A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【私のB級サイケ収集癖】第3夜:ボア・コンストリクター&ア・ナチュラル・ヴァイン/バンブー

2015年11月16日 01時44分26秒 | 素晴らしき変態音楽


かつて輸入盤を扱うレコード店には大抵格安盤コーナーがあった。カット盤(過剰在庫をジャケットに切り込みを入れた廉価盤)や、ひと箱いくらで輸入した雑多な中古盤が安価で並んでいて、知らないレコードをジャケ買いするのが楽しかった。もちろんハズレも多かったが、聴いてみて気に入ったものもあり、私的愛聴盤になったレコードもある。後にプレミア付きのレア盤だと分かる場合もたまにあるが、大抵は詳細不明のまま蒙昧の彼方へ飛び去ったまま。今ならネットで正体が解明できるかも。

●Boa Constrictor & A Natural Vine『s/t』 (Vanguard Apostolic VSD-6511 1969)
¥180/1983.1.26/下北沢レコファン


極彩色のジャケットだけでサイケ名盤決定。第1夜で取り上げたThe Family of Apostolicと同じレーベル。深いリバーブのアコギと、空中に溶けるような深みのあるヴォーカルを中心に、野外録音やテープの逆回転の効果音を含むサウンド。曲の出来に凸凹はあるが、総じてラリッたアシッドフォークである。特に「悪魔とスペードのエース The Devil & the Ace of Spades」は物憂いサックスと夢見るようなヴォーカルと奇妙な効果音を備えた名曲である。

Boa Constrictor & A Natural Vine - Devil & The Ace Of Spades (1969)


「私がジョージ・フィッグス George Figgsとベン・サイフ Ben Syfuに会ったのは今年の1月、彼らがボルティモアから漂流して来たときだった。9月にメイン州サースモントにあるジェール・ホワイティング Jere Whitingの農場でNagra製オープンリールで大半の曲を録音した。その後ニューヨークのApostolicスタジオでオーバーダブだけでなく新曲も録音し、11月にアルバムが完成した。
ジョージが歌詞を書き歌を唄い、ベンが音楽を書き、彼の助けで私がエンジニアをした。我々と友人たちが音楽を作った」
プロデューサー ジョン・キルゴーア John Kilgore(ライナーノーツより)

ジュール・ホワイティングはApostolicレーベルと契約していたザ・ファー・クライというバンドのヴォーカリスト。Apostolicスタジオでのレコーディングには同バンドのメンバーのデヴィッド・ペリー David Perry(g)、ディック・マーティン Dick Martin(sax)、ヴィクター・マックギル Victor McGill(ds)が参加している。ジャケットのイラストを手がけたフィービ・ストーンは、現在は子供向け絵本作家として売れっ子だという。このアルバムのマスターテープは70年代初頭に廃棄されたらしく、未だにリイシューされていない。
Whaddya mean you don't know George & Ben

●Bamboo『s/t』 (Elektra EKS-74048 1968)
¥300/1985.12.21/吉祥寺TONY


ださカッコいいフリルシャツとラッパズボンにビビっときたら竹やぶを突く価値有り。今気がついたのだが、表ジャケ左右に竹のフレームがデザインされている。ジャジーなサウンドに浮遊するメロディのアシッドフォーク「季節の少女 Girl Of The Seasons」で始まり、カントリー&ブルースタッチの良曲が続く。サイケというより、ヒッピーカントリーと呼ぶほうがしっくり来る。特に調子の狂ったタック・ピアノが葉っぱ臭くて良い。

Bamboo - Girl Of The Seasons


ジャケ右のデイヴ・レイ Dave Ray(vo,g)は、1943年8月17日ミネソタ州生まれ。デイヴ・"スネイカー"・レイの名前で知られ、60年代フォーク・リバイバルの立役者のひとり。スパイダー・ジョン・コーナー Spider John Koernerとトニー・"リトル・サン"・グローヴァー Tony "Little Sun" Glove rと組んで「コーナー、レイ&グローヴァー」として数作のブルース作品をリリース。1969年にウィル・ドニクト Will Donicht(ジャケ左 vo,b,key)と組んでバンブーとしてニューヨークでアルバムを制作。それまでと打って変わってエレクトリック・フォークの作品だった。しかしレイは、商業的なエレクトラの方針に幻滅し、ミネソタに自己のスタジオ「スウィート・ジェーンLtd」を設立し、音楽プロデューサーとなる。ジュニア・ウェルズやボニー・レイット等の作品を手がける。その後もソロやコーナー、レイ&グローヴァーなどのバンドで音楽活動を続けるが、2002年肺癌で死去。
Before Dylan, Dave Ray's Blues Rocked Minneapolis

大蛇と
野性の蔦と
竹林と

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灰野敬二×大友良英/L?K?O×SIN:NED×牧野貴etc.@六本木SDLX 2015.11.13(fri)

2015年11月15日 01時44分56秒 | 灰野敬二さんのこと


JOLT TOURING FESTIVAL DAY 2
Presented by JOLT, Test Tone and The Click Clack Project

出演:
灰野敬二+大友良英
L?K?O + SIN:NED + 牧野貴 (Film Works)
田中悠美子 + メアリー・ダウマニー、森重靖宗 + キャル ライアル + )-(U||!C|



JOLTとは、メルボルン出身のサウンドアーティスト )-(U||!C|ことジェームス・ハリックが2008年に設立した企画団体で、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパでフェスティバルやワークショップを開催して来た。今回は正式にJOLT日本初上陸し、同じくジェームスが主宰するClick Clack Project、及びキャル・ライアルが主宰するTest Toneとの共催で、スーデラ2デイズ公演が実現した。国籍入り交じる出演者と同様に、客席も外人率が高く、国際都市ギロッポンに相応しい夜になった。

●田中悠美子 + メアリー・ダウマニー、森重靖宗 + キャル ライアル + )-(U||!C|

(写真の撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

田中の三味線と大正琴、メアリーのハープ、そして両者のヴォイスが織り成す霊気に満ちた緊張感。中山のリキッドライティングが異界感を高める。ジェームスが加わり、鍵盤を無化する奏法でピアノを鳴らす。森重のチェロとキャルのバンジョーが入りセクステットになるが、ハーモニーやアンサンブルに帰化することなく、逸脱したまま終焉へと導いた。音楽認知不可なギリギリの淵で演じる6人の信念には敬意を払いたい。

●L?K?O + SIN:NED + 牧野貴


L?K?Oがターンテーブル、 香港出身SIN:NEDことデニス・ウォングがエレクトロニクスの電子雑音デュオ。今度は映画作家の牧野の砂嵐を思わせる映像が、リキッドルームを第3銀河の宇宙に誘う。異物感の塊の音響映像は、爆音ではないものの視覚の刺激で脳幹にダメージを与えた。

●灰野敬二+大友良英


ガチンコデュオは2008年10月1日以来7年ぶり2度目。1曲目、大友のノイズギターに乗せて灰野がビートルズの「イエスタデイ」を独唱。伸びやかな歌に非メロギター音響がアクセントを付ける。15分で灰野もギターに持ち替え、そこから1時間を超える激烈爆音演奏を堪能、というか強制的に聴かされた、という屈折した心の持ち主ですら、最後の力を振り絞って激したサウンドに対峙したことは、脳内音楽記憶中枢に不治の傷を追う訳ではない。前回は灰野がエレクトロニクスやハーディーガーディーを弾いたが、今回はギターに専念。音色のヴァラエティの豊かさは幾千の楽器を弾きこなす神髄に触れた気がした。
灰野敬二×大友良英@六本木 Super Deluxe 2008.10.1 (wed)



亜細亜から
欧羅巴まで
ひとっ飛び

Akiko Nakayama -Alive Painting-
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【ネコヲタ情報】デーモン・アルバーン/きのこ帝国/えいたそ☆成瀬瑛美

2015年11月14日 10時15分05秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


●デーモン・アルバーン『wonder.land』


ブラーのデーモン・アルバーンが音楽を担当したミュージカル『wonder.land』 劇中曲も聴ける新たなトレーラー映像が公開

ブラー(Blur)/ゴリラズ(Gorillaz)のデーモン・アルバーン(Damon Albarn)が音楽を担当したミュージカル『wonder.land』。劇中曲も聴ける新たなトレーラー映像が公開されています。

wonder.land trailer


本作は、ルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリス』をモチーフにした作品で、学校でいじめられ、家でも両親とうまくいっていない12歳の女の子アリーがヴァーチャルな世界にのめり込んでいく、という物語。脚本と歌詞はモイラ・バフィーニ、演出はルーファス・ノリスが担当。ルーファスとデーモンのコラボレーションは『Dr Dee: An English Opera』『Monkey: Journey to the West』に続いてこれが3度目です。
『wonder.land』は今夏にマンチェスターで初演。11月からロンドンでの上演がスタートします

●きのこ帝国『猫とアレルギー』


2007年結成、2015年4月にシングル「桜が咲く前に」でメジャー・デビューを果たした男女4人組バンド、きのこ帝国が普遍的なポップを追求したメジャー・ファースト・アルバム。

すでにライブで披露されているタイトル曲「猫とアレルギー」や春にリリースされたメジャーデビューシングル「桜が咲く前に」の表題曲を含む12曲を収録。ジャケットアートワークにはタイトルにちなみ4匹の猫が登場。最新アーティストビジュアルでは、ジャケットに登場する猫を抱えたメンバーが微笑んでいる。

きのこ帝国 - 猫とアレルギー


きのこ帝国は11月19日より「怪獣と猫のツーマンツアー」と題した対バンツアーを開催し、各地でゲストを迎えたツーマンライブを行う。チケットは10月24日に販売開始。
きのこ帝国公式サイト

ネコの歌
かぼちゃの踊り
ワンダーランド

●えいたそ☆成瀬瑛美『永久ゾンビーナ』仮装






【成瀬瑛美】トキメキ☆すちゃらかテキサス【でんぱ組.inc】
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灰野+オルーク+アンバーチ/石橋英子@六本木SuperDeluxe 2015.11.11(wed)

2015年11月13日 00時49分47秒 | 灰野敬二さんのこと


スーパーデラックス十三周年
灰野・オルーク・アンバーチ

出演:灰野敬二 + ジム・オルーク + オーレン・アンバーチ
ゲスト:石橋英子ソロ



オーストラリア出身の実感音楽家オーレン・アンバーチは、相当の灰野敬二フリークであり研究家でもある。2009年以来毎年一回来日する(2014年は2回)目的は第一に灰野と共演することに違いない。ジム・オルークを加えたパワートリオは、今回で7回目の日本公演。毎年ライヴレコーディングし、これまでリリースされた作品は全部で6作にのぼる。いつの間にか、灰野のプロジェクトとしては、不失者、静寂に次ぐ作品数になった。今回の来日では、DAY 1(11月10日)にオルーク+アンバーチ+ユザーンのトリオをお披露目し、DAY 2 (11月11日)にお馴染みトリオの公演となった。
【勝手に翻訳】オーレン・アンバーチが選ぶ『灰野敬二の必須レコード5作品』
灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ@六本木SuperDeluxe 2014.10.28(tue)


●石橋英子

(写真の撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

近年とみに灰野との共演・対バンが増えた石橋英子のソロセット。ハモンド風の電子オルガンとシンセを中心に、フルートや電子音が浮遊するアンビエント空間を創出。ジム・オルーク、山本逹久とのトリオ、カフカ鼾の世界観をより女性らしいフェミニンな感性で塗り替える演奏は、かなりアブノーマルな音色を用いつつも、難解さのないイマジネーション溢れる世界。これが本当のドリームポップと呼べるかもしれない。

●灰野敬二 + ジム・オルーク + オーレン・アンバーチ


灰野がガットギターのアコースティックセットでスタート。2013年はアコースティックのみで1セット通したが、今回は15分程でエレクトリックに移動。アンバーチのトライバルなパルスビートの上で様々な形で展開されるギタープレイは、白昼堂々向かうところ敵無しの無敵演奏家ぶりを見せつけた。隣のオフィスのOLからも熱い視線が注がれる訳などなくない。



第2セットも無意識な雑踏の足音のように響き、じわじわと導火線に接近する心理戦を展開。想いが次第に募りに募り、地獄の業火に焼かれるような異物感が大きくなる。基本的にはメジャーもしくは漫画から得られる知識だけで20数年生き長らえる貧乏もので間違いない。二日前の不失者でピーンと張った緊張の糸が、キレたりハズレたりの検証部分が喉元過ぎれば、これまでになく大きなアクションが炸裂し、感極まった人のナミダで宇宙(そら)が青く染まる。



飛行機嫌いのオルークの為に海外では披露されないこのユニークなトリオが、毎年のように経験できることをハードコアジャズ隆盛の兆しと受け止めることは、果たして島国根性丸出しの曲解癖であろうか。

極端な
渡り鳥の歌
エクスとりーム

Keiji Haino / Jim O'Rourke / Oren Ambarchi @ SuperDeluxe, Tokyo


[2015.11.13 11:11追記]
読み返したところ、音楽の魔術にかかったように夢見心地(寝落ち寸前)で書いた意味不の箇所が散見された。これが噂のドリームブログなので、削除せず、まずは色を変えてみることにしたのでご了承ください。
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【NYハードコアジャズ最前線】クリス・ピッツイオコス11月度最新動画4連発!!!

2015年11月12日 02時45分26秒 | 素晴らしき変態音楽




NYハードコア・ジャズ・シーンの活況ぶりは相変わらず注目に値する。US音楽コラム『Jazz Right Now』ではブルックリンで夜な夜な開催される刺激的なライヴの数々がレポートされるし、YouTubeに投稿されるライヴ動画の数は増える一方である。1年前は余り知られることのなかったNYシーンの情報がネットやSNSで拡散されるようになり、決して数は多くないが、良心的なCDショップでNYの知られざるミュージシャンの作品が販売されるようになった。その中でも、筆者のNYハードコア・ジャズの案内役である1990年生まれのアルトサックス奏者、クリス・ピッツイオコスの八面六臂の活躍は凄まじい。2015年も残すところ2ヶ月に突入した11月の第一週の彼のライヴアクションを証明する動画が連続アップされた。夜ごと様々な共演者と素晴らしい演奏を繰り広げるピッツイオコスの姿に、創造の神神の微笑みを垣間見ることが出来るに違いない。

11月1日(日)
Nate Wooley / Paul Lytton / Chris Pitsiokos - at JACK, Brooklyn


Nate Wooley - trumpet
Chris Pitsiokos - alto saxophone
Paul Lytton - drums

英国即興ジャズ界のベテラン・ドラマー、ポール・リットン(1947年生)と、NY即興シーンでピーター・エヴァンスと並び称されるトランペット奏者ネイト・ウーリー(1974年生)と共演。三代に亘るジェネレーション・ミクスチャーが産み出す豊潤な香りに酔い痴れたい。

11月2日(月)
Chris Pitsiokos - solo alto saxophone - Downtown Music Gallery, NYC


ブルックリンで唯ひとつ創造的音楽作品の配給を一手に手がけるCDレコードショップ「ダウンタウン・ミュージック・ギャラリー」でのインストアライヴに出演。店員であると共に、創造活動の花形でもあるピッツイオコスの存在は、決して楽観できない小売店業界に於けるメシア(救世主)と言えるだろう。

11月4日(水)
Brandon Lopez & Chris Pitsiokos - Manhattan Inn, Brooklyn


Chris Pitsiokos - alto saxophone
Brandon Lopez - bass

傑出したベース奏者ブランドン・ロペスとのデュオ。ドラムレスの室内楽的な演奏を展開。この二人に巨漢ドラマーのタイショーン・ソウリーを加えたら、ピッツイオコスのもうひとつのトリオ「アンダーマイン・トリオ」になる。密度の濃い理知的なクロスプレイは、新世代の香りを運んでくれる。

11月5日(木)
Chris Pitsiokos Quartet - at Muchmore's, Brooklyn



Chris Pitsiokos - alto saxophone, compositions
Jaimie Branch - trumpet
Max Johnson - bass
Kevin Shea - drums

今年『ゴーディアン・トゥウェイン』で衝撃的なデビューを飾った「クリス・ピッツイオコス・トリオ」=ピッツイオコス(as)、マックス・ジョンソン(b)、ケヴィン・シェイ(ds)に、カナダ生まれのトランペット奏者ジェイミー・ブランチを加えたカルテット。演奏が進むにつれて激しい化学反応を起こし、オーネット・コールマンとドン・チェリーの姿が重なり合う。小柄ながら重厚な体格で吹き鳴らすペットの音は、何倍にも拡散され、創造性の宇宙へ肉迫して行く。

セッションの
組み合わせなら
無限大


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不失者@高円寺HIGH 2015.11.9(mon)

2015年11月11日 00時57分18秒 | 灰野敬二さんのこと


不失者
Fushitsusha


灰野敬二 : vo, g, etc.
森重靖宗 : b
Ryosuke Kiyasu : ds



今年5月3日灰野敬二生誕記念公演〜不失者から半年ぶりのワンマンライヴ。「意味を持つことの出来ない深み」への旅路と言えた前回のライヴ以降、不失者はスタジオリハーサルを入念に繰り返し「今回のワンマン公演に向けて通常に無い回数のスタジオ練習を行い、最大限の準備をする」と異例の声明も出された。1979年の結成から灰野以外のメンバーを何度も入れ替えながら、35年間に亘り、名前の通り「失われざる者たち」宛らに活動して来た不失者。世界でも類のない透徹した精神性と、他者には真似できない独創的な演奏論に基づく世界は、唯一無二と呼ぶしかない。


(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

前衛チェロ奏者として活動している森重靖宗は、高校時ベーシストとして演奏活動を始めたと言うが、バンドでベースを弾くのは30年ぶりとのこと。灰野に負けない程の大音量で重低音を響かせるその奏法は、"バンドの屋台骨を支える大黒柱"というベーシストの一般的イメージを完全に無力化して、バンドの重力から離れ自由奔放に音とフレーズを紡ぎ出し、即興舞踏家の如き跳躍を見せる。時に灰野と森重が向き合い、更に三者が輪になって絡み合う音の魂が、これまでの不失者には無い外向きのパワーを解き放つ。高円寺HIGHの高い天井まで届いた音は、解放された歓びにパチパチと火花を散らしながら昇天する。



PAからのサウンドが轟音をあげて襲いかかる中、スローモーションの動きでドラムを叩き荒れるKiyasuの波動は、灰野と森重のコミュニケーション保護するバリアとなる。「暗号」「ここ」といった人気ナンバーで灰野が爪弾くクリアトーンのギターの音色が、これまでになく親しみ易い表情を見せるのが新鮮だった。灰野の表情からは、今回のトリオ編成の演奏を楽しんで、これから先の活動への確信を感じたに違いない。

失われない
固まらない
流されない

Fushitsusha - The Halation Born Between You And I Who Were Doomed To Appear In Form


コメント (4)
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【試聴可】イギリスの『灰野敬二&不失者特集90分ラジオ番組』

2015年11月09日 02時12分50秒 | 灰野敬二さんのこと


Adventures In Sound And Music 11 June 2015

イギリスの音楽雑誌『WIRE』2015年7月号に「灰野敬二ユーザーガイド(A user's guide to Keiji Haino)」と題して8ページの特集記事が掲載されている。日本通として知られる音楽学者アラン・カミングスによる「ディスコグラフィが何百にも上る灰野敬二の音楽のブラックホールへの案内書」と副題された記事は、きちんとした翻訳が日本で紹介されることを望む。

同記事と連動して、UKレゾナンスFMで、アラン・カミングスをゲストにした90分の特集番組がオンエアされた。
下記のリンク(WIRE公式サイト)で試聴できる。

Adventures In Sound And Music 11 June 2015

<Track List>
1. 不失者「マリアンヌ」
Fushitsusha “Marianne”
from 『Tokyo Flashback 2』 (PSF)

2. 三上寛・吉沢元治・灰野敬二「リゴー遺稿集より」
Kan Mikami/Motoharu Yoshizawa/Keiji Haino “Rigaut Ikōshū Yori”
from 『平成元年ライヴ・下/Live In The First Year Of Heisei Vol 2』 (PSF)

3. 灰野敬二「おれのありか」
Keiji Haino “Ore No Arika”
from 『わたしだけ?/Watashi Dake?』 (PSF)

4. 灰野敬二「聖獣の恥じらい」
Keiji Haino “Blushes Of The Holy Beast”
from 『魂の純愛 三つの心臓/The Soul’s True Love, “Suite Reverberation: The Third Heart” 』(Purple Trap)

5. 不失者
Fushitsusha “If I Had Been Showered In Gold Blood, Wouldn’t My Prayer Have Been Answered?”
from『Gold Blood』 (Charnel Music)

6. 灰野敬二+藤掛正隆DUO「三度目のため(間合い)の取り方で この速さは救われる」
Keiji Haino & Masataka Fujikake “Sandome no tame (Maai) no torikata de kono hayasa wa sukuwareru”
from 『HARDを何十乗させたら光の粒が降り注ぐのか?/Hard O Nanjujo Sasetara Hikari No Tsubu Ga Oritsugu No Ka?』 (Fulldesign)

7. 灰野敬二「ルドラビーナ」
Keiji Haino “Rudra Vina”
from 『Tokyo Flashback 4』 (PSF)

8. 灰野敬二「落ちてこないかな」
Keiji Haino “Will It Fall”
from 『まずは 色を無くそうか!/First, Let’s Remove The Colour!』 (PSF)

不失者の
陶酔の夜
いざ集え

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【秋の極端サックス女子祭り】吉田野乃子/小埜涼子/纐纈雅代

2015年11月08日 03時08分26秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


高校のブラスバンド部の同級生にYさんがいた。笑顔が可愛い小柄な女子で、密かに憧れていた。彼女はアルトサックス、筆者はバリトンサックス。サックスパートで唯一の同級生なので一緒に練習することも多かったが、奥手な筆者は、告白するどころか、気軽に話すことも出来なかった。ン十年前の丁度今頃、高3の文化祭のあと、打ち上げ会場の荻窪の喫茶店に向かって歩きながら、初めて二人だけで話が出来たことが唯一の甘い想い出である。その後どちらも受験に失敗し同じ予備校に通っていたが、コースが違うので会うことは少なかった。ある日、偶然帰り道に見かけた時、ドキドキしながら声を掛けたら、駅で同期の男子が待っていた。

そんな想い出と関係あるのかないのか分からないが、サックス女子には無性にトキメイてしまう。ギター女子もいいけれど、艶かしいカーヴを描く金色のボディに優しく添えた指と、マウスピースを銜える濡れた唇に、「嗚呼!サックスになりたいいいい」と悶える男子は少なくないに違いない。しかも清楚な深窓のお嬢さんが、いきなりビビビギュイギュイピーピーギーギーと驚天動地のフリークトーンを吹きはじめたらどうだろう。驚喜の叫びをあげる暇もなく、LOVEずっきゅんとハートを射抜かれて、よだれを垂らしてそのまま昇天間違い無し。そんな魔性のサックス女子が続々登場する極端音楽シーンの実りの秋を召し上がれ。

●吉田野乃子『Lotus』


北海道出身ニューヨーク在住のアルトサックス奏者吉田野乃子の初のソロアルバム。1年前から取り組んで来た、ループステーションを使ったソロ演奏の完成型。分厚いサックス・アンサンブルは、多重録音ではなく、生演奏でのソロパフォーマンスの一発録音。家族への想いや生まれ育った北海道や現在棲むニューヨークでの生活をテーマにした哀感たっぷりのメロディーと、雪崩か猛吹雪にように荒々しいフラジオの嵐が交錯する音世界は、何処か和む包容力に満ちていて、トボケた中に味のある「ののこ」という名前の響きに相応しい。幼少期を函館で過ごした筆者にとっては「Uru-kas(うるかす)」という北海道弁が溜まらない。

Nonoko Yoshida - Sax Solo Album "Lotus"



●小埜涼子『Alternate Flash Heads』


吉田達也とのSAX RUINSでお馴染みの名古屋育ちのフリースタイルサックス奏者小埜涼子の2ndアルバム。不勉強で前作は未聴だが、竜巻太郎をドラムに迎えて制作されたこのアルバムは、全99曲収録のマキシマリズム(最大限主義)故に、単独作として聴かれるべき作品である。短い曲を沢山収録した作品といえば、JUKE『19』45曲、レジデンツ『コマーシャル・アルバム』(50曲)、ゲロゲリゲゲゲ『Tokyo Anal Dynamite』(75曲)、坂田明『108 DESIRES』(108曲/2枚組)など少なくないが、CDプレスの限界に挑戦した今作はそれらとはかなり趣が異なる。吉田のアルバムとは異なり、2年半かけてサックスを多重録音したという。演奏はスポンテニアスなフレーズが多用されるが、構成はコンセプチュアルの極めつけ。ランダム再生するとドツボにハマりそう。ジャケットセンスはアルケミーレコードならでは。

小埜涼子- Ryoko Ono - (saxruinsalone) - Improvisation in Nagoya , Japan



●纐纈雅代『Band of Eden』


鈴木勲や板橋文夫、スガダイローや渋さ知らズと活動するアゲアゲサックス女子纐纈雅代の初のリーダー作。纐纈雅代(sax)率いるEden Bandのメンバーは、、内橋和久(g & daxophone)、伊藤啓太(b)、外山明(ds)+ゲスト:スガダイロー(pf)。分かり易く言えばフリージャズ経由のプログレ(コン)フュージョンという感じで、80年代のカーラ・ブレイを思わせる部分もある。しかし纐纈の作曲と指揮はサックス奏者らしくアンサンブルのハーモニーよりも、トロピカルな狂乱状態を求めている。纐纈自身によるジャケットアートの世界を可聴化したイマジネイティヴな刺激に満ちており、何処かヤサぐれた楽器の音色には、此処に集いし者たちのバックグラウンドに隠されたヤクザな生き様が滲み出ている。激情カンニバリズムのオンパレード。

板橋文夫 FIT!+ 纐纈雅代 at すぺいん倶楽部 / 祝!


サックスで
女子がばびゅれば
世界は変わる


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【文化の日に愛した女たち】Maison book girl/バンドじゃないもん/キノコホテル

2015年11月06日 06時57分45秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


11月2日(月)
ギュウ農フェス×中野流アイドルフェスティバル2015@中野サンプラザ前特設ステージ


出演 バニラビーンズ、ブラック DPG、Maison book girl、つばさ Fly、おやすみホログラム、里咲りさ(少女閣下のインターナショナル)、あヴぁんだんど、Phantom Voice、西恵利香、小川舞(T!P)、 callme、Paprika、SAWA、PiGU、notall、こめひめ、工藤ちゃん、栗原ゆう、少女閣下のインターナショナル、ギュウゾウ(電撃ネットワーク)

第2回新人映画祭のスピンオフ企画として開催された都市型アイドルフェス。二日間あるうち、気になるメンツの多い初日に参戦。朝方の雨が午後にやんだので中野サンプラザ前へ出掛けた。平日なので人出は多くない。おやすみホログラムが客を煽るが、敷石の保護のためジャンプ、モッシュ禁止。ジャンプしないで心の中で盛り上がる。

Maison book girl


ブクガ主演映画が映画祭で上映されたらしく、最初に監督とバニラビーンズを交えてのトークショー。バニビとブクガの身長差が凄かった。続いてブクガのライヴを初体験。ハッキリ言ってサイコー。心地よい変拍子にケチャやMIXをあわせる快感は、King Crimson「Frame by Frame」で二本のギターが半拍ずつズレていって、ひと回りしてリズムが合った時の爽快感に通じる。聴いてるうちに無性にYBO2が聴きたくなった。サンプラザ15Fで開催された特典会ではコショージメグミと初のツーチェキ。はがしがユルく、初対面ながらゆっくり話せて良かった。コショにはBiSよりブクガのようなお洒落な変態がよく似合う。帰りに寄ったディスクユニオンで、YBO2北村昌士の別ユニットCanis LupusのLP2枚を各258円で購入。変拍子ロック繋がりにルンルン気分。

maison book girl / snow irony / MV



11月3日(火・祝)
文化服装学院・文化祭@新宿・文化服装学院


野外ステージ特別公演:バンドじゃないもん

汗ばむ程のいい天気。文化服装学院の文化祭はずいぶん昔行ったことがある気がする。女子率お高いアートスクールなので、アイドルヲタには何とも新鮮。バンもんFes.のリベンジを果たさんと14時からのCD予約会に並んで、ツーチェキ券をゲット。

バンドじゃないもん


推しメン恋汐りんごの母校なので、メンバーも客もテンション高め。雲ひとつない青空の下、野外ライヴは気持ちいい。学生司会者による辿々しいが大胆なインタビューに続き、45分近くたっぷりライヴ。ハッキリ言って音はサイコーとは言えないが、輝きに満ちたパフォーマンスは客席を波動砲のように揺らした。特典会では汐りんと初ツーチェキ。前日のコショージと違って、何故か妙に緊張してしどろもどろのうちに終わってしまった。隣の物販に並びチェキくじに挑戦、見事推しメン汐りんゲット。我りべんじ二成功セリ。

バンドじゃないもん! / ショコラ・ラブ(生まれかわりVer)

バンドじゃないもん!生まれ変わった私たちの再スタート


キノコホテル 2015秋の単独実演ツアー
サロン・ド・キノコ~夜の禁猟区~@鶯谷・東京キネマ倶楽部


青空の代々木から妖艶な鶯谷に移動。キノコホテルの東京キネマ倶楽部は、2012年以来3年ぶり。ベースがジュリエッタ霧島に変わってからは初のキネマ倶楽部。相変わらず男子上位の胞子群は、期待の菌糸を四方八方に伸縮している。

キノコホテル


筆者にとってはUKツアー後初の実演会参戦。新宿ロフトでは最後列から恥ずかしそうに眺める借りて来たネコのような筆者だが、キネマ倶楽部は欲望愛好家の館<遠慮は負けと心せよ>の家訓に従いぐぐっと前方右手、ギターのイザベル=ケメ鴨川寄りに領海侵犯。PAスピーカーの上のシースルーマネキンが見下ろす下で想いの波動をマリアンヌ様に送る。とにかくベースがすげぇわ。ブリブリグイグイ迫って来る重低音に早くも腰がグラインド状態。マリアンヌ様のシャウトが脳天にナイフのように突き刺さり、延髄切りの昇天寸前快感地獄。何曲かやった新曲も、トランキライザー静脈注入快楽中枢狙い撃ち。Oiらのホームはやはりキノコ旅荘なのかもしれない。

マリアンヌ様、握手やチェキは論外、生活感すら感じさせないイケズの貴女と同じ空気を吸っているだけで満足です。---忠実な僕(しもべ)・胞子18号より

キノコホテル / ばら・ばら (実演会映像)

キノコホテル「夜の禁猟区」キネマ倶楽部で完結、新アルバムリリース発表も

キノコには
アイドルじゃない
毒がある

【まとめ】2015年文化の日、オレが愛した女たち~コショージメグミ/恋汐りんご/マリアンヌ東雲



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2015秋の単独実演ツアー〈サロン・ド・キノコ~夜の禁猟区~〉 キネマ倶楽部 
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OP映像:夜の禁猟区
1.恋はモヤモヤ
2.キノコノトリコ
3.愛と教育
4.恋の蟻地獄
5.もえつきたいの
6.Fの巡回
7.肉体と天使
8.新曲
9.新曲
10.マリリンモンローノーリターン(カバー曲)
11.新曲(カバー曲?)
12.冷たい街
13.恋のチャンス
14.悪魔なファズ
15.すべて売り物
16.セクサロイドM
17.アネックス

EN1
18.メドレー(静かな森で、白い部屋、エンジェルベイビー、砂漠、還らざる海、非常なる夜明け)
19.キノコホテル唱歌

EN2
20.エレキでスイム
21.真っ赤なゼリー

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The Birthday@横浜Bay Hall 2015.11.1(sun)+ロケンローライバル今昔

2015年11月05日 01時53分20秒 | ロッケンロール万歳!


The Birthday
『BLOOD AND LOVE CIRCUS TOUR 2015-2016』




シングル『I KNOW』&『MOTHER』2ヶ月連続リリース、日本武道館ライヴ、ベストアルバム『GOLD TRASH』、8thアルバム『BLOOD AND LOVE CIRCUS』と飛ばし続けるThe Birthday結成10周年イヤーはまだまだ続く。2016年3月10日まで続くロングツアーの初日、横浜本牧Bay Hall公演に参戦。昨年6月やはりThe Birthdayの『COME TOGETHER TOUR 2014』で初めて訪れ、シャンデリア輝く異国情緒に絆されたナイスなベニュー。前回は客席の構造がどうなっているか皆目検討がつかなかったが、今回は何度か場所を移動して、自分の気に入るスポットを探ってみた。いい意味での音響の荒々しさと、それに呼応して暴れるステージ前方、そして後方では往年のファンがそれぞれ思い思いにリズムに乗って楽しんでいる。ベイホールではどんな楽しみ方でもOKだ。その結果、中央スタンド左側が意外に空いていてステージもよく見えることを発見。オレのベストポジションに定めよう。ツアー初日の気合いたっぷりのステージは、いつも以上に爽快感たっぷりだった。4ヶ月近く続くツアーで、どのように変化していくのか楽しみ。会場限定のアナログ盤はお金を貯めて次回買おう。

The Birthday - 8th Album「BLOOD AND LOVE CIRCUS」アルバムダイジェスト


レコードを
回すその手を
振り上げろ

【ロケンローライバル対決】
1977年
SEX PISTOLS『NEVER MIND THE BOLLOCKS』vs THE CLASH『白い暴動』


筆者は当時中学三年生の受験生。セックス・ピストルズは12月11日に吉祥寺Record Plantで自分の小遣いで購入。1950円。入荷したばかりのアメリカ盤ショッキングピンクジャケ。友人が買った日本盤より1曲多く「Sub-Mission」収録されていてお得な気分がした。曲順も違っていた。

クラッシュはクリスマス・プレゼントに親に買ってもらった。前の年に「ロックのレコード」と頼んだら、ベイ・シティ・ローラーズを買って来られてがっくりしたので、この年は欲しいレコードを何枚か紙に書いて渡しておいた。サンタクロースがいないことは当時小4だった妹も知っていたが、我が家では相変わらずクリスマスプレゼントを枕元に置く風習があった。12月25日の朝起きて見つけたのがクラッシュ『白い暴動』とジョニー・ウィンター『熱狂のライヴ』。2枚もらえてホクホクだったが、その日は模擬試験だった。試験中も早く帰ってレコードを聴くのが楽しみでしょうがなかった。

ワクテカして聴いたクラッシュは、思っていたより軽くてポップに聴こえた。ピストルズの怒り任せのパワーに比べたら、何だか物足りない気がした。ロックの知識ゼロの母親ですら「もっと激しい音楽かと思ったら、結構聴きやすいわね」と言ったほど。でも、でも、このジャケットの目つきは普通じゃないよな、帯に「彼らは火も吐かない、血も吐かない、ただ毒を吐く」と書いてあるし、聴き易い歌の中に見えない毒素が含まれているに違いない、と信じ続けて聴くうちに、ピストルズが解散してしまった。「パンクは死んだ」とノートに書き殴ったが、ロケンローの魅惑は心を掴んで離さなかった。ピストルズは余り聴かなくなったが、逆にクラッシュが好きになり、本当にカッコいいと思うようになった。シンプルであることがパンクであり、ロケンローなんだ。

ところがクラッシュの2枚目の『Give 'Em Enough Rope』は、ブルー・オイスター・カルトのプロデューサーのせいでアメリカンロック風の大袈裟なサウンドに聴こえて、イマイチしっくり来なかった。このレコードは吉祥寺のジョージアで購入したが、その時にアーント・サリーのレコードも入荷していて、ジャケットを見て気になったが、やっぱりクラッシュにしようと諦めたことを今でも覚えている。何度聴いてもピンと来ない『Give 'Em〜』は数年後に中古レコード屋に易く売り払ってしまった。

2015年
ザ・クロマニヨンズ『ジャングル9』vs The Birthday『BLOOD AND LOVE CIRCUS』(写真はベスト盤『GOLD LUSH』豪華盤)


同じ10月18日にロケンロージャイアンツ2大巨頭の新作がそろい踏み。ロケンローヲタにとっては有り得ない奇跡且つ僥倖である。ヒロト&マーシーはひたすら楽しくマイペース、TVドラマ「ド根性ガエル」のテーマ曲を含み緊張もリラックスも一緒くたにしたオレ得ダンサブルアルバム。チバユウスケ率いるThe Birthdayは、相変わらずの硬派&ブルース路線はそのままに、4人のコンビネーションにあったヒリヒリした感触が和らぎ、包み込むような男の友情が陽の光のように照らす関係性が見える作風。両者ともに変わらないまま新しくなっている。若返りではなく年と共に成長している。ロケンローに限らず、人生そうありたいものだ。
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