グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

なんちゃって俳句と対話型鑑賞

2022年09月09日 | ツアー
以前、元・日本ジオパーク委員会委員長の尾池先生率いる氷室俳句会の皆さんが、伊豆大島で行った吟行ツアーを案内したことをきっかけに、氷室俳句会に入りました。(その時の私のブログはこちら

「日々の暮らしの中に、句を詠む”心のゆとり”は持つべきかも!」と思って入ったのですが、実際は全くの幽霊会員で、ついに今は月刊誌「氷室」を読むだけ会員に😅

でも9月5日のツアーに参加してくださったお客様が、「氷室俳句会会員」だということで句の話になり、久しぶりに詠んでみました。
思ったことを、ただ「5・7・5」に当てはめただけのナンチャッテ俳句ですが、開き直って公開します(笑)

(1)臭木花 ピーナツバターの 香りかな

アメリカ在住では「peanuts butte tree」と言われ人気だと、お客様に伺って、アメリカと日本の食文化の違いを「面白いなぁ」と思いました。

(2)野ぶどうの 色とりどりに 理由あり

「人が果物として食べるブドウは、ウィルスにより変色することがあるらしい」と教えてもらい、「では野生のノブドウはどうか?」と調べていくうちに、ノブドウの果実の色には、虫の寄生が影響しているかもしれないと言われていることがわかりました。かなり気合を入れて調べている方のページ(こちらです)もあり、「綺麗〜」ではなく、「なぜ?」と思うと世界が広がるなぁ〜と思いました。

(3)おろし金 スコリアに立て 夏の海

海岸に生えているラセイタソウの葉がザラザラで、「おろし金みたい」とお客様がおっしゃったので、「確かに!」と実感しました。(「スコリア」は、普通の人はほとんど知らない火山の専門用語ですが、ジオパーク巡りをされている氷室俳句会の皆さんは、楽しそうに使われていました)

ところで、句会に入られているお客様、福のり子さんは「対話型鑑賞」を日本に紹介された方でした。尾池先生が学長を務められていた京都芸術大学の教授でもあります。

私は、今回初めて「対話型鑑賞」を知ったのですが、これは「アートを見て感じたことや、どうしてそう考えたのか?などを、一緒に見ている人同士で話し合い新たな価値に気づいていく」という鑑賞方法なのだそうです。(詳しく知りたい方はアート・コミュニケーション研究センターのHPをご覧ください)

趣旨を同じくする別団体のHPページでは「見る人それぞれの感覚を重視し意見を交換し、他者の考えを理解し受け止めるなかで、正解が一つではない問いに対する様々な意見にふれることが出来る」という説明文もあり、感動しました。

「正解がひとつではない問い」というのは、私自身もツアーで出会う様々な風景や生きものたちの姿から、投げかけられているように感じるからです。そして、ツアーはお客様と一緒に、自然からの問いかけ(不思議)を楽しむ旅なのではないか?と感じていたからかもしれません。
なんだか一人で心の中で思っていたものが、形となって目の前に現れたような気がしました😂

そして福さんを連れてきてくださった坂本さん夫妻も、ずっと博物館などの展示のあり方の提案などを通して「伝える」ことに真摯に取り組まれてきたプロの方たちでした。
旦那様は、葛西臨海水族園の元・園長(葛西水族園の展示はとても楽しいです)奥様は「ハンズオンは楽しい-見て、さわって、遊べるこどもの博物館」という本の著者、染川香澄さんです!

皆さんと会話し、発見し、一緒に景色を眺めたこの日のツアーは、大切な何かが心に残る忘れられない時間となりました。

出会いに心から感謝です。

(かな)
コメント
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