山の自然

身近な野山の花、虫や鳥たちの写真を撮ってます。それと農業も。

伝統文化

2009年08月28日 | ロハス
雲さんを追い抜いたミラちゃんは、富士山、東京を通り過ぎ、着いたところは、栃木県小山市でした。

ここは、結城紬の本場です。

崇神天皇(第十代天皇、実在する最初の天皇とされている)の時代に茨城県で生糸で織った絹の布が始まりといわれています。

結城紬は、蚕の繭から手で糸を紡ぎ出し、非常に均質な生糸を生産し、それ故に、糸のでこぼこがなく密に織り上がり、光沢を発し、紬の最上級品として全国にしれ割ったったそうです。

繭をじゅうそうで煮たら繭のある薄い部分から手でお湯の中でひろげ袋真綿ができあがります。

そしてそれが原料になるのです。

その袋真綿を糸撮り道具(つくし)にかけて、人の技術によって糸が紡がれていきます。

絣くくり、とはあまり耳にしない言葉かもしれません。

キモノの柄作りの仕事です。

職業的にあまり普及しておらず先祖代々伝わる柄作りの技法です。

絣括り(かすりくくり)とよび、捺染(絹糸に染料がしみ込まない様に細かい作業で色がしみ込まない様にする)する作業で、国の指定工程に登録されている技術です。

様々なくくりにより木綿糸の太さを変えて、亀甲など代表される模様の作成を行ないます。

本場結城紬で使われる織機は千五百年も前から使われてきた地機という最も原始的な機織り機です。

地機(じばた)、または居座り機(いざりばた)と呼ばれます。

本場結城紬は、「糸つむぎ」「絣しばり」「はた織り」の3つの工程で国の重要無形文化財の技術指定を受けています。

「無形」文化財ですから、上記の3つの工程の技術に対して指定を受けているというわけです。

多くの人たちの手間を掛け、時間掛けて出来上がった「結城紬」模様によっては、一反織るのに一年もかかることもあるそうです。


過日、「岡山で弥生の布を織る」会に参加していた時に、弥生時代の織機(構造が同じ物)を使ったのですが、まさに同じ構造でした。

また、夏に公民館で蚕が作った繭をお湯の中に入れ、糸を引いたばかりだったので、その体験はこの「結城紬」を知るための体験だったのかもしれません。