A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

浅井健一&Bad Teacher Kill Club/ドレスコーズ@渋谷Club Quattro 2013.7.18(thu)

2013年07月20日 00時32分49秒 | ロッケンロール万歳!


Shibuya CLUB QUATTRO 25th Anniversary "QUATTRO QUARTER"
~All Through The City~
浅井健一 & Bad Teacher Kill Club × ドレスコーズ




月曜日に続きQUATTRO QUARTER。毛皮のマリーズの志磨遼平が昨年結成したドレスコーズと我らがベンジー率いる悪徳教師殺し隊という一回り以上歳の離れた新旧ロケンローラーの邂逅。25年の歴史を象徴するように世代の異なるアーティストの対バンが多いシリーズイベントの中でも最も歳の差が大きいペアだが、今まで対バンしていないのが不思議でもあり興味を惹かれる組み合わせである。



ドレスコーズ


毛皮のマリーズが突然大ブレイクしたので、ハイプ的なイメージがあるかもしれないが、志磨はブレイクまで7年間地下カルト活動を過ごした筋の通ったロック野郎である。バンド名を寺山修司の戯曲からとっただけあり、漫画・文学に精通するサブカル・アイコンでもある。2011年大晦日、人気絶頂の時にマリーズはあっさり解散。翌日2012年1月1日にUFO CLUBに出現したのがドレスコーズだった。人心を攪乱する示威行動ともいえるが、そのまま生き急ぐようにメジャー・デビュー。フリーキーなギターロックにスリージーなヴォーカルが暴れるスタイルは、ローリング・ストーンズやストゥージズへの憧れの具現化と言える。特に、破天荒な言論とステージングで「伝説」「まぼろし」の形容詞で語られる村八分のチャー坊への敬意が伺える志磨の歌と歯に衣着せぬMCは、ステージ前に詰めかけた若いファンにとっては生きるカリスマと言えるだろう。本能のままに生きたチャー坊に比べたら可哀想だが、30そこそこでこれだけのオーラを持つロック・アーティストはあまりいない。今更地下生活には戻るのは難しいだろうが、逆にメジャー・シーンにアングラ旋風を吹かせてほしい。




浅井健一&Bad Teacher Kill Club


タンバリン好き、イチゴ好き、カレー好きなベンジーが何より好きなものはロケンローであり、ライヴパフォーマンスであることは間違いない。20数年にわたりロックの最前線で活動してきて、その間に様々なバンド、ユニットを組みローリングしてきたベンジーのスタイルはデビュー当時からほとんど変わっていない。20年前の曲を今ステージで歌っても全く違和感がないどころか、星霜を重ねるにつれ魅力が増している。この日は「赤いタンバリン」「ガソリンの揺れ方」「Sweet Days」といったブランキーのレパートリーが披露され、そのたびに満員のオーディエンスの怒号に似た歓声が沸きあがる。渋谷AXでのPOCKY IN THE LEATHERBOOTSツアー・ファイナルを収録したDVD『FRIED RICE』がリリースされた直後のライヴ。ドレスコーズの時は腕組して品定めしていた大勢の観客の激しい盛り上がりと随所で泣かせるベンジーの歌のマジックを身体の芯で受け止めた。



クアトロの
ロケンローは
ハンパない

オープン当時から不評だったフロア左の柱は今ではクアトロ名物になってしまった。

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10年に一度のアイドル葱(渋谷系交配)数量:3人 ~Negicco『Melody Palette』

2013年07月19日 00時52分04秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界



10年に一度のアイドル葱(渋谷系交配)数量:3人 『Melody Palette』
Negicco | 形式: CD
★★★★★ レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格\3000
ポイント150pt(5%)

商品の仕様
●全体に小柄で、上腕部は細く、身長は不明だがは145から160センチくらいと思われ、新衣装は黒の地に白色の水玉となり、皺が少ない
●成長は順調で、特に逆境に強く、また、男性だけじゃなく、女性にも好かれ歌いやすい
●首部の外見は鶴の首のように白くほっそりしているが、うなじの曲線の色っぽさは抜群である
●絶望感は無い
●厳寒期の新潟での、あるいは移動時の疲労感は他アイドルに比べ大幅に少ない
●メジャーデビューをしてから、ポップさ、音楽性、風格が一段と増し、一層人気者になります
●北海道の寒冷地、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄の日本全国の四季に適し握手会やイベントやコンサートで喜ばれます
★amzon.co.jp参考ページはコチラ




収録曲
1. 愛のタワー・オブ・ラヴ(作詞・作曲・編曲:西寺郷太)
2. あなたとPop With You!(作詞・作曲・編曲:connie)
3. アイドルばかり聴かないで(作詞・作曲・編曲:小西康陽)
4. イミシン☆かもだけど(作詞・作曲・編曲:長谷泰宏(ユメトコスメ))
5. 相思相愛(作詞・作曲・編曲:tofubeats)
6. 恋のEXPRESS TRAIN(作詞・作曲・編曲:connie)
7. GET IT ON!(作詞・作曲・編曲:connie)
8. ナターシア(作詞:サイプレス上野、connie 作曲・編曲:サイプレス上野とロベルト吉野、connie)
9. ルートセヴンの記憶(作詞・作曲・編曲:connie)
10. ネガティヴ・ガールズ!(作詞:Negicco & connie 作曲:connie 編曲:吉田哲人)
11. Negiccoから君へ(作詞・作曲・編曲:RAM RIDER)
12. スウィート・ソウル・ネギィー(grooveman's Jack Bounce Mix) remixed by grooveman Spot (ENBULL/Jazzy Sport/TettoryBLK)
13. ニュートリノ・ラヴ(banvox remix) remixed by banvox





カスタマーレビュー
★★★★★ 新潟のローカルアイドルが結成10周年にして全国区に進出!
by miro
名前だけは以前から知っていたNegiccoを4月のKAWAii MATSURi!! 2013で初めて観た。新潟のご当地アイドルで名前がネギだから、米作りが似合う農家の逞しい娘さんを想像していたら、とてもモダンなお洒落で可愛らしい美少女で軽く驚いた。噂に聞いた葱撒きをホントにやったのには笑ったが、歌を聴いてビックリ。アイドルソングらしからぬハイクオリティなサウンドに、甘くエレガントなハーモニー。同じレーベルのバニラビーンズと同じ音楽性の高さを感じた。そして何よりも3人の飾らない心からの笑顔と元気なダンスに感動。初めてでも「圧倒的なスタイル」のラインダンスに参加できたのも暖かいファンの皆さんのおかげ。
そんなネギ精神に溢れた初のオリジナル・アルバムは小西康陽、西寺郷太(NONA REEVES)、サイプレス上野とロベルト吉野、tofubeats、長谷泰宏(ユメトコスメ)、吉田哲人、RAM RIDERが参加し、ネギ愛に溢れたコラボによる超高品質な新交配種。2013年アイドル・シーンをリードする名曲揃いの傑作といえます。売れっ子ファッション写真家、藤城貴則による素敵な写真満載のブックレットも最高。これが30cmのアナログ盤でも発売されるなんて嬉し過ぎる!

★★★☆☆ アイドルもネギ愛も捨てられないボクの立場はどうなるの?
by Wotaku
カワイイし曲もいいしライヴで盛り上がるし、大好きなネギッコなのに、どうして「アイドルばかり聴かないで」なんで言うの(怒)!それに「ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった」って、買ってるボクが変人みたいじゃないか~。こんな酷いこと言われても、ネギッコが大好きなボクはネガティヴ・ボーイズだぁ(涙)。

★Negiccoロング・インタビューはコチラ

雪国の
ネギを担いだ
アイドルちゃん

「ねぎねぎ」を流行語大賞に!「じぇじぇじぇ!」や「なんだこれくしょん」に負けないようにガンバロー!!!
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DANCE with CLASSIC~爆音クラシック、世界プレミアDJの夢、そして現存する世界最高齢のクラブDJ

2013年07月18日 00時18分14秒 | こんな音楽も聴くんです


流しっぱなしのラジオから聴こえたイベント告知に耳が反応した。”爆音でクラシック音楽を聴く「爆クラ」”。そのイベントが今夜開催されるとのアナウンス。爆音映画祭に続き爆音クラシックとは面白い。後述するように個人的な所縁もある。オルタナロックやダンスミュージック中心のラジオから思わぬ収穫。さっそくググってみると、著述家の湯山玲子企画のイベントらしい。

湯山のブログには『クラシック音楽を爆音で聴く「爆クラ」。教養としてのクラシックではなく、ポップスやクラブミュージックに親しんでいる人にこそ体験していただきたい爆音音浴&トーク。』とあり、今回で24回目。過去のゲストは、坂本龍一、島田雅彦、高野舞衣、飯野賢治、大谷能生、菊地成孔など錚々たる面子。現場主義をモットーに、クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッションなど文化全般に通じ、「クラブカルチャー!」「女ひとり寿司」、野宮真貴等との共著「エレガンス中毒ぎりぎりの女たち」などユニークな著作で知られる湯山ならではの発想と人脈の豊かさに惹かれる。



『思えば。クラシック音楽を爆音で聴く、爆クラの発想の元は、私が四十路越え時にハマったクラブについての考察本『クラブカルチャー!』の菊池成孔さんのインタビュー中、ポストクラブについて語り合った一件。私のNYのクラブ体験での感想は、「こりゃ、ワグナーのヴァルジファルじゃん!」だったのですが、クラシックの音楽スタイルは大いにクラブカルチャーと呼応するところがある。』(湯山温泉・湯山玲子公式BLOGより)



15年ほど前、私は史上初のクラシック専門DJとしてデビューを目論んでいた。ブリットポップが下火になり、オルタナが姿勢ではなくジャンルに堕し、クラブはデジロックのマンネリに陥り、ロック/ポップ・シーンがつまらく思えた世紀末。フォーキーやパンクへの先祖がえりも気が乗らず、悶々としていた時に出会ったのが電子音楽。プログレ繋がりで名前は知っていたピエール・アンリに痺れ、ミュージックコンクレートの斬新な世界に引き込まれた。ちょうどアンリやスティーヴ・ライヒのリミックス盤がリリースされ、テクノの元祖として電子音楽/ミュージックコンクレートへの注目が高まっていた。りミックスでは飽き足らずオリジナル楽曲を探し求めた。ライヒやフィリップ・グラスなどミニマルミュージックはある程度CDショップで入手できたが、アンリやピエール・シェフェール、リュック・フェラーリやヤニス・クセナキスといったミュージックコンクレートの音源は、殆どCD化されておらず、オリジナル・アナログ盤を探すしか聴く術はなかった。プログレやフリージャズ、ノイズのレア盤ならディスクユニオンでも扱っていたが、現代音楽・電子音楽の希少盤は、数少ないマニア・ショップでしか見ることはなかった。なかでも渋谷のクララレコードは充実度では群を抜いていた。公園通りの教会の横のマンション2Fの狭い店内に初めて入った時、灰野敬二が椅子に座って店主と話しており、内心ビビりながらも「スミマセン」と真横でレコード箱を漁った覚えがある。品揃えが驚異的な分、値付けもハンパなかった。仏PHILIPSのミュージックコンクレート・シリーズLP、通称銀ジャケは大抵5桁の高値がついており、憧れるだけで手が出なかった。



そんなとき、西麻布のクラブのアンビエントDJイベントに行った。お香の煙漂う店の床にマットやソファを置き、DJも客も床に座ったり寝転がって楽しむ。目をつぶり瞑想して聴くドローンやインド音楽がとても心地よかった。そこでハタと閃いた。こんな環境でミュージックコンクレートや電子音楽を聴いたら最高だと。いっそのこと現代音楽だけじゃなく、ベートーヴェンやモーツァルトもプレイする、クラシックDJイベントなんていいのでは?カラヤンのパワフルな第9で踊った後は、ショパンのピアノ曲でチルアウト。次のピアノの一音で「グールド キタ--------------ッ!!!!」と盛り上がるダンスフロア。妄想は広がり、「世界初!クラシックで踊らせるDJ登場!!」という見出しが浮かんだ。



善は急げと、知り合いのイベントに無理矢理参加させてもらった。クラブではなくDJバーだったが、深夜のいい時間。最初はミュージックコンクレートやミニマルでウォームアップ。徐々にコアなクラシックの世界へ。グレゴリオ聖歌やピアノ曲はアンビエントとして聴けばOK。弦楽四重奏など室内楽も何とかいける。しかし、肝心のクライマックスの交響曲とオペラがキビシイ。フォルテッシモからいきなりピアニッシモになったり、ソプラノの金切り声がグルーヴをぶち壊したり、予想がつかず手に負えない。シンフォニーオーケストラは表現の起伏が激しすぎて、盛り上がりが持続しない。最大の弱点は、音のダイナミズムが過多で、クラブ仕様のスピーカーでは低音が出過ぎて、大音量だとほとんどハウリング同然の音になってしまうこと。客は身内ばかりとはいえ、余りのハズシっぷりに酔いが一気に醒めてしまった。






これに懲りて世界初の試みは断念。クラシックへの挑戦は、曲のつなぎとしてミュージックコンクレートの電子音を効果音的に紛れ込ますのが限界だった。というわけなので、爆クラがどんな現場なのか大変興味深い。もしかしたらこれに乗じて、忘れていた世界初のチャレンジへの夢が叶うかもしれない、と再び妄想モードに突入。ようつべで選曲するワタクシである。

爆クラと
爆音映画と
ゴールデンボンバー(金爆)

【ビックリ情報】
今年87歳になるピエール・アンリが健在!。2011年、85歳でDJとして音楽フェスで演奏する映像!誰か日本に呼んでケロ。

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Theピーズ/MO'SOME TONEBENDER@渋谷CLUB QUATTRO 2013.7.15(mon)

2013年07月17日 00時25分51秒 | ロッケンロール万歳!


Shibuya CLUB QUATTRO 25th Anniversary "QUATTRO QUARTER"
~モーレツロックンロール教室~
MO'SOME TONEBENDER × Theピーズ


2013年6月28日、渋谷クラブクアトロが25周年を迎えました。
クアトロが始まった当時の“新しい街の空気を作りたい”という初心に立ち返るとともに、新たに街の音楽を刻むべく、
25周年スペシャルイベント“QUATTRO QUARTER”開催中です!



クラブクアトロが新しく出来た渋谷PARCO Part4の最上階にオープンしたのは1988年6月だという。その前に川崎クラブチッタがオープンし、当時のバンド・ブームを反映した初のオールスタンディングの大型ライヴハウスとして注目を集めていた。個人的な印象なので異論のある方もいるとは思うが、クラブチッタのイメージはビートパンクやヘビメタ、クラブクアトロはオサレなクラブ系ジャズやワールドミュージック。最初に観たのはチッタはアウトレイジかドッグス・ダムール、クアトロはスウィングアウト・シスターのようなUKソウルだった気がする。25年の間にそれぞれのイメージは変わったが、どちらも現役バリバリのライヴハウスとして日本のポップ音楽をリードしているのが素晴らしい。

最近耳にした中堅ライヴハウスの店長の話が興味深かった。今の音楽産業について巷でよく言われるのは、"CDは売れなくなったが、それは音楽ファンが減ったわけではなく、若者がモノではなく生の体験を求めるようになったから。その証拠に夏フェスをはじめライヴシーンは大盛況"、ということ。しかし実際のライヴハウス・シーンはメチャクチャ厳しいと言う。20年前バンドブームによりバンド人口が急増した頃は、ライヴハウスの数は今程多くなかった。ライヴハウス側が音楽性や人気などバンドの力量を判断しチョイスすることが出来た。出演者に動員力を求める一方で、ライヴハウスは選んだバンドを応援するというギヴ&テイクの関係があった。しかし現在、ライヴハウスの数は倍以上に増えたが、バンドの数は増えていない。今はバンド側が出演するライヴハウスを選ぶ、いわば売り手市場だと言う。となるとどうなるか。音響や環境が同レベルなら、金銭的に有利なライヴハウスを選ぶのが当然。チケットノルマのないライヴハウスに流れる。また、例えノルマを設定しても、バンドはノルマ分のお金さえ払えば出られるんだろうと言って動員の努力をしない。4~5バンドの対バン・イベントでも動員が出演者の人数より少ないという例も多い。バンドに努力を促すと「こっちは金払ってるお客だぞ」と逆ギレされることさえあるという。アイドルイベントは動員が見込めるが、アイドル自身がライブハウスを設立したり、CDショップや商業施設のイベント会場が充実したこともあり、ブッキングは難しい。ライヴハウスの儲け口は、サークル発表会や二次会などのホールレンタルしかない、と言う。

果たしてコレが真実なのか誇張なのか分からないが、夏フェスや人気バンドの現場は活況を呈している一方で、キャパの小さい街中のライヴハウスの動員が厳しいことは、経験上確かである。それをすべて出演バンドのせいにするのはお門違いだろうが、バンドと会場を巡る環境が大きく様変わりしたのは間違いない。クラブクアトロがそんな過酷なライヴハウス戦国時代を生き抜き25周年を迎えたことはたいへん目出たいし、25周年スペシャルイベントのラインナップを見れば、如何に多くのアーティストに愛されているかがよく分かる。他の日が殆ど英語なのに対し「モーレツロックンロール教室」とベタなタイトルがついているのは、結成26周年と16周年のくせ者2者のキャラに起因するのか?

●MO'SOME TONEBENDER


何故か季節の変わり目に観たくなる、四季折々のロケンローバンド、モーサム・トーンベンダーはヴォーカルの百々の活発なソロ活動に比べ、バンドとしては余り大きな話題がない。アルバムは1年間リリースしていないしツアーもない。だが夏フェスやイベントでは引っ張りだこだし、この日のフロアの激し過ぎるモッシュを観るにつけ、バンドシーン全体がイマイチ元気がない現在こそ、アッパーでハチャメチャなモーサム・パワーが必要とされていることを実感する。テン世代のロッキンルーラをヨロシク!




●Theピーズ


モーサムより10年先輩の年男バンド、Theピーズ。「モーサムはあっという間に終わっちゃったけど、オレ等はのんびりゆっくりやるわ」と語った通り、マイペースのステージ。がんがんタテノリだったモーサムに比べるとBPMはずっと低いが、おっさんロッカーが陥りがちなレイドバックの欠片もないロケンローはまさに永遠のバカロック。デビュー当時と変わらず滑舌の悪いはるのダルな歌には中年の哀愁があるが、歌詞は25年前のもの。彼らの歌は世代を超えたエバーグリーンなのである。後半に行くに連れてじわじわ激しさが増していくのが年輪の技。バカロック精神を貫くアラフィフロッカーに惚れ直した。



5かける5
四半世紀で
25歳

会場を埋めたオーディエンスの大半は半分以下の年齢と見受けられた。
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アーバンギャルド@新横浜NEW SIDE BEACH!! 2013.7.14(sun)+論考、カレーとロック

2013年07月16日 00時38分11秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


アーバンギャルド全国ツアー2013
恋と革命とアーバンギャルドツアー~前衛都市、五年目の真実。
7月14日(日)新横浜NEW SIDE BEACH!!



フランス・パリで開催されたJAPAN EXPOに2年連続出演を果たし、ヨーロッパのアーバンギャル&ギャルソンに福音を与えた前衛都市が帰国し、全国ツアーの初日を横浜で飾った。横浜でのライヴは初めてだが、浜崎容子("YOKO HAMA"SAKI)にとって「YOKOHAMA」は特別の感慨があるという。
[7/17追記:昨年はJAPAN EXPOではなくフランス・トゥールーズ・ゲームショウだったとのこと。また、よこたんは「HAMAZAKI」ではなく「HAMASAKI」でした(訂正済)。親切な読者のご指摘により判明しました。不勉強をお詫び致しますm(_ _)m]

チケットは即完。NEW SIDE BEACH!!!は、J-リーグの聖地、横浜アリーナの1Fにある。今年春に新装オープンしたばかりで雰囲気も音響設備もよく、凱旋公演にピッタリ。会場にはセーラー服姿のアーバンギャル&ギャルソンが多数詰めかけ、まるで横浜アリス集会の様相を呈した。フランス仕込みのオサレなノリを披露するかと思ったら、「フランスのファンもオマエらと同じ」だったらしく、天馬の暴走は加速気味。バンド3人の成長が著しく、曲によってはCDと違うアレンジを聴かせ、お馴染みの曲に新鮮な息吹を与える。



誰よりも輝きを増したのは絶対的アイコン、よこたんこと浜崎容子だった。フランスのヲタを足蹴にし、でんぱ組最上もがと乳くり合い、モンマルトルのセックスショップでムチを購入したという女王様ぶりに磨きをかけ、マドモワゼルな美貌はますます妖艶に。アイドルの小娘には真似の出来ない危険なオーラを発している。三度の衣装替えのラストは都会のアリスそのもののセーラー服。その圧倒的な存在感は、FREEDOMMUNE 0での灰野敬二に匹敵する。甘い旋律が背筋を伝わり下半身に達しエッフェル塔を痺れさせた。
→浜崎容子のYAVAY画像集はコチラ

▼セックスなう



★★緊急特集:恋と革命とカレー★★

●アーバンギャルド


今まで行ったことのない地域を多数カバーする今回の全国ツアーのお楽しみは握手会と物販。スマホケースやロゴ入めがね等ユニークな新グッズが盛り沢山だが、中でも注目は「アーバンギャルドカレー」。カレー専門店・カルガリとコラボしただけあり本格派。レトルトとは思えぬ美味さがトレビアン!




●遠藤賢司


元祖カレー好きミュージシャンといえばエンケンこと遠藤賢司。66歳になる現在も「ちゃんとやれ!えんけん!」と自らを叱咤激励し、ロックバンドをバックに「東京ワッショイ」を歌い「カレーライス」を食べ続ける、永遠に満足できない熱血シンガー。




●筋肉少女帯


ナゴムレコードから登場した筋少/King-Showこと筋肉少女帯は、大槻ケンジを筆頭に印度志向で知られ、カレーも勿論大好物。大槻はソロでエンケンの「カレーライス」をカバーしている。10月には赤坂ブリッツでアーバンギャルドと対バン。ステージは勿論だが、物販でのカレー対決が楽しみ。




●ザ・クロマニヨンズ


アナログ好きのロケンローラー、ヒロト&マーシーもカレーが大好き。「恋と革命とアーバンギャルド」と似たセンスで命名されたマーシー作「オートバイと革ジャンパーとカレー」は、♪オレにカレーを食わせろ!♪と命令形の筋少に対し、♪おまえガソリン、おれカレー♪と自主性を尊重しオトナの態度を示した。




●浅井健一

R&Rカオスの仕掛人ベンジーこと浅井健一はカレー好きが嵩じてカレー屋を開店してしまった。

『HAMMER HEAD CURRY』
セクシーストーンズのメンバーが、カレーの研究を重ね、ついに絶品のスパイシーなカレーが完成。
お昼11:30~14:00のランチ限定で営業しています。カレーがなくなり次第終了となります。

ベンジー自身が一日かけて作るというアサイカレーなど、マジで美味いという報告多数。




●水晶の舟


暗黒のサイケデリア、水晶の舟のぴらこと影男は、バンド活動と平行して吉祥寺で「ガネーシャ」というカレー屋を経営していた。昨年夏、阿佐ヶ谷へ移転し「黒猫茶房」として新装開店。やはりサイケにはインド、印度にはカレー、カレーにはサイケ。
オサレなカフェ風になったが、カレーは流石に美味いらしい。




カレーとは
ロックと同じ
ホットメニュー

カレーなるロケンローラー!

コメント (2)
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夏フェス・イン・マイ・ルーム~FREEDOMMUNE 0 <ZERO> ONE THOUSAND 2013

2013年07月15日 00時49分24秒 | 素晴らしき変態音楽


東日本大震災被災地支援イベントDOMMUNE FREE FESTIVAL
FREEDOMMUNE 0 <ZERO> ONE THOUSAND 2013
幕張メッセ

宇川直宏ロングインタビューはコチラ

昨年は現場で体験したオールナイト・フェスティバルを、今年は自宅のパソコンで体験。DOMMUNEの理念に従えば、これも紛れもないもうひとつの現場である。



夕方からツイッターのTL上に幕張に向かうフォロワーのツイートが上がり始める。昨年に比べ現場の混乱は少ない様子。場内のセッティングや配置も配信動画とツイートで大体分かる。レクサスの車の未来的ディスプレイが目立つ。

●ZAZEN BOYS

お馴染みの変態ポップバンド。幕張!時には女とまぐわり!、ポテトサラダ!パンツ!と連呼、安定した演奏ぶりはベテランの風格。

●BOREDOMS presents 7x13 BOA DRUM

大ホールのフロアに渦巻状に91台のドラムを配置。真ん中でEYEがヴォーカルとサンプラーを操る。遠景カメラだけなので、画面を観ていてもイマイチ伝わらない。コレだけは幕張の現場で体験すべき。

●にせんねんもんだい

昔観た時はサボテンを思い出したが、現在の彼女たちはテクノ/アンビエントなサウンドになっててちょっとボアダム。

CRASSトークを観ようと思ったら、スケジュールが押しているらしく始まらないので、徹夜に備えて仮眠。家人が観ているバラエティ番組で「あまちゃんのテーマ」が流れている。民放でNHKドラマの曲が堂々と使われるとは、あまちゃんのヒットは本物だな、と考えながら寝落。思いの外ぐっすり眠ったが、クーラーを入れっぱなしだったので喉が痛かった。

●瀬戸内寂聴

説法は興味深いが、起き抜けなので集中出来ず聞き流す。客席からの質問にひとつひとう応える寂聴は、さすが日本一の尼さん。

●大友良英&あまちゃんSPECIALビッグバンド

尼さんから海女ちゃんへ。考えることは誰でも同じである。サントラ選抜メンバー十数人編成のビッグバンド。大友が番組のエピソードを語りつつ演奏。生演奏だとジャズ&クレズマー色が強く、ドラマと関係なく楽しめる。オープニングテーマは高校野球や運動会の定番として生き続けるだろう。

●Penny Rinboud co-founder of CRASS

CRASSはポストパンク時代にコミューンを作ってD.I.Y.精神を実践したバンド。当時は社会派ハードコアバンドとしてクローズアップされ、ネオヒッピー思想は余り理解されなかった。サックス/フルート、チェロ、エレピの即興演奏をバックにポエトリー・リーディングを聞かせるペニーとCRASSの盟友イヴ・リバディーンのふたりは、ゴングのデヴィッド・アレン&ジリ・スマイス、スティーヴ・ヒレッジ&ジレット・ミラウディを彷彿させた。CRASSの代表曲「Nagasaki Nightmare」も歌った。

●初音階段

ここからノイズ連続攻撃。時間が重なっているので、幕張現場では移動の手間があるが、PC現場では即座に場面を切り替えられるのが嬉しい。白波多カミンのコスプレも堂に入った初音階段、9月リリースの新作『からっぽの世界』収録の荒井由美、オフコース、エヴァンゲリオン、ヴェルヴェッツ等のカバーも演奏。トークも聞きたかったが時間なので、MAKUHARI BUDOHKANに移動。

●灰野敬二

エレクトロニクス・ソロはかなり久々。記憶にある限りでは、2008年秋の横浜トリエンナー以来ではなかろうか。まったく容赦なしの轟音エレクトロノイズが炸裂。深夜なのでヴォリュームが上げられないのが残念だが、幕張現場で聴いたら最高にトバされるだろう。ヴォイス・パートでは「わからないことに頷くな、わからないことを決して認めるな、わからないことはわからないと、はっきりと言え」といった明快な言葉が突き刺さる。眠気との闘いだったが、とにかく圧巻のステージだった。

●EP-4unit3+伊東篤宏

灰野に被ってAMZING DOMEでもノイズ放射開始。幕張現場はカオス状態。青山CAYで観たときと同じ、砂嵐から文字が浮き出る映像ライティングがステージセットに映える。伊東のオプトロンがアクセントになり、クールなEP-4のファンクノイズが肉感的に響く。

●OPEN REEL ENSAMBLE

エレクトロ繋がりが続く。オープンリール・デッキを使った5人の研究員(BiSファンに非ず)のパフォーマンスは、科学実験みたいで面白い。生楽器を交えた電子音響が耳に心地よい。

●冨田勲 feat. STEVE HILLAGE

今回の目玉企画。スーツ&ネクタイの富田+ギターのスティーヴ・ヒレッジ+トランペット奏者の3人の予想外にシンプルな編成。富田の代表作『惑星』の「木星」を文字通りスペーシーな音色で演奏、昔ながらのアナログなシンセ・サウンドが逆に新鮮。夜明けの陽光ドーン・コーラスとの共演、とあったがよく分からないまま眠気に負けて離脱。




<まとめ>
あの瀬戸内寂聴も!?幕張のDJイベントがカオスになってる→コチラ
『FREEDOMMUNE 0 <ZERO> 2013』に出演したR60な生ける伝説たち→コチラ

自宅フェス
無料だけど
募金した

あま(海女)&あま(尼)ノイズで被災地支援。
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プー・ルイ/南波志帆/大森靖子/クルミクロニクル/MID/ナグリアイ@新宿LOFT 2013.7.12(fri)

2013年07月14日 00時22分12秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


EXTRAVE!!! vol.2
出演者:プー・ルイ、南波志帆、大森靖子、クルミクロニクル、ナグリアイ、MID(JOVO)

EXTRAVE!!!とは2010年11月に吉祥寺CLUB SEATAで開催され、ぱすぽ☆ 、Negicco 、Tomato n' Pine 、東京女子流 、プー・ルイ等9組が出演したアイドル・イベント。USTで生中継され大きな話題になった。その伝説のイベントがEXTRAVE!!! vol.2として会場を新宿LOFTに移し2年半ぶりに復活。
→第1回EXTRAVE!!!ライヴ動画はコチラ



・・・といった情報はブログを書くために調べて分かったこと。当初の目当はBiSの新生ドラムン・アイドル、ウイぽんことファーストサマーウイカが参加するプー・ルイ・ソロと、テン世代フォーキーの大森靖子。お気に入りのナンバちゃんも出るマスト・イベントだった。予想通り観客の大半はプー・ルイ目当の研究員。しかもかなりコアな面子。

●ナグリアイ


受付をしていると場内からBiSの曲が爆音で流れてきた。えぇっ、プー・ルイが最初なの?と焦ったらナグリアイだった。女性研究員(女BiSヲタ)が結成したBiSのコピーグループ。ステージ前方に固まるコア研究員にはお馴染みの様子で、本家に倣ったコールやヲタ芸で盛り上がる。笑いを交えたステージはファンの交流会みたいだった。夏にオリジナル曲をリリースするとのこと。




●MID(JOVO)


未来からやって来たロックバンドJOVOのヴォーカルMIDのソロ。ショッキングピンクの衣装で飛び跳ね歌う姿はきゃりーぱみゅぱみゅ風のストレンジアイドルだが、歌詞や曲調は本格ロック。クオリティの高さが伝わるが、アイドルっぽさを打ち出したパフォーマンスはヲタ連中にも大ウケ。最近いまひとつ元気がないバンド・シーンだが、みんなこれくらい弾ければ面白くなるだろう。




●大森靖子


以前からアイドルイベントで名前を目にして気になり、ようつべで動画を観てハマッた激情派SSW、大森靖子を初体験。生で観ると以外に小柄でアイドルと並んでも違和感はない。「アイドルさんのイベントに出ると、いつも何やってんだろうと落ち込むんです」と語りつつ、歌が始まると完全に世界に入り、神懸かりな絶唱を聴かせる。次々とメドレーで曲を歌い継ぐのが、芸人の連続ネタに似ている。♪音楽は魔法ではない♪(「音楽を捨てよ、そして音楽へ」)、♪きゃりーぱみゅぱみゅ みんなのうたって誰の歌♪(「新宿」)と次々に飛び出す刺激的な言葉にただただ身を任せる。友川カズキに続いてアコギ一本の弾き語りのパワーの凄さを実感した。終演後のチェキ会(!)で友川のことを尋ねたら、「あの人は女が嫌いですからネ~」との返事。




●クルミクロニクル


隣のバーラウンジがガヤガヤうるさい。プー・ルイの握手会が始まったようだ。バーラウンジへ移動した客も多いが、クルミクロニクル目当のファンがかなり残っている。関西を拠点に活動する現在16才のソロアイドル。今年春にスタートしたデビューするまでのドキュメンタリー動画投稿が、情報通のアイドルヲタの間で話題になった。路上ライヴを経て6月9日大阪で初ライヴ。今回は初の東京ライヴだが、予想以上の盛り上がりに最後は感極まって涙を流す。笑い上戸のMCと初々しさが新鮮。




●南波志帆


ナンバちゃんってアイドル?J-POP?いつも迷うが、南波志帆は大のお気に入り。ふわふわした存在感とクール&キュートな音楽性は、きゃりーやPerfumeファンにもおススメ。妙に不思議な振付けは真似するには難しいが、「ご一緒に!」と煽りながら一生懸命盛り上げるナンバちゃんが健気!彼女やハナエやYun*chiなど、ちょっとエレクトロなシンガーは、アイドルとJ-POPの橋渡し的存在。




●プー・ルイ


前回のEXTRAVE!!!でソロ活動中止→アイドルグループ結成宣言をしたプー・ルイの1年ぶりのソロ・ライヴ。バックを固めるのは高校時代のバンド仲間ふたりとBiSの新メン、ウイぽん on Drums。プー・ルイがBiS結成以前"ニューエイジロックアイコン"と称するロック・シンガーで、ソロアルバム『みんなのプー・ルイ』(2010)をリリースしたことは周知の事実。エレクトロ処理されたエモいロックはそのままBiSサウンドに通じる。プー・ルイのスウィートなヴォーカルを生バンドで聴けるのが嬉しい。注目のウイぽんのドラムはタイトかつエロくて魅惑的。テンテンコもロック・シンガーだし、メンバーの半分がロック出身とはBiSのエモさは肝いりである。
→ブー・ルイのブログはコチラ




エモシンガー
エロドラマー
エコアイドル

エコエコアザラクみたいっす!




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魔法の天使 クリィミーマミ vs 魔法のプリンセス ミンキーモモ vs 学生運動

2013年07月13日 01時32分21秒 | ラジオやテレビのこと


83年放映のテレビアニメ「魔法の天使 クリィミーマミ」のBOXセットがリリースされる。少女漫画好きのJOJO広重がさっそくRTし、当時ビデオをダビングした想い出を呟いた。マル非のシャドウであるナスカカー中屋も「正直これマジで欲しい」とコメント。マル非周辺のヲタぶりが加速気味である。BiSメンバーと自分撮りした写真をツイートしたり、9月リリースの初音階段の新作「からっぽの世界」にはフォークや歌謡曲に交じってアニソンのカバーも収録される。広重は小説を執筆中らしいが、集英社コバルト文庫や双葉社いちご文庫からの刊行を目論んでいるのかもしれない。



クリィミーマミと並んで1980年代の魔法少女ブームを形成したのが82年放映の「魔法のプリンセス ミンキーモモ」。私にとってはミンキーモモの方が圧倒的に思い入れがある。といっても番組を観たことは殆ど無い。一年間の浪人生活の末、晴れて大学に合格したのが1982年。意気揚々と通学したキャンパスは古い厳粛な建物が並んでおり、浮ついた新入生の気持ちの昂りを鎮静する雰囲気があった。70年代の学生運動の残滓がそこここにあった。立て看板や学生寮の壁には「打倒!米帝国主義!!」「授業料値上げ絶対反対!!」といったスローガンが独特の書体で書かれ、サークル室の楽器置き場には黒ヘルや赤ヘルが転がっていた。学内には原理研の勧誘がうろつき、学園祭の前日は過激派の襲撃に備えて教室に泊まり込んだ。そんな厳粛なムードとちょっと危険な香り漂う教室の天井の梁に「ミンキーモモ♡」とショッキングピンクの大きな丸文字で書かれていた。高い天井に誰がどうやって書いたか分からない。風格ある老教授が真面目な講義をしている教壇の真上に、美少女アニメキャラの名前が輝いているのは、間違いなく異様な光景だったが、場所が場所だけに消すのが難しかったからか、ピンクの落書きはずっと残っていた。



私の大学は圧倒的に男子学生の方が多かったので、ヲタク人種も多かった。学園祭ではアニメキャラ入りの看板やチラシが溢れ、女装コスプレ男子が客引きをしていた。ヲタの巣窟漫画研究会のシンボルはミンキーモモだった。ピンクピンクした漫研の展示室にはミンキーモモのイラストを求める男子学生が列を作っていた。70年代の学生にとっては矢吹ジョーがヒーローだったが、82年駒場東大の学生はミンキーモモを信仰していたと言っていいだろう。



そんなわけでウブな新入生の心にはミンキーモモのピンクの髪と黄色いリボンが強烈に刻み込まれたのである。ついてはクリィミーマミだけではなく、ミンキーモモもきちんとアーカイヴして頂きたく、くれぐれもよろしくお願いしたい。

民青とプリンセス
革マルとミンキー
中核とモモ

<JOJO広重小説装丁案> 
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今こそ再評価!素顔女子の家具ロック~サボテン(SABOTEN)『フロアとサティー(FLOOR et SATiE)』

2013年07月12日 00時24分14秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


BiS階段のLPを予約するためにログインしたインディーズ専門レコードショップJET SETのホームページに見覚えのあるジャケットを発見。白地に赤丸。これは!新大久保名物の日章旗ではなくトゲのある植物・・・しかもアナログ2枚組。今年1月に突然聴きたくなり、棚の奥から引っ張り出して想い出に浸った女子バンドサボテンではあーりませんかっ!1982年突然段ボールのレーベルFLOORからリリースした1stアルバム『サボテン』全曲と、EP『いつもある』(1984)、カセット『レッツ・サティ!』(1992)、2ndアルバム『目覚める』(1992)からのコンピレーション。全曲リミックス/リマスタリング、メンバーによるセルフライナーノーツ、当時の写真やフライヤーをあしらったカラー内袋付き豪華版。

何故突然このタイミング、しかもアナログで?と不思議な気がするが、突然段ボールの未発表音源ボックスや突然段ボロイドがリリースされたり、影響を受けたハズの女子ポストロックバンド、にせんねんもんだいの新作が話題になったりしているので、サボテンが再評価されるべき時代が来たと言えなくもない。また80年代初頭のパンク/ニューウェイヴに憧れる若いファンが増えているので、当時の作品をアーカイヴするのにもいい機会だろう。

派手な話題もなく、こつこつと自分らしい活動を続けた突段やサボテンの実験精神に隠れた狂気は、緩やかに沈滞するテン年代にこそ相応しい自己表現の在り方を示唆している。30年前は、自室で練り上げたアイデアは、バンド形態で揉み合い、スタジオで録音し、レコードやカセットのメディアに複製し、最終的に流通経路に乗せなければ伝播することは有り得なかった。インディー・レーベルにとっての鬼門は、音楽性やコンセプトで揉めることではなく、ユーザーの手に渡った商品の代金を回収する作業の煩雑さにあったと言っても過言ではない。その手間を惜しんだために制作費が回収出来ず、次作まで活動が続かなかったアーティストは数多い。

突段やサボテンがそうした末路を辿らなかったのは、ひとえに徹底したマイペース主義だったためであろう。費用が回収出来なければ、回収するまで焦らずのんびり待つ。例え10年待つことになろうとも気にしない。あくせく急がないで一休み。やりたいことはそこにいつもある。オプティミストぶりが肩の力の抜けたサウンドに反映され、聴き手はいつ何時聴いてもその度に新たな発見をして、ヨロコビに浸るのである。スルメ烏賊のような音楽。



故ロル・コクスヒルの流れるようなソプラノ・サックスと対照的に、ぎこちなく蛇行する家具のロックが聴き手の聴覚を脱臼させる。東京タワーの下に佇む普段着女子の憑き物が取れてスッキリした素顔が、国境も時代も超越する永遠の循環運動となりグルグルグルグル加速をつけて堕ちてゆく。




人類究極の防御には、兵器などなくとも平気である。

低い椅子
未来の記憶
エテンラク

カオスの時代こそ、プラネタリウムの低い椅子に座ってグッとおさえて思考を巡らせよう!
グルグルグルグルグルグルグルグル 



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チバ大三+山崎怠雅/青木智幸+望月治孝@荻窪club DOCTOR 2013.7.8(tue)

2013年07月11日 00時24分20秒 | 素晴らしき変態音楽


チバ大三主宰『サドマゾ合戦』
出演:チバ大三×山崎怠雅/青木智幸(UP-TIGHT)×望月治孝/BEE×ななこ

新宿のロックバー「ソウル・キッチン」の店主で音楽ライターの鳥井賀句が、山崎怠雅(タイガ)が優れたシンガーソングライターだと言っていた。タイガは鳥を見たで何度も観ているし、灰野敬二のライヴ・スタッフを務めているので個人的にもよく知っているが、彼のギターや歌は聴いたことがない。是非とも観たいと思っていたら、UP-TIGHT青木智幸の上京ライヴで対バンするのを知った。『サドマゾ合戦』というSMショーを絡めたイベント。荻窪クラブ・ドクターは初めて。駅から徒歩3分の飲み屋ビルの地下のこじんまりとしたクラブだった。客の入りはイマイチだったが、後述するように来なかった人(1億2750万人マイナス15人)は貴重なモノを観逃してご愁傷様、と言いたい強烈な体験だった。

●青木智幸+望月治孝

(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

90年代末~2000年代にかけて日本各地から轟音ギターを武器に漆黒のロックを奏でるバンドが出現した。安直に”○○(出身地名)のラリーズ”と呼ばれた。確かに裸のラリーズの影響が色濃いイメージとサウンドだが、後ろ向きなノスタルジーやトリビュートではなく、日本ロック史にそそり立つ深遠な闇の要素を時代に注入することで、21世紀に於ける自らの存在とロックの意義を問い直す禊だったような気がする。注目すべきはその多くが大都市の東京や大阪ではなく、ローカル都市から登場したことである。情報過多で刺激に慣れきった大都市ではなく、情報に飢え、刺激を求めて自ら活動の場を作ってきた地方都市で育まれた独特の環境から生まれたバンド達が鳴らす轟音は、それぞれ超個性的な輝きに満ちていた。浜松出身のUP-TIGHTはその動きの中核バンドだった。ルクレチアというライヴハウスを拠点に、東京や大阪、さらに世界中のアーティストと交流しつつ、独自に結晶化したスタイルは、過去の影響云々を言わせない説得力があった。特にリーダーの青木智幸は黒尽くめにサングラスというルックスを含め、ロック美学を貫く強靭なカリスマ性がある。同郷の静岡のサックス奏者、望月治孝とのデュオ。望月の演奏も非常にユニーク。独特の間を活かした舞踏(武闘)派スタイルで切り裂くように咽び泣くアルトは、ここ10年来聴いたことがない。唯一近い存在は浦邊雅祥だろうか。ローカル・シーンに如何に優れた才能が隠れているのか、興味は尽きない。望月の情念サックスと青木の深くリバーヴをかけたヴォーカルと爆裂ギターに酔った。ただしジャックスのカヴァーは反則。泣けた。




●BEE+ななこ


SM的パフォーマンス。今回のイベントのキモ。パフォーマンスの性格上、詳細な記載は控えるが、人間の限りない欲望が産み出した究極の肉体芸術は、パンクだサイケだロックだ言っても、とても太刀打ちできない。人間の業の深さに恐れおののくのみ。肉欲や美学を超越した人間の本質を剥き出しにしたパフォーマンスには言葉は必要ない。大変貴重な経験をさせていただき、チバ氏に感謝。


●チバ大三+山崎怠雅


圧倒的な出し物のあとで分が悪いが、気を取り直して観戦。チバは独唱パンクの主宰者で、ギターと足鈴、そして歌というスタイルで活動する弾き我鳴りスト。ギター一本担いで日本各地を巡り歌っている。タイガとは月一ペースで共演しているらしい。タイガはアーム付SGという60年代サイケの基本スタイルでチバの歌をトリップさせる。ロングヘアとフレアパンツでクリアトーンのアルペジオから轟音フィードバックまで自在に奏でるプレイは、ジョン・シポリーナ(クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス)、サム・アンドリュー(ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニー)、バリー・メルトン(カントリー・ジョー&ザ・フィッシュ)等を髣髴させる。ベーシストとしてのタイガしか知らないので、流麗なギタープレイは意外でもあり、期待通りでもあり、嬉しい驚きだった。イアン・アンダーソン(ジェスロ・タル)ばりの片足立ちで明瞭なメロディーを歌うチバもユニーク。両者の産み出すケミストリーを堪能した。




サドマゾ合戦は完全にSMガールズの勝利に終わったが、人間存在の極限とロック美学を同時に味わえた素晴らしい企画だった。二度目があるかどうか分からないが、こうした試みが続くことを祈りたい。

SとM
あなたはどちら?
どちらでも

静岡地下ロック界の両雄の2マン・ツアー!
***UP-TIGHT×庭 Split CDリリース&ツアー*****
2013.07.20 静岡  騒弦
2013.08.10 名古屋 Day Trive
2013.08.11 大阪  戦国大統領 
2013.08.12 神戸  Helluva Lounge
2013.08.13 京都  ウーララ
2013.09.01 東京  URGA




コメント (2)
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