グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

哲学の道

2013年09月20日 | ツアー
昨日午後、京都造形芸術大学(学長は日本ジオパーク委員会委員長の尾池先生!)の通信学部の皆さんと森~溶岩流~裏砂漠を往復しました。
中秋の名月を大島で楽しもうと、訪ねてくれました。

現在アポイ岳ジオパークでガイドをされている伊豆大島出身のKさんが、大島を奨めてくれたようです。今回のツアーには、北海道からの参加です。

Kさん、草餅を包むサルトリイバラの葉について解説してくれています。
(解説聞きながら、なんかガイドツアーに参加したようなお得な気分でした~笑)

みなさんの年齢は40~80歳代、出身地は日本各地….
個性あふれる方々から、色々なことを教えてもらいました。

たとえばミツバアケビの実を見つけた時…
山形出身の方から、地元に伝わる調理方法を教えてもらいました。

「マイタケやクルミを刻み、味噌や砂糖と混ぜてアケビの皮に詰め、糸で巻いてフライパンで焼く」のだそうです。苦いけれど美味しいとか…いつか食べてみたいです。

染色を学んでいる方もいて、オオバヤシャブシでの染めの話しをしていたら、ハチジョウイタドリも染料になるのだと教えてくれました。ピンク~茶色に染まるのだそうです!(今度、試さなくちゃ)

皆さん次々に、様々なものを発見して質問してくれます。

「これ、何ですか?」の声に、みんなで集まって観察しながら歩くのが楽しかったです。

「?」と思うものだけではなく「!」も、いくつも見つかりました。
「!」の代表はこちら。

溶岩の隙間から生えて、花を咲かせるハチジョウイタドリの姿です。
「たくましいね~」byみなさん。

「これ、かわいい!」と褒められていたのがこちら。

妙に均整のとれたアシタバの花でした。

今回のツアーの最高齢は85歳のUさんでしたが、途中で休憩しながらも軽やかな足どりで全行程を一緒に歩きました。

溶岩ザクザクの斜面も、樹海の溝も、しなやかに確実に…。
スバラシイです!

折り返し地点の裏砂漠では、みんなで寝転がって海と空を見つめました。

Uさんが「85年生きてきて、こんなキレイな景色、見たことない」と、ニコニコしながら語ってくれました。

他の方から「Uさん、いつも今日が一番だもんね。『昔は良かった』って、一度も言ったことがないもんね。」と声がかかります。それを受けて「あら、だって、いつも今が一番だもの」とUさん。

裏砂漠の広い広い景色の中でこの会話を聞いた時、心の中にジンワリと暖かいものが沁み込んだだような気がしました。

Uさんは何十年も家族の介護を続け、70代半ばで自由な時間ができるようになってから、京都造形芸術大学で学びはじめたそうです。

「いつも今が一番」…私も、そんな気持ちで生きたいなぁ。

ところで、この日のツアーは歩きはじめに、こんな会話がありました。
「この道(森から裏砂漠へ抜ける道)は何と言うのですか?」
「名前がないんですよ。ぜひ皆さんでつけて下さい。そうしたら明日からその名前で呼びますから」
「哲学の先生と一緒だから『哲学の道』とか?でも、ありきたりかなぁ」

結局、名前は決まりませんでしたが、裏砂漠で“哲学”を感じたこのコースは、本当に「哲学の道」という名前がピッタリくるような気がしました。

これから先のツアーでは「今日が一番」を感じながら、この道を歩きたいと思います。

京都造形芸術大学のみなさん、楽しいツアーをありがとうございました。

(カナ)

コメント (4)
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同感!

2013年09月19日 | ツアー
今日は午前と午後の2回、ツアーで山を歩きました。
今日はそのうちの、午前のツアーを報告します。

式根島に行ってから大島にいらした女性2人はとても明るく、楽しい言葉がどんどん出てくる方たちでした。

たとえばオオバヤシャブシの葉を見ての一言。
「几帳面な人が描いた葉っぱですね。」

「…なあるほど~几帳面かぁ。」私がひとしきり感心していると、さらに…
「定規で正確に線を引いたみたいですよ。」(確かに…)

そしてこの風景の中を、歩いていた時も…

「空に向かって飛び出しそう!」
…え?

今までにない発想にビックリして前方の景色を見たら、本当に“空に向かって飛ぶためのジャンプ台”みたいに見えてきました。「人の感性って本当にさまざまだなぁ」と思う瞬間です。

今日は大島より南にある伊豆諸島が、くっきり見えていました。
お2人は最初に式根島に滞在してから大島に来たとのことで、島影の中に式根島を探しました。

新島(一番左の上が平らな島)の右横に見える式根島は、他の島に比べ、とても低くて平らに見えます。2人とも「ええ~!あんなに平らなの?自転車で走った時は坂道だらけだったのに~!」と意外そうです。

「どのぐらい差があるのかな?」と思って調べてみたら、式根島の標高は109m、新島の標高432mでした。大昔のどんな出来事が、他の島に比べてこんなに低い式根島を作ったのでしょう?(新島の一部だった説は不確実なようです)

「不思議だなぁ、行ってみたいなぁ」と思って海に浮かぶ島を見ていたら、「全部の島に行ってみたくなってきた」とお客様。その気持ち,良くわかります。

ところで火口一周コースから見下ろす裏砂漠は、すっかり秋の色に変わっていました。
春の爽やかな新緑ではなく、夏の濃い緑でもない、黄色みがかった緑色…

この景色を、四季折々の色で楽しめるなんて…幸せです!

久しぶりに「噴火で飛んで来た1滴の溶岩」で、オニギリを食べました。
「ポカポカであったかい~。」

本当~に美味しい昼食でした。

さてお客様の言葉に「同感!」と何度も思った今日のツアーでしたが、最も「そのとおり~!」と思ったのは「東京にいると地球が動いているって感じられないけれど、ここにいるとそれを感じる。」という内容についてでした。

「同感!」が、いっぱいのツアー(笑)。
お2人と同じ思いを共有しながら快晴の三原山を歩けて、とても楽しかったです。

そして午後のツアーも、心を動かされたとても素敵な時間でした。

どんなツアーだったか?

続きは明日のブログで報告します~。

(カナ)








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お初でーす@幼虫

2013年09月18日 | 

土曜日、近所をぶらぶらしていて見つけました。
アカボシゴマダラの幼虫です。
初めての出会いです。
エノキに付いていました。


別個体。
両方とも小さいですね~。
もっと大きな個体を探したんですが見つかりませんでした。
ちょうどこの大きさのものが出現する時期なんでしょうか。

卵もありました。

・・・こんなちっさい玉があんな綺麗なチョウになるんですね。
不思議じゃ。
不思議といえばサナギもこの世の最大の不思議のひとつです。
ついこのあいだテレビでやってましたけど、イモムシやケムシがサナギを経て成虫になる過程は完全に解明されていないということです。


そしてお初がまだありました。

カラスアゲハの幼虫です。
成虫になったカラスアゲハは普通に見るんですけど、幼虫を見るのは初めてです。
カラスザンショウに付いていました。

カメラを近づけると、

ゆらゆら揺れ始めました。
ヘビに擬態してるといわれていますが・・・ただただかわいいだけです(笑)


そしてそして!
この日は驚きの出会いがあったのです。



なんだかわかりますか?
ええ、なんかの幼虫です。




全身像。
派手派手な模様。
食草はトウワタ。

ってことは・・・


そう!
カバマダラです(カバマダラは成虫を2010年10月9日に記事にしています)
へぇー、カバマダラいるんだ。
ここには3個体いました。
みんな同じくらいの大きさで、これで終齢なのかな?


その後を観察したかったのですが台風が過ぎ去った昨日見に行くと姿がありませんでした。
うーん・・・どうなったんだろう!?

                              がんま
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再リクエストのジオツアー

2013年09月17日 | ツアー
台風一過の今日、三原山を歩いて来ました。

本当は一昨日のツアーに行くはずだったお2人。

台風で一度はキャンセルしたものの「せっかくだから三原山を歩きたい」と再リクエストしてくれました。

そんなお2人の気持ちに応えるかのような,晴天の三原山でした。
雲1つない…と言いたいところですが、じつは歩きはじめの空には、1つだけ雲が浮かんでいました。

1つというより1本?

「まるでヘビの抜け殻みたい」とお客様。
確かに、言われてみればクネクネ具合がヘビっぽいような…

そして、先週までは全然目立たなかったススキが一気に咲き始めました。
今日から朝晩の気温が下がったせいでしょうか?

ハチジョウイタドリの塊の中からニョキニョキ。

フサフサのリスの尻尾のような、かたまりもありました。

立派です!

そよ風にチラチラ揺れる木の葉が、まるで影絵芝居を見ているかのような登山道。

影絵を踏んで歩きました。

火口近くの空には、白い小さな雲がチョコンと集まって浮かんでいました。

空に広がる鱗雲は時々見るけれど、広~い青空の中でこんなにチョッピリの鱗雲(?)って、見たことがありません。

「可愛いなぁ」と思って見上げていると、目の前で雲が増えはじめました!
何もない青い空に白いちいさな点が浮き出てきて、やがてしっかりした雲の形になっていきました。

雲がうまれる瞬間!
今まで雲が消えて行くところは見たことがあるけれど、できるところは見たことがない気がします。

雲は空を見上げると、そこにあるものでした。
でも本当は、できたり消えたりしているのですよね。

そんな当たり前のことにあらためて気がついて、なんだかとてもワクワクしました。
なので今日は、空の雲が気になって仕方がありませんでした。(笑)

「秋の雲ですね~。」「あっちが秋で、こっちが夏ですね。」とお客様。

みんなで、空をたっぷり鑑賞しました。

昨日の雨で、雨の後に数日だけ現れる“幻の湖”ができていました。
湖に向かって歩きながら「砂漠のオアシスですね。」とお客様。

砂漠のオアシス…素敵な表現ですね!

昨日の台風通過中は、ここも激しく波立っていたことでしょう。

でも今日は、そよ風が作るさざ波と水面に映った山と空が美しい、心安らぐ風景でした。

帰り道、翅がボロボロになって瀕死の状態のアサギマダラに出会いました。

必死になってススキの葉につかまり体を支えていましたが、もう飛ぶことはできないようでした。

アサギマダラは何100kmもの距離を移動すると言われる“旅をする蝶”
海を渡ってようやくたどり着いた大島で、台風にあって風にもまれたのでしょうか?

もしかしたら、身を寄せた枝ごと飛ばされてしまったのかもしれません。
自然の中で生きるのは大変です…。

さて歩きはじめの地点まで戻って来て、ふと空を見上げたら…
おお~!

外輪山の上に立派な雲!(笑)

台風一過の秋の景色を、ノンビリ楽しんだ三原山ツアーでした。

ツアーの再リクエスト、ありがとうございました!

(カナ)
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2013アートアイランズTOKYO国際現代美術展

2013年09月16日 | その他
“アートアイランズTOKYO国際現代美術展”残念ながら昨日終わってしまいました


2年前は直線の作品でしたが、今回はくるくるのアザラシのOhちゃんなんですって!弟分が新島に居たそうです。でも私は“カオナシ”に見える


切り株かタイヤの様に見えますが、椿油を絞ったカスにリスを彫ったものです。


てるてる坊主は

みんなで群舞しています。(扇風機で風を出しています)


去年のペンキ画の様な部屋は 今年、そのペイントを剥がした様に!

ここにも置かれていました。去年は平面で今年はある意味3Dって事でしょうか?


傘を逆さまにした様な大きなロート。大島の昔でしたら雨が沢山溜まりそう。今日の様な台風の時は家の中に仕舞わないと壊れてしまいそうですね。フワフワ風に揺れる所が心地良い


大島の様な作品。作品の中から島の人のインタビューが流れています。一見玄関わきの溶けかかった雪。  でもね


波浮港発見


側噴火火口(奥二つ)と水蒸気爆発の火口(手前) 発見 
後日、見に来たら私の火口達は進化していました(笑)


下駄箱その1
 


下駄箱その2



少女のお家は厚地の生地でミシン掛けしてあります。被服科の私としては縫い目チェック!

ポケットのみなさん

ポケット

屋根はスレート風?



こんな窓も 壁の外飾りもステキ
教室の中ではなくて野外に出してほしかったね~


ラクダ 白い道の先には砂漠の映像が映されていました。そして、ラクダの歌も!




トリックアートのようなペイント。視点によって見方が変わります。

行きたくなちゃいました?開催終了後の報告でごめんなさい。(しま)
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秋を探しに。

2013年09月15日 | ツアー
大型台風マンニィの接近で、なんだか気ぜわしい週末でした。
山ツアーもキャンセルになったため、木曜日と金曜日のツアーで見つけた“秋の景色”を紹介します。

三原山のふもとでは、ハチジョウイタドリのお花畑を歩きました。
すごく華やかでしょう?

でもじつは、半分ぐらいはもう、翼のついた種子ができています。
花の色も種子の色も、白~赤と様々です。

山頂付近でも…

赤い翼が艶やかな種子が、風に揺れていました。
赤い色だとなにか良いことがあるのでしょうか?

もしも赤の方が良いことが多ければ(虫がいっぱい来るとか?)いつかこの場所が、赤いイタドリだらけになる日が来るのかもしれない…そんな想像を楽しみながら歩きました。

草や溶岩の陰にひっそりと生きるシュスランも、花を咲かせはじめました。

数mmの小さなランの花。
今年も元気に咲いてくれて、嬉しいです。

見慣れた黒い溶岩に茶色の粒がいくつもついていました。
直径5mmぐらいの小さな粒です。

「?」

不思議に思って触ったら、ひとつボロっと取れてしまったので割ってみました。

中には“胞子”がいっぱい詰まっていました。
キノコです!

そうか~、溶岩の上も秋なんですねぇ。

森もキノコがいっぱいでした。

白、黒,茶色と様々なキノコ。

特に見事で「おお~~!」と叫んでしまったのがこちら。

桜の木の幹についた、カワラタケです。

根元の方から枝先まで、ビッシリついていました。
よくぞこんなに…。

裏が白くてキノコ自体が柔らかいので、まだ出て来たばかりの新鮮な状態なのでしょう。
下からだけではなく、上からも見てみました。

う~、目がグルグルしそうです。(笑)

カワラタケの横には別のキノコもついていて、カタツムリやキセルガイたちが、ごちそうにありつこうと何匹も集まっていました。ムシャムシャ…

「新鮮でウマい~!」という貝たちの声が、聞こえたような気がしました(笑)

空にはトンボが飛び交っていました。
「あ!」

小枝の先に止まっているトンボを、お客様が見つけてくれました。

トンボはしばらくの間、じっと私たちを見下ろしていました。

トンボの翅ごしの青空と白い雲がキレイでした~。

そして裏砂漠で…

青々とした緑の山が、少し黄色みがかった色に変わっていました。

毎日少しずつ、深まっていく“秋”

台風が過ぎ去ったら、また“秋”を探しに行きたいと思います。

(カナ)












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コムクドリ

2013年09月14日 | 
コムクドリは2011年5月11日にご紹介しました。
前回は春の渡り途中でしたが今回は秋の渡り途中です。
昨日の昼、10羽くらいで道路脇の木々にいるのを発見、車を停めて撮影しました。
↑オスがこっちを見ています。


オオシマザクラにはクリクリお目目がかわいいメスがいました。





捕まえたのはアオマツムシのようです。


すぐ隣のアカメガシワにもやってきました。











羽の藍色がまだらになっています。
今年生まれのオスかなー?

コムクドリたち、春よりは控えめにキュルキュル鳴いていました。

                           がんま
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霧の中の双眼鏡ツアー

2013年09月13日 | ツアー
一昨日、ビクセンの双眼鏡を使っての撮影ツアーに同行しました。

この日使われた双眼鏡は“アリーナシリーズ”
カラフル、軽量、防水とアウトドア向きの双眼鏡です。

山が霧だったので、最初は海へ。
「あ、見える見える~。」

3人の島内モデルの方達が見ているものは、なんでしょう?

切り立った海岸の崖に刻まれた、縦に伸びるグレーの岩。

遠い昔、地面の下から地上を目指して上がってきたマグマの姿です。
双眼鏡で見ると迫力倍増!

海の撮影のあとは三原山へ向かいました。
山はまだ濃霧でしたが、双眼鏡は霧でも威力を発揮しました!

一番感動したのは、水滴のついたクモの糸を見たときです。
(双眼鏡を逆さまにして、虫眼鏡のように使ってみました)

水滴の一粒一粒がキラキラ輝く宝石のようで、それはそれはキレイでした。

道を横断中だったカタツムリも…

双眼鏡で見てみると、体のツブツブや目玉まで見えて迫力!

「目が出て来た~!」

みんなで交代で観察しました。

1986年の溶岩流の上に登りました。

みんなで霧が演出する幻想的な雰囲気を楽しみました。

主役の双眼鏡を、ゴツゴツ溶岩に配置。

きっとカッコいい写真が撮れたことでしょう!

森の中でも、双眼鏡のモデル撮影です。

「どこに置こうか?」
協議の結果選んだ場所は…?

溶岩と、溶岩を突き破って伸びるヒサカキの根の、戦いの現場!

なんだか双眼鏡が目で、根っこが足みたいですね。
異星人が写ってたりして?(笑)

集合写真も撮りました。

みんなでクネクネの木に同化中。
でも、クネクネしすぎて双眼鏡が目立ちません~。

最後はまじめに(?)


霧の中の双眼鏡ツアー、楽しかったです。

(カナ)
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大島水物語(ジオ研勉強会)

2013年09月12日 | 火山・ジオパーク
昨日の夜、ジオパーク研究会4班主催の勉強会が開かれました。
「若い火山島・伊豆大島の水について学ぼう」というのが、今回の目的です。

朗読劇「大島水物語」を4班メンバーで約30分間上演。
その後大島生まれの2名の方の体験談を聞きました。
(朗読劇の台本は平成14年、大島の小学4年生が社会科の総合学習で使ったものを、提供していただきました)

開始前の読み合わせの風景です。

みんな上手で役者ぞろいです!

窓には昔の「水と暮らし」に関わる風景を描いた資料が貼られました。


劇に関連する資料はパワーポイントでも準備し、演者の背後に映しました。


ナレーションは嶋田。
読み方が抜群にウマいので、抜擢されました。

よくよく聞いたら中学生時代に演劇部だったのだそう。
知らなかった~。

さて、劇の始まりは伊豆諸島の神様達の水分け会議から…
伊豆諸島が次々に神様に,水がほしい理由を訴えます。

大島「大島は島が大きいから水がいっぱい必要だ」
利島「こんな小さな島にしたんだから、せめて水をいっぱいください」

三宅島「噴火して、もう少しすると観光客がいっぱい来るから水をたくさんください。
料理屋を大きくするんだ」
御蔵島「小さな島で何もない。川や滝を作りたい」

水分け会議は結局“朝早く来た順”ということに…。
1番目が御蔵島、新島、八丈島、三宅島と続き、大島は5番目です。次に神津島、最後が利島。

この後村人や祖母と孫、老女などが登場し、若い火山島の暮らしの中の、水の苦労を語っていきます。

「風呂屋の水が乏しく、へそが出るから『へそだし湯』という名前がついた。」
「井戸にはボウフラが湧いていたから,金魚を飼っていた」等々、取材にもとづいた本当の話しが劇の中で語られました。

劇の後は坂本さん、白井さんの体験談。

「今日は水の話しということで、一枚しかない水色の服を着て来ました」
かつて保育園の園長をされていたという坂本さんのユーモアたっぷりの語りに引き込まれます。

それに後ろに貼ってある色紙にキーワードが書かれていて、話しが終わると紙をはがしていくので、とてもわかりやすいです。さすが園長先生!(感心~)

坂本さんのお話の中から…
「昭和20年ごろ山に登る道では、コップ1杯の水を10円で売っていた。
家が草葺き屋根で水が貯められなかったので、もらい水をした。
子どもの頃は共同水道(ハマンカー)に行って、バケツにいっぱい水を汲んで両手に持って運んだ。
兄弟4人で庭に井戸を掘ったが、岩盤(溶岩)でそれ以上掘れなかった、そこら中が岩盤だった。
元町の共同水道の水は、海水が混じり塩っぽかった。
天水のことを塩水に対して「あまい水」と呼んでいた。
ある時ある人に『元町の水はいつ甘くなるんだ?』と聞いたら『太平洋の水が甘くならなきゃ元町の水は甘くならない』と言われた。(おもしろいです!)」

白井さんのお話しから…
「家では牛を飼っていて、世話をするためにトタン屋根にして屋根から流れる雨水をためていた。
たまった水にはボウフラが湧くので、カメをたたいてボウフラが沈んだ時に、ヒシャクですくって上の方の水を飲んだ。ボウフラが湧く水は、生き物が住めるのだから安全だと言われていた。
水が貴重だったから,御飯のあと茶碗は洗わなかった。
自分の茶碗が決まっていて御飯のあと白湯をいれ、箸でキレイにして白湯を飲んだ。
風呂は1週間以上変えない、石けんも使わない。
自分たちで庭に穴を掘り周りにコンクリートを塗って、雨水を貯める「井戸」を掘ったが、コンクリートに根が入って漏れてくるので,3年に1度は“井戸替”えをした。

お2人の実体験からくる話しは面白く、若い火山の島の水の苦労がどれほどだったかが、実感として感じられました。

約30名の参加者のうち、昨日は2割ぐらいが島生まれの方達でした。

最後の数10分は、みんなで語り、聞き入り…話しはつきませんでした。

昔から今に続く島の暮らしの中に、みんなでジオにかかわる物語を探して語り継いでいけたら…本当に素敵です。ジオパークがなかったら、このような機会もなかったのではないでしょうか?

世界にたった1つの「伊豆大島ジオパーク」が、ちょっとずつでも確実に育っているように感じて…
とても嬉しい勉強会でした。

(カナ)

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コマユバチの

2013年09月11日 | 
繭がついたスズメガの幼虫を昨日見つけました。
幼虫は死んでいます。
初めて見るかも。
コマユバチはもう羽化したあとで繭はもぬけの殻でした。



ヤマノイモの葉っぱなのでスズメガはキイロスズメだと思われます。
調べてみるとスズメガ類にひとつだけ卵を産んで寄生するスズメヤドリコマユバチというコマユバチがいるそうです。



コマユバチっていうと大きなイモムシやケムシにたくさんの繭が付いているってイメージが大きかったんだけど・・・こんな小さな幼虫でちゃんとハチが出てくるんですね。
興味のあるかたはコマユバチで検索してみてください。



今朝は雨の降る中、砂浜に流れ込む沢にクサシギがいました。

羽が水を弾かず盛大に濡れているのがとても気になります。
元気に飛び回ってはいましたが・・・
どうか無事で。


                             がんま
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