A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【突然マイブーム】ゼルダ ゼルダ ゼルダ ボーイズ ボーイズ ボーイズ

2014年04月05日 00時15分15秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


一昨日、同い年の同僚とランチ中に80年代女子バンドの思い出からゼルダの話になった。ボ・ガンボスの故どんとと結婚したベースの小嶋さちほ(チホ)は現在沖縄在住らしいけど、ヴォーカルの高橋小夜子はどうしてるか知ってる?という話になり、あとでググってみたら、サヨコ本人のサイトを見つけた。元じゃがたらのOTO(g)とアフリカタイコの奈良大介(perc)とのユニット「サヨコオトナラ」を中心に、アースデイ、フジロックなど各地のオーガニック系イベントで活動中。後期ゼルダのワールドミュージック的な世界観を引き継いだ大らかな歌を聴かせる。

●サヨコオトナラ




一方チホはどんとの死後に接近した精神世界にインスパイアされ音魂瞑想法を授かり、全国の神社仏閣、神事での音魂奉納、自然の中での瞑想ツアー、ワークショップ、巡礼コンサート等で活動中。サイキックパワーに満ちた歌声とライア(竪琴)演奏を聴かせる。

●小嶋さちほ




今年の3月24日にソニーミュージックのサイトで『ゼルダ1985-1990』と題された6枚組ボックスがリリースされたことを発見。『空色帽子の日』(1985/10/21) 、『C-ROCK WORK』(1987/4/1) 、『Dancing Days』(1988/6/22) 、『SHOUT SISTER SHOUT』(1988/10/21) 、『D.R.O.P.』(1989/9/21)の5枚のアルバムと映像作品『Dancing Days』(1990/9/21)のDVDを収録。 17年に亘るゼルダの歴史の中で「ゼルダがもっとも大衆性をもち、はじけた時代」(高橋さよこ)の集大成。

●ZELDA(Late 80's)




さらに昨年12月にネットにアップされたこんな記事も発見した。

ZELDAクロニクル
80年代初頭~90年代半ばにかけて活躍したバンドZELDA。そんなZELDAへのオマージュを捧げて命名したC-ROCK WORKの第一弾プロダクト『サブカルナヴァル』に収録された、本邦初とも言われるZELDA研究・評論。

「メンバーが全員女性ガールズバンドの草分け的存在であり、女性グループとしてもっとも長い活動歴を持つことで、ギネスブックにも記載されている」というゼルダの典型的プロフィールから太字部分をDeleteして、新たに「好奇心」をキーワードにPasteして紐解いた論調は、サブカル論として一般的に見ても興味深い。

●ZELDA(1982)




昼休みの会話を含め、同時期にゼルダ関連情報が重なったことは単なる偶然とは思えない。14年前にハワイで逝去したどんとの魂が天国から手引きしているのかもしれない。

80年代前半インディ時代の音源を含む集大成、さらにチホがゼルダ以前に参加していた女子バンド「ボーイズ・ボーイズ」の音源の発掘を強く望む。

この前の日曜日に部屋の模様替えをした時に、押入れのダンボールの中から、1979年7月21日池袋西武デパートCITYにてミラーズ、マリア023との対バン・イベントで当時高校2年生の筆者が撮影したボーイズ・ボーイズの生写真を発見した。思えばこれが今回のゼルダ現象の前触れだったのかもしれない。

●BOYS BOYS(1979.7.21):Kummy(vo)&Emi(g)




35年
ぶりに再会
少年少年女子

 
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日野繭子+向島ゆり子+組原正/グンジョーガクレヨン@阿佐ヶ谷Yellow Vision 2014.4.2(wed)

2014年04月04日 01時06分14秒 | 素晴らしき変態音楽


ぽこりんちゃん

=出演=
☆日野 繭子(electronics)・向島 ゆり子(e.violin)・組原正(g.vo)・トリオ
グンジョーガクレヨン




2013年夏の組原正ドイツツアー以降組原及びグンジョーガクレヨンの活動が活性化している。新旧取り混ぜ様々なミュージシャンとの共演や北海道ツアーを行い、昨年12月は5回公演という精力的なペース。2014年も次々ライヴ企画をブッキング中。1ヵ月に亘るヨーロッパ滞在で出会った現地のミュージシャンが、日本に比べて劣悪な音響装置や会場設備にも関わらず、音楽活動への熱い衝動を全開にしているのを目の当たりにして、還暦を過ぎた組原の表現欲求がメラメラと燃え上がったに違いない。

今年からグンジョーガクレヨン自身の企画ライヴもスタート。1月に山崎怠雅との2マンライヴを実施。続く2回目が今回の「ぽこりんちゃん」。脱力するようなタイトルだが、一見幼稚なこのタイトルこそ、組原(グンジョー)の組原(グンジョー)らしさ全開の証なのである。

▼ぽこりんちゃん

(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

鳥井駕句監修・宝島刊「ロッカーズ1983」のグンジョーガクレヨンの紹介記事はこう書かれている。

グンジョーガクレヨンのライヴは一種異様な雰囲気に包まれている。例えばフルチンにパンティストッキングといった恰好のギタリスト~中略~それは単なる道化芝居には終わらぬ不思議な緊張感とエロティシズムを漂わせている。サウンドは”フリージャズとパンクの融合”などという言葉では表現できない静寂とパトスの表出...。サイケデリックな覚醒。

つまりグンジョーガクレヨンは結成当時から、音楽面だけで無くヴィジュアル面も高い評価の大きな要因だったのである。筆者が当時観たライヴでは、ヴォーカルの園田游の白塗りパントマイムが強烈に印象に残っている。組原の奇矯な衣装の記憶はないが、周りと異なることがステイタスだった80年代サブカルシーンの有象無象の中でも突出した存在だったグンジョーの風貌は、一際異様に映ったに違いない。

結成から35年(非常階段と同期)を迎えるグンジョー組原が還暦を過ぎてデビュー当時同様の異形に回帰したことは、活動の活性化と併せ、組原が時代から突出する軌道に入ったことを如実に示している。露悪的な幼児性と倒錯感。30年前に比べ社会や文化の均一化が徹底された現代に、再び亀裂を入れる異様な存在感が発揮されることとなる。


●グンジョーガクレヨン


女装で当たり前のように客と饒舌に世間話をする組原と、ひと言も発すること無く静かに楽器の前に座って開演時間を待つ前田隆(b)と宮川篤志(ds)の対比が異様。組原がエフェクトをかけたマイクでけたたましい嬌声を発しギターを掻きむしると、それを合図にべースとドラムが炸裂する。炸裂というより緊縛と表現したい凄まじい強度の音響である。先ほどの大人しさが嘘のように指と腕を振り回して楽器に挑みかかる。ある意味本能的な反応なのかもしれない。一瞬足りとも気を抜けない緊張感だが、ステージの3人の表情はリラックスしているような安定感に輝いている。信頼関係に裏付けされた遠慮不要の本気と本気の衝突が産み出すサウンドの強度が聴き手の心に突き刺さる。世界最高のセルフコンテインド即興ユニットと言える。




●日野繭子+向島ゆり子+組原正トリオ


グンジョー&組原の名前を世に知らしめた最大のエピソードは組原が1980年に坂本龍一『B-2 Unit』に参加したことであろう。特異なギタープレイが異彩を放つセッション参加だが、組原にとってはあくまで頼まれた仕事に過ぎず特別の感慨はないと言う。また、フレッド・フリスとの共演は両者にとって納得のいく結果にならなかった。そのふたつ以外は、フリクションや突然ダンボールといった同じPASSレコード所属アーティスト以外と関係を結ぶことが少なかったグンジョーは、現在外部のミュージシャンとのセッション・共演に積極的である。組原が気になったアーティストに共演依頼をしているので、時には思いがけない異色の組み合わせが誕生する。今回の女性アーティストふたりとの共演がそれだった。

70年代終わりから様々なユニットに参加し、即興音楽界の名ヴァイオリン奏者として活躍する向島ゆり子と、映画女優としての活動を経て80年代後半からノイズ・アーティストとして世界的に評価される日野繭子。日本地下音楽界を代表する女流音楽家のふたりは30年来の知り合いだが、一緒に演奏するのは実は今回が初めてだと言う。ありそうでなかった両者の共演を実現したのは組原の積極的なアピールの成果だった。日野はいつになく緊張気味で、その上メイン機材のテルミンの不調というハンディキャップもあったが、向島の空気を引き裂くヴァイオリンに組原の金属音が絡み合う中に、ナイフの如く鋭い電子音で切り込む。左右で女子二名が空間を彩る真ん中で、女装のギター弾きが飛び跳ねながら非ギター的物音を鳴らす図は、一見シュールなようでいて、どこかで見たような既視感があり、不思議な気分に迷い込んでしまう。3者共に強烈な存在感を誇示するが、後半の組原の情け容赦ない激音ノイズ放射は、演奏する歓びに溢れた福音に他ならなかった。



この会場では滅多に経験しない満員御礼の盛況ぶりに、グンジョーガクレヨンの新たな黄金期の到来を感じた。

出会いとは
人の想いの
集大成

<グンジョーガクレヨン・ライヴ・スケジュール>
2014年05月13日 (火)
ぷるるんっん*****企画:グンジョーガクレヨン
場 所 Yellow Vision
=出演=
・グンジョーガクレヨン(前田隆bs・組原正g/vo・duo)
・イツロウ
・豊田浩司(電気tp)
・山田邦喜(Drums)

2014年06月10日 (火)
キーン!*****企画:グンジョーガクレヨン
場 所 Yellow Vision
=出演=
グンジョーガクレヨン(組原正g・前田隆b・duo)+坂本弘道(チェロ)

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ロック!年の差なんて~ストライプス/ウィルコ・ジョンソン&ロジャー・ダルトリー/ザ・ボゥディーズ

2014年04月02日 00時19分20秒 | ロッケンロール万歳!


ロケンローに年齢は関係あるのか?かつて「Hope I Die Before Get Old(歳喰う前に死んじまいたい)」と歌ったバンドの半分は70の声を聞いた今もロックし続ける。「It's Only Rock'n'Roll But I Like It(こいつはただのロケンロー、でもおれは好きなんだ)」と転がる石に苔は生さない。半世紀の年の差とレパートリーの狭間には、孫と祖父の心の交流以上の真摯な背差琢磨が刻まれている。



ザ・ストライプス


デビュー・アルバム『スナップショット』リリースから半年、平均年齢は1歳上がったが、ロケンローの熱量に変わりはない。初のUSツアーに合わせてリリースしたEP『4 TRACK MIND』では、シンプルなR&Bに留まらぬ豪快なロケンローを鳴らし、懐古趣味の誹りを軽々飛び越える。唸りを上げるスライドギターは『東京ロッカーズ』の幕開けのフリクション「背中のコード」と同じく時代の発破の導火線に火をつける。ストライプスはロックの未来じゃないと断言するTANASO氏には申し訳ないが、未来を騙る似非予言者には退散願いたい。





ウィルコ・ジョンソンロジャー・ダルトリー


ロジャー70歳、ウィルコ66歳。おじいちゃん世代が鳴らすロケンローには確かに未来はないが、「今を生きよう」との決意表明こそ電光石火のリアルロケンロー。年を取ったらブルース回帰がお約束の業界だが、ブルースとR&Bは別世界。孫(ストライプス)とやっても兄貴(ロジャー)とやってもガギグゲゴと引っ掛かるウィルコのギターは冥土逝き最終列車の発車のベル。リアル刹那はロケンロー的にはリア充に違いない。





ザ・ボゥディーズ


日本のガキも負けてはいない。結成10周年、デビュー5周年、平均年齢30歳の4人組初のカヴァー集はウィルコ&ロジャーと同じ『ふるさとへ帰ろう』。彼らのふるさとはパブロック、ガレージロック、ブリティッシュビートのルーツを探る50-60年代の渋いR&B/ソウル。遠く離れた極東の地にストライプスの兄貴バンドが存在する事実に「ロケンローは皆兄弟」説の裏付けを得た。





フジロックやサマソニではなく、R&B・ソウル・ゴスペルに特化した野外フェスの開催を望む。

ふるさとと
書いてR&B
と読む

▼全米No.1の人気エンターテインメントTV番組『レイトショー・ウィズ・デヴィッド・レターマン』でのパフォーマンス。もはや大物の風格。


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【定期レビュー】マシーン・マス featuring デイヴ・リーブマン『インティ』

2014年04月01日 00時15分15秒 | 素晴らしき変態音楽


『MACHINE MASS featuring DAVE LIEBMAN / INTI』

Moonjune Records
MJR060

Personnel:
Michel Delville: e-g, Roland GR09, electronics
Tony Bianco: ds, loops, perc
Dave Liebman: ss & ts, wooden flute
with
Saba Tewelde: vo (on Track 7)

1. Inti (7:27)
2. Centipede (4:41)
3. Lloyd (6:24)
4. In a Silent Way (6:29)
5. A Sight (6:37)
6. Utoma (6:09)
7. The Secret Place (4:33)
8. Elisabeth (12:46)
9. Voice (4:53)

Production:
Recorded at Red Rock Recording Studios, Saylorsburg, PA (USA), October 10, 2012
Recording engineer: Kent Heckman
Mixed and mastered by Jon Wilkinson
Produced by Machine Mass
Executive Producer: Leonardo Pavkovic



以前レビューした『Remembrance』というアルバムでエルトン・ディーンらと共演していたドラマーのトニー・ビアンコの現行のプロジェクトのひとつであるマシーン・マスの最新アルバム。2011年にマシーン・マス・トリオとして1st CD『As Real As Thinking』を同じくMoonjune Recordsからリリースしている。ビアンコとベルギー出身のギタリスト、ミシェル・デルフィーユは変わらないが、サックスにデイヴ・リーブマンが参加しているのが興味深い。70年代エレクトリック・マイルスのメンバーとして先鋭的なジャズを創造し“ポスト・コルトレーン”と呼ばれたリーブマンが、ヨーロッパを拠点に活動する二人の個性派ミュージシャンと共にどのような音楽を志向するのだろうか。

透明感のあるソプラノ・サックスがポリリズムのビートに乗って華麗なインプロヴィゼーションを繰り広げるオープニング曲「Inti」を聴いて、メンバー・クレジットを何度も見直してしまった。間違いなく複雑なベース・プログレッションとスペーシーなキーボードが鳴っているのに、 楽器クレジットにはデルフィーユ、ビアンコ、リーブマンの3人しか載っていない。サックスとギターがユニゾンでテーマを奏でる2曲目「Cantipede」のグルーヴを支えるのも、見事にドライヴするベースのフレーズである。

資料には「リズミカルで複雑なループ“On The Fly”を活用した」とある。「On The Fly」が機材名か、プログラムソフトの名前か、はたまた何かの暗喩なのかは分からないが、ベースやキーボードの音は、ビアンコが操作するループによって奏でられているのだ。しかも本作はダビングなしのいわゆる一発録りでレコーディングされたという。スポンテニアスなインタープレイは生々しくて人間的。その一部を機械が演奏しているという事実は驚異的である。そう考えれば「機械のミサ」を意味するバンド名にも納得できる。

2000年代前半、ビアンコはエルトン・ディーンと共に「フリービート」というプロジェクトでリズムと即興演奏の有機的融合を追究した(詳しくは『Remembrance』のCD評を参照のこと)。2006年のディーンの死後も、ビアンコの追究が続いていることは明らかだ。一定の拍子記号=リズムに従って自由な即興演奏を展開するというのが「フリービート」の基本コンセプトだった。拍子をループに置き換えることで、「フリービート」の進化を狙ったのではあるまいか。それが成功したことは、本作に於けるふたりのソリストの人間的でスリルに満ちたプレイが証明している。

リーブマンの水を得た魚のように生命感に溢れたプレイは圧巻。クリアなソプラノと骨太なテナーに加え、インド風エスノ・チューン「In a Silent Way」ではエキゾチックな木笛を聴かせる。デルフィーユの演奏を聴くのは初めてだが、アラン・ホールズワースを思わせる名人芸から、フランク・ザッパ風の粘っこいロックフレーズ、エレクトロニクスを通したキーボード風サウンドまで、実に多彩な音色を使い分ける。基本的に少数コードのミニマルな曲調なので、演奏のクオリティはソリストのプレイにかかっている。それを最大限に活かして思いのままに絡み合う演奏は無限大の自由を謳歌しているかのようである。また、女性ヴォーカルをフィーチャーした「A Sight」の透明感溢れる清浄な世界も類い稀な美しさに満ちている。

リーダー・デビューから41年を数えるベテラン、デイヴ・リーブマンが新たな創造の炎を燃やして挑んだ意欲作は、予想以上に豊穣な音世界を産み出した。



音紡ぎ
年輪重ね
炎を燃やす

▼Miles Davis Ife feat. Dave Liebman & Pete Cosey live 1973



★デイヴ・リーブマン・インタビュー⇒コチラ
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