルボートやキャッシュボックスといったアメリカ音楽業界誌のチャートがダイレクトに日本のラジオや雑誌露出に反映されレコード帯やジャケットには"全米No.1ヒット!"という文字が踊った。特に80年代MTVの登場で日本でも「ベスト・ヒットUSA」を始めとするテレビ番組で全米ヒット曲のミュージック・ビデオが放映されマイケル・ジャクソンやマドンナなどのビッグ・ヒットを生んだ。

それが変容したのは80年代後半に登場したヒップホップ/ラップがアメリカの主にブラック系若者の多大な支持を得てヒットチャートの上位にランクインするようになってからである。ここでヒップホップの成功について論じる余裕も知識もないので割愛するが、アメリカ白人文化への憧れが大きな動機であった日本の洋楽メディアおよびリスナーにとって黒人カルチャーのコアのコアであるストリートから生まれたヒップホップは容易に受け入れ難いものであった。またチャート変貌の原因にはビルボートのチャート集計方法がそれまでのラジオ・エアプレイからセールス重視に変わったこともある。それによりラジオで如何に大量にオンエアされたロックの楽曲でもシングル発売されていなければチャートに登場しないという現象が生じ日本洋楽界は全米チャートから乖離を余儀なくされる。

さらに2000年代には「アメリカン・アイドル」というオーディション番組出身のアーティストというよりぽっと出の素人芸人がチャートの上位を占めるようになり完全に全米チャートは意味をなくした。それに伴いグラミー賞を始めとするアメリカ音楽賞の影響力も薄れてきた。昨年のグラミー賞で最優秀レコード賞・最優秀アルバム賞・最優秀楽曲賞を含む6部門を受賞したアデルのアルバム「21」が英米その他19か国にて1位獲得しているにも拘らず日本ではオリコン年間チャート35位というパッとしないセールスだったのが象徴的である。

長々書いてきたが決してアメリカや世界のチャートに追従せよと言う訳ではない。日本独自の洋楽ヒットが第2次世界大戦後海外から洋楽が輸入された時からすでに生まれていたことは明白な事実だし日本人ならではの独特の感性は大切にすべきだ。ただし海外との熱量の違いは現在の一般的な洋楽離れの原因のひとつだと思う。

本年度シングルセールス世界ランキング第1位ヒット曲を放ちグラミー賞で3部門にノミネートされたオーストラリアのシンガー、ゴティエはまさに第2のアデル的存在といえる。フジロックなどで数度来日しているにも拘らず世間的知名度は驚くほど低い。実際筆者も若い知人に今回の単独来日公演に誘われるまで名前も聞いたことがなかった。当ブログの読者も知らない方が圧倒的だろう。

ベルギー生まれオーストラリア育ちの32歳。2003年にデビュー、2006年の2ndアルバム「Like Drawing Blood」が地元オーストラリアでダブルプラチナ・ヒット。2011年の3rd「メイキング・ミラーズ」の先行シングル「サムバディ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ノウ ~失恋サムバディ (feat. キンブラ)」が全米8週連続1位、全英4週連続1位とチャートを席巻。アルバムもアメリカをはじめ世界各国でゴールドディスク以上を獲得。音楽的にはポップ、ロック、ダブ・ステップ、ジャズなどの要素を独自のセンスで取り込んだ先鋭的なスタイルでiTunesでのジャンルはAlternativeに分類される。高校・大学で日本語を勉強して三重県の津市にホームステイに来ていたことがあるという。

世界No.1セールスのアーティストのライヴをキャパ1300規模のホールで観られるのは嬉しい。会場を埋めたのは若い観客ばかりで女性が7割。ビーチ・ハウスの客層に比べると5歳くらい年齢が高く普通の雰囲気の人が多く、年配ファンの姿は殆どない。ある意味世代限定アーティストと言えるのか。

東京公演のみサポートにテニスコーツが出演。彼らをこんなに大きなステージで観るのは初めて。いつものように裸足のふたりがアコギとピアニカを鳴らしながら登場しSayaの素朴な歌が響く。マイクがどこにセットされているのか判らないがどこで歌ってもPAが上手く声を拾う。ステージ中を歩き回って演奏するそよ風のようなパフォーマンスは彼らならではだが、客の大半は初めてテニスコーツを観るらしく途中で飽きてあちこちでおしゃベリが始まったりため息混じりのざわめきが起こったりする。同じなのはインディー系ということだけで音楽的にはゴティエとの共通点は殆どない。チケットセールスに結びつく訳でもないのでテニスコーツの起用は恐らくゴティエ本人の希望だったのではなかろうか。その証拠にゴティエがMCで「テニスコーツは素晴らしかったですね」と日本語で褒めていた。



テニスコーツのステージは30分、セットチェンジの必要はないのですぐにゴティエ登場かと思ったらスタッフが何度も楽器をチェックしていていつまで経っても始まらない。満員の中立ったまま待つのはロートルには結構辛い。30分経ってやっと客電が落ちる。待ちかねた観客の拍手に導かれバンドが登場。ステージ真ん中に誰もいないまま演奏が始まったと思ったら左手後方の男性が歌い始めた。それがゴティエだった。頭上にセットされた銅鑼状のパーカッションを時折叩きながら歌う。エレポップ風でペット・ショップ・ボーイズやデペッシュ・モードを思い出す。バックスクリーンに奇妙なアニメ映像が投射される。


曲によってキーボードやサンプラーやドラムを使い分ける様はまさにマルチミュージシャン。シルキーなヴォーカルはとても印象的。4人のバンドメンバーもいくつかも楽器を弾きこなし器用なところを見せる。面白かったのは全員がサンプラーとパーカッションを奏でるテクノ調ナンバー。ポップセンス溢れるメロディー以外は一風変わったアレンジの楽曲が多い。こんなキンキーなアーティストが大ヒットするのだから世界は面白い。王道ポップスもオルタナロックもヒップホップもすべて同列に混合したサウンドはまさにテン世代ならでは。世界の新たな胎動を感じさせるライヴだった。

▼世界No.1ヒット曲



▼映像センスが最高



モダンポップ
演るのも聴くのも
新世代

アデルもゴティエも日本では新進気鋭のレコード会社ホステス所属というのが興味深い。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かくも長き不在の果てに出現した工業音響~EP-4 unit3「A Artaud」

2013年02月02日 00時58分59秒 | 素晴らしき変態音楽


2012.5.21に奇蹟のライヴ復活を遂げた80'sニューウェイヴのカリスマ佐藤薫率いるEP-4。その胎動は往時を思わせる活性面に突入し電子メディアをフル活用し30年の不在が嘘のように活動が顕現化している。数々の関連作品の復刻、同じく復活した80'sアイコン山崎春美との共同作業、京都を拠点にした様々なコラボレーションを行う佐藤。その母船であるEP-4は5.21以来1年間休眠中だが派生ユニットEP-4 unit3の動きは著しい。東京と大阪で開催された「CASE OF TELEGRAPH」などのイベントへの出演、2011年9月の江戸糸あやつり人形座・芥正彦演出 「アルトー24時」の舞台音楽、ディーター・メビウス、ワイヤー、Zsなど海外アーティストのフロントアクトなどで精力的に活動。EP-4 unit3とは佐藤とBANANA-UGによるノイズ即興ユニットであり1980年代EP-4と同時期にライヴ活動を行ったが音源として記録されたのは1983年のオムニバス・ライヴ盤「CASE OF TELEGRAPH Product 2」に収録された2つの短い断片のみ。先日取り上げたBe-2(ハーツヴァイス)の記事のコメント欄に80年代EP-4 unit3のライヴを観た方の投稿があったが、まさにBe-2のサウンド+ヴィジュアル・コラボに通じる実験的活動を行っていたのである。

再結成EP-4が新作を制作するというニュースは以前から伝えられていたが、本家の前にEP-4 unit3の初めての単独作品「A Artoud」がリリースされた。「アルトー24時」用に制作された音源をベースにしたCDでライヴ/スタジオ録音が共存しているらしい。というのは収録されトラックの完成度がいずれも高いのでエンディングに拍手の有る無し以外にはライヴかスタジオか判別出来ないからである。内容については封入の丹生谷貴志、佐々木敦によるライナーノーツ、さらに佐藤薫自身によるセルフ・ライナーノーツが雄弁に物語っているので付け加えることは何もない。佐々木がスロッビング・グリッスルに代表されるインダストリアル・ミュージックとの相似を語っているがその通りノイズと呼ぶにはクール過ぎテクノと呼ぶには不整脈過ぎアンビエントというには過激過ぎるサウンドにはインダストリアルというアナクロな呼称が相応しい。ただし当然ながら80年代へのノスタルジアではなく21世紀型新鋭コンセプチュアル音響であることは一聴して明白である。初回特典DVDには2度の「CASE OF TELEGRAPH」でのライヴ映像と「アルトー24時」の舞台が収録されているが藤田一郎監督により編集加工処理された作りはそれ自体一遍の映像作品といえよう。



Sound Contributionのクレジットに先日取り上げた大阪の即興ユニット.es(ドットエス)の名前もあり何らかの形で録音に参加しているものと思われる。.esは活動の初期からEP-4と繋がりがある。デビュー時から親交の深いフランス文学者鈴木創士はEP-4のオリジナル・キーボード奏者であり、佐藤薫とも音楽面以外でも深い交流がある。今年1月には鈴木(key)に加えEP-4のユン・ツボタジ(perc)、あふりらんぽのPIKA(ds)、Acid Mother Templeの田畑満(b)と共にZzzippsというユニット名でライヴを行った。この映像を観たとき余りのヤバさに即座に.esの橋本孝之にメッセージを送ったほどの衝撃だった。



EP-4 unit3はこの作品を携え2月3日青山CAYで開催される「CASE OF TELEGRAPH 2013」に出演する。欠席のBANANA-UGに代わりPARAの家口成樹がキーボードで参加、加えて千住宗臣(ds)とVJの斉藤洋平(ROKAPENIS)による特別編成である。

さらに24時間前にイベント"EP-4 presents「クラブ・レディオジェニク」"の開催が発表された。「1980年、京都の『クラブ・モダーン』で生まれたバンド "EP-4" が、一日かぎりのクラブを東京にオープンします」(佐藤薫)。
待望の本隊の新作も含め佐藤薫と京都新波倶楽部の活躍が楽しみだ。

制服肉体複製
進化したか
思索工房

この原稿を書いた日に丁度「JOJO広重のノイズ大学 代々木分校」トークショーが開催され、前から気になっていた非常階段とEP-4(佐藤薫)との交流について尋ねた。「あの辺(EP-4周辺)はカッコ良過ぎて全然付き合いはなかった。僕らは庶民派だし」(JOJO広重)とのこと。確かに5.21作戦での情宣活動を含めあらゆる展開を計画的に実践する策士・佐藤薫と無手勝流で本能の赴くままの表現行為を展開してきた非常階段とは水と油なのだろう。同じ関西でも棲む世界が違っていたようである。そうすると佐藤と広重が同じ場に立ったFREEDOMMUNE 0<ZERO>でのタコのステージは関西アンダーグラウンドの二つの流れが30年経って邂逅した奇蹟の瞬間だったと言えるかもしれない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする