オバマ大統領の演説を読むと、冒頭部分に、死が空から降ってきた、という文言に出会う。そしてその後も、戦争についての言及はあるが、その場合、誰が原爆を落とし、誰が戦争を始めたのかについての言及はない。原爆投下も戦争も、人為的なものだ。誰かが始める。
ことばは重くもなれば軽くもなる。重くするためには、できうる限り言行を一致させることが必要だ。しかし、オバマはそうではない。『ダイヤモンド』オンラインに、こういう記述があった。
米英の複数のメディアは、「核のフットボールとビスケット」の存在を取り上げ、これらがオバマ大統領の広島訪問の際にも現地に持ち込まれていたと伝えている。「核のフットボール」とは、黒皮に包まれた重さ約20kgのアタッシュケースを指す俗称で、中には米大統領が核兵器の使用を許可するための通信機器が入っている。大統領がホワイトハウスを離れる際には、このアタッシュケースを持った軍事顧問が必ず大統領に同行する。大統領はまた「ビスケット」とよばれる特別なカードキーを常時携帯しており、アタッシュケース経由で米軍に核兵器使用を許可する場合に、カードキーを使って大統領本人であるという認識作業が必要になるのだという。
「核のフットボール」はキューバ危機に直面したケネディ政権から本格的に使われるようになった。カードキーをスーツのポケットに入れっぱなしだったカーター大統領が、誤ってカードキーの入ったスーツをドライクリーニングに出してしまったという話や、暗殺未遂事件の際に病院に運ばれたレーガン大統領とアタッシュケースを持った軍事顧問が離れ離れになってしまったというエピソードが残っているものの、基本的には米大統領の近くには「核のフットボール」を持った軍事顧問が常にいる。それが広島であっても、だ。
「核のフットボール」は核保有国アメリカを象徴する代物だが、アメリカ国内における核兵器に関連した政策に目を向けても、オバマ大統領が世界に向けて発信した「核なき世界」の実現はまだまだ遠い先の話のようだ。
米軍は昨年から新型核爆弾「B6112型」を飛行中の爆撃機から投下する実験を開始し。1966年から現在までに3000発以上の「B61」が配備されてきたが、現在開発中の12型にはより多くの電子機器が組み込まれ、精密爆撃が可能になるとニューヨークタイムズ紙は今年1月に伝えている。新型核爆弾の実験は、今後30年で1兆ドルを投じて行う核兵器性能改善計画の一環で、新型のミサイルやステルス爆撃機などの開発や配備も同時に進められる予定だ。国内の政治的な駆け引きでオバマ大統領が譲歩せざるをえなかったという指摘もあるが、対外的なメッセージとして「核なき世界」を声高に叫ぶオバマ政権が、自国の核兵器の削減に及び腰では批判を受けるのも当然だ。
http://diamond.jp/articles/-/92064?page=4
オバマは大統領として、絶対悪の核兵器や戦争をなくすために努力してきたかが問われる。しかし彼の任期中、そうした努力が具体的にはみられなかった。
そして外国のニュースサイトでは、ウクライナに関わって、第三次世界大戦の可能性が論じられている。
ボクらは、明日も明後日も、生き続けていたい。