浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

二つの社説

2016-05-21 11:34:41 | その他
 沖縄における米軍属による殺人事件。どうしたらこうした凶悪な事件をなくすことができるか。それは米軍基地の撤去しかあり得ない。

 さて今日の『朝日新聞』社説。

 同紙の社説は、読んでいてそこに心の動きが感じられない。危険と隣り合わせに生きている沖縄の人々への共感がない。同紙のこうした傾向は、もうずっと前からだ。そして必ず留保を記す。この事件に関して留保をあえて書く必要はない。留保のところに下線を入れた。



元米兵逮捕 基地を減らすしかない

2016年5月21日(土)付

 沖縄県民は幾度、おぞましい事件に直面しなければならないのか。

 うるま市の女性(20)が遺体で見つかり、米国籍で元米兵の男(32)が死体遺棄容疑で県警に逮捕された。男は女性殺害をほのめかしているという。

 元米兵は米軍嘉手納基地で働く軍属である。現役の兵士ではないが、米軍基地が存在しなければ起きなかった事件だと言わざるを得ない。

 太平洋戦争末期に米軍が沖縄に上陸して以降、米軍統治下の27年間も、72年の日本復帰後も、沖縄では米軍人・軍属による事件が繰り返されてきた。

 県警によると、復帰から昨年までの在沖米軍人・軍属とその家族らによる殺人や強姦(ごうかん)などの凶悪事件は574件にのぼる。

 事件のたびに県は綱紀粛正や再発防止、教育の徹底を米軍に申し入れてきた。だが、いっこうに事件はなくならない。

 全国の米軍専用施設の75%近くが集中する沖縄で、米軍関係者による相次ぐ事件は深刻な基地被害であり、人権問題にほかならない。これ以上、悲惨な事件を繰り返してはならない。そのためには、沖縄の基地の整理・縮小を急ぐしかない。

 95年に起きた米海兵隊員らによる少女暴行事件を受けて、全県で基地への怒りが大きなうねりとなった。その翌年、日米両政府は米軍普天間飛行場の返還で合意したはずだった。

 だが20年たっても返還は実現せず、日本政府は名護市辺野古沿岸に移設する県内たらい回しの方針を変えようとしない。

 日本の安全に米軍による抑止力は必要だ。だがそのために、平時の沖縄県民の安全・安心が脅かされていいはずがない。

 たび重なる米軍関係者による事件は、そうした問いを日本国民全体に、そして日米両政府に突きつけている。

 日本政府が米政府に再発防止を強く求めているのは当然だ。来週、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)のために来日するオバマ大統領にも、安倍首相から厳しく申し入れてほしい。

 だがそれを、一連の外交行事が終わるまでの一時しのぎに終わらせてはならない。

 長く県民が求めてきた辺野古移設の見直しや、在日米軍にさまざまな特権を与えている日米地位協定の改定も、放置されてきたに等しい。

 地元の理解のない安全保障は成り立たない。こうした県民の不信と不安を日本全体の問題として受け止め、幅広く、粘り強く米側に伝え、改善の努力を始めなければならない。


 昨日『琉球新報』の社説は紹介した。ここでは『中日新聞』を紹介する。『中日』のほうが、よっぽど熱がこもっている。『朝日』は、書く必要があるだろうから書いている、という筆致だ。以前から指摘しているが、『朝日』の社説は内容はもとより、文それ自体も下手になっている。とくに長文の社説が書けないようだ。一つ一つの文が独立して、前後の文との脈絡を切り離してもいいような、文とも言えない文だ。昔は「天声人語」を読んで思わず、「うまい!!」と思ったものだ。今『朝日』にそれはない。


元海兵隊員逮捕 沖縄を安心安全の島に

2016年5月21日

 米軍基地があるために犯罪が繰り返される。沖縄県で女性が行方不明になっていた事件で、元米兵が死体遺棄容疑で逮捕された。県民を守るために、日本政府は米国との交渉に全力を尽くすべきだ。

 「またか!」と県民には痛恨の極みだろう。四月から行方不明になっていたうるま市の会社員女性(20)の遺体が恩納村の山林で発見された。沖縄県警は米軍嘉手納基地で働く元海兵隊員のシンザト・ケネス・フランクリン容疑者(32)を逮捕。「女性を捨てた」と容疑を認め、殺害をほのめかす供述をしているという。

 被害者の女性はシンザト容疑者と面識がない。犯罪に巻き込まれたのは、普段の暮らしのすぐ隣に基地があったがためである。

 在日米軍専用施設の74%が集中する沖縄は「基地の中に沖縄がある」と例えられる。米軍関係者による犯罪は、第二次大戦末期の沖縄戦当時から繰り返されてきた。

 全国の警察が二〇〇六年から十年間に摘発した殺人や強盗などの凶悪犯は六十二件九十一人。沖縄では毎年のように発生している。

 事件のたびに日米政府は遺憾の意を示すが、現実には再発防止になっていない。沖縄の人々が求めるのは、米軍基地の廃止である。それがすぐにかなわないなら米軍に特権を与え、県民を憲法のらち外に置く日米地位協定を対等なものに改めることである。

 シンザト容疑者は、今は軍人ではないが、日米地位協定で定められる「軍属」に当たる。今回は「公務外」であるため、日本の刑事手続きに従って罪が問われることになるが、米兵、米軍属による犯罪がやまない背景には、改善運用はされるものの、不平等を解消する抜本的見直しがされてこなかった協定があることは論をまたない。

 辺野古新基地に反対する沖縄県民の声を直接伝えようと、翁長雄志知事が訪米している最中に急展開した事件である。無残な犯行で若い命が奪われたことに、沖縄の怒りはまた燃え上がる。大規模な基地反対運動のきっかけとなった、一九九五年の少女暴行事件を思い起こさせる。

 事件が米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設に伴う、名護市辺野古の新基地建設に影響を与えるのは必至だ。来日するオバマ米大統領は沖縄の米軍基地がいかに理不尽な形で置かれているのか、県民の痛みの声を正面から受け止めてほしい。広島の思いだけでなく、沖縄の思いを毅然(きぜん)として伝えることも、政府の責務である。
 
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【本】佐高信『自民党と創価学会』(集英社新書)

2016-05-21 10:29:38 | その他
 公明党のポスターがあちこちに貼り出されている。そのお宅は、きっと創価学会だろう。ポスターには、公明党の候補者とともに、夜回り先生といわれている水谷修の写真もある。彼も創価学会か、それとも金目当てか。

 いろいろな本を読むと、創価学会はオウム真理教と同様に、現在の教祖である池田大作を頂点とする専制的な狂信集団であるということができるようだ。

 佐高が、今までいろいろな人が書いた本を集めてきて、それらを引用すしながら創価学会=公明党の危険性を厳しく指摘する。引用されていることは、今までに読んだことがあるものがほとんどで目新しいことはあまりなかった。しかし佐高の危惧は共感できる。

 右翼のウルトラナショナリストとファッショ的な創価学会=公明党がタッグを組んだら、日本の民主政治が危機的状況に陥るだろうという創価学会=公明党研究者の予言はあたっている。

 読んでいて、創価学会=公明党の体質に嫌悪をもちつつも、野中広務や小沢一郎、亀井静香など自民党の実力者の創価学会=公明党に対する姿勢がころころと変わる姿に唖然とした。

 現在これらの政治家は、相対的に「よりましな」政治家とされているが、皮をむくと、とんでもない経歴の持ち主ばかり。その時々で、原則も持たずに豹変する。

 我が国は、良質な政治家がいない。権力亡者が、カネと名誉と権威を求めて政治家になりたがる。人々のため、などという気持ちはさらさら持っていない。

 創価学会=公明党に関しての知識がない方には、この本を推薦したい。
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ウソ

2016-05-21 09:46:55 | その他
 日本が誇る大企業がウソをつく。東芝、三菱自動車、スズキ。東芝は、家電の製造販売会社という認識があったが、不正の後は、原発と軍需で生きていこうとしているようだ。三菱自動車は、日産の傘下に入るようだ。不正を行った会社の経営陣はほとんど責任をとらずに、静かに莫大な退職金を手にして去って行くが、そこで働いていた労働者の中には会社を去って行かなければならない人も多いことだろう。
 シャープが台湾企業に吸収されたが、その際従業員の首は切らないということだったが、7000人はやめさせられるという。
 いつものことだが、不正を行った経営陣は責任をとらずに優雅に去って行く。

 さてスズキである。測定方法は法令を守っていなかったが、自社で行った検査の結果、法令遵守の場合との誤差はほとんどないと言明した。本当であるかどうかは知らない。スズキが勝手にそう発表しただけだから、関係機関はきちんと測定すべきである。

 今日の『中日新聞』(スズキの問題に関しては、『静岡新聞』のほうがきちんと書いている。『中日』はスズキに弱い?)に、「風が強い」ということでとりやめ、部品ごとの抵抗値を測って積み上げて算出したという、どう考えても実際とは異なる数値を国交省に提出した申請に、「日付や気象条件を基準内の条件下で屋外走行した」と記載していた、という小さな記事があった。

 ウソを書いたということだ。ウソをついたのだ。

 しかし、スズキでは、内部情報によると、市販されている車ではなく、モータージャーナリスト用に特別にあつらえた車で試乗してもらい評価してもらうようなこともしたようだ。となると、メーカーのいうことは、あまり信じられないということである。

 大企業が、売るために、ウソをついていたことが公になった。消費者をだましてまでもカネをもうけようという悪徳商法を、大企業が行っているのだ。

 バレなければいいという風潮。それが怖い。

 〈補〉この件に関する報道を他紙で読んだ。『中日』の記事は、ストレートではない。『朝日』は、「スズキ、気温や風速を偽装 国、燃費を再計測へ」である。『中日』は「スズキ燃費測定日、気象状況 申請書に規定外記載」。どちらがわかりやすいか。そしてその『朝日』の記事。

 自動車の燃費不正問題で、スズキが違法な方法で測定したデータを国に申告する際に、適正に測定したかのように書類の内容を偽装していたことがわかった。また、国土交通省は、スズキの車の燃費を計測し直す方針を固めた。再計測はデータ偽装があった三菱自動車に続いて2社目となる。

 国交省はメーカーから走行データの申告を受け、燃費を算出している。しかしデータの不正が相次いだため、全メーカーを対象に抜き打ちで再計測することも検討する。

 スズキはすでに軽自動車「ワゴンR」など販売中の全16車種でデータを違法な方法で測定し、燃費を計測する国交省の外郭団体「自動車技術総合機構」に申告したと明らかにしている。




 
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沖縄で抗議広がる

2016-05-21 09:34:00 | その他
 怒りを忘れてはならない。沖縄では抗議の動きが活発化している。こういう事件はなぜ起きるのかを真剣に考えることが求められている。

 アメリカ海兵隊とはいかなる軍隊なのか。そこでは人間が野獣へと変えられる。そういうシステムがある。沖縄にある海兵隊基地。そうした野獣がいるのだ。

 もちろんすべての海兵隊員がそうだというつもりはないが、そういうシステムで海兵隊員という軍人がつくりだされているのである。

 ちくま学芸文庫の『戦争における「人殺し」の心理学』を読んでほしい。

http://ryukyushimpo.jp/news/entry-283059.html
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2020東京五輪

2016-05-21 09:26:01 | その他
 なぜ2020年が、東京に決まったのか。それはイスタンブール側が賄賂を渡せなかったから。しかし東京は、賄賂を渡し、その結果東京に来たのだそうだ。

 そして知ったこと、あの聖火リレーは、ベルリンオリンピックでナチスドイツが初めてやったのだそうだ。別に伝統でも何でもない。ドイツの国威発揚のための手段であったとは。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46891
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この人、もう終わりだね

2016-05-21 07:59:31 | その他
 舛添という人物。あまりにせこい輩であることが知れ渡った。よいことだ。しかし、彼に関しては、都知事になるまえから、こうしたことが週刊誌などで報じられていた。

 東京都民も、もう彼に投票することはないだろう。政治家としてはもう終わりにすべきである。

http://www.nikkansports.com/general/news/1650196.html

 この舛添に見られるように、地方自治体の財政は、乱費が平然と行われている。市議会議員も予算書などを見ることもしないし、そうした知識をもっていないから、予算書は行政が提案するままに議会を通過していく。

 住民は、きちんとチェックしなければならない。本来なら議員がしっかりしないといけないのだが、そういう議員はほとんどいない。これも、住民がどうでもよいような人を議員として当選させるからだ。かといって、自覚的で知性的な人は、議員は恥、ああいう人たちと一緒にされたくはないという意識があって立候補をしない。

 ますます地方自治は悪化する。

 舛添の存在を東京都だけの問題としないで、地方自治体全体のこととして考えるべきである。
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コメンテーター

2016-05-21 07:48:44 | その他
 テレビのニュースなど報道番組に、コメンテーターという人がいる。いろいろ聞いていると、こういう無知な人をよくも出演させるなあとか、出演しているコメンテーターに政権に批判的な人が少ないとか、いろいろな感想がわく。

 今年の4月以降、報道番組から、批判的なジャーナリスト精神を持った人がコメンテーターから消えていった。いや消されていったともいえる。

 ニュース23は、星浩である。彼の鈍い筆法は以前から知っているから見るのはやめた。昨日書かなかったが、報道ステーションに出演している後藤謙次も星浩と同様だ。ジャーナリスト精神は皆無である。アベとも仲がよいらしい。

 こういう記事があった。後藤の本質をあらわす内容だ。こういう人物が、ジャーナリストだと自称して、コメントする。

 http://lite-ra.com/2016/05/post-2262.html
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