浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

内田樹氏に同意。

2016-12-24 21:06:12 | その他
 内田氏のいうとおりだと思う。

https://dot.asahi.com/aera/2016122200068.html?page=1
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久しぶりの書店

2016-12-24 20:35:35 | その他
 昨日、久しぶりに書店に行った。今、本はほとんどAmazonで買っている。書店に行ってもない本が多いからだ。

 昨日購入したのは2冊。ひとつは三島憲一『ニーチェかく語りき』(岩波現代文庫)、もう一つは中野敏男『詩歌と戦争』(NHKブックス)である。

 ニーチェは、ファシズムとの近しい関係が指摘されているが、フーコーはじめ多くの思想家がニーチェを読み、それをもとに論じている。現代思想にとって、ニーチェは無視できない存在だ。

 三島は、イサドラ・ダンカン、ハイデッガー、フーコー、バタイユ、三島由紀夫、リチャード・ローティ、フランクフルト学派が、どのようにニーチェを読んだのかを記していく。250ページにも満たない文庫版なので詳細に論じられているのではないが、参考になるかと思って買ってみた。

 まず「三島由紀夫のニーチェ」を読んだ。三島の作品はそんなにたくさん読んでいるわけではないが、有名な『潮騒』や『午後の曳航』などにもニーチェの影響があると記されている。これらは高校生の頃に読んでいるから、ニーチェの影響なんてまったく知らなかった。日本の文学は、海外の文学の動向にひきづられて、あるいは影響を受けて展開してきているが、三島も然り、であるということだ。

 絢爛豪華、多色刷りの三島作品。みずからが美と見做すものををひたすら書き続けてきた三島。三島にニーチェの影響が強いということは、振り返ってみれば、彼の背伸びしながらの無理な生き方から、なるほど、と分かる気がする。

 何ものかを書くために本を読んでインプットする、のではなく、そういう仕事とは関わりなく本を読んで思考を自由に飛翔させることの楽しさ。

 
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都合の悪い情報は出さない

2016-12-24 20:31:56 | その他
 都合の悪い情報は、廃棄するか秘密にするか。安倍政権の、情報遮断による専制政治がまた明らかになった。今日の『東京新聞』朝刊の記事。

 
PKO部隊の日報廃棄 南スーダン7月の武力衝突 防衛省「目的終えた」

2016年12月24日 朝刊
 アフリカの南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊部隊が、首都ジュバで七月に大規模な武力衝突が発生した際の状況を記録した日報が、廃棄されていたことが分かった。陸自の文書管理規則が定める三年間の保存期間に満たない。治安が悪化する同国でのPKOは派遣要件を満たしていないと疑問視する声が強いが、日報の廃棄でさらに批判が高まる可能性がある。 

 南スーダンPKOは半年ごとに部隊が交代しており、七月に活動していたのは十次隊。ジャーナリストの布施祐仁(ゆうじん)氏が情報公開法に基づき、同月七~十二日の日報を九月末、防衛省に開示請求したところ、今月二日付で「既に廃棄しており、保有していなかった」とする通知を受けた。

 同省によると、陸自の文書管理規則では、PKO関連文書の保存期間の基準は三年間。一方で「随時発生し、短期に目的を終えるもの」や「一年以上の保存を要しないもの」は、例外的に一年未満で廃棄できる。

 同省統合幕僚監部の担当者は、廃棄の理由について「上官に報告した時点で、使用目的を終えた」と説明。これ以外の日報も、紙や電子データを含め、同様に廃棄しているという。

 陸自は、日報に基づき、後続部隊ヘの教訓をまとめた「教訓要報」を作成しており、当時の現地状況もこの中である程度記載される。しかし、原本に当たる日報が廃棄されてしまえば、治安の実態や自衛隊の行動について国民が正確に把握することが難しくなる。

 布施さんは「これが許されるなら、あらゆる報告文書はすぐに廃棄されてしまう。国民の検証のために公文書を保管する意識が欠如している」と批判する。

◆黒塗りより深刻

 日報廃棄の問題からあらためて浮かび上がるのは、活動継続への疑念が強い南スーダンでのPKOについて、国民に正確な情報を届けて理解を得ようという意識が、安倍政権に依然として薄いことだ。

 ジュバで最初の大規模衝突が起きた、二〇一三年十二月に派遣されていたPKO五次隊の「教訓要報」には、隊員らが防弾チョッキと鉄帽を着用したり、撤退経路を偵察したりという対応が記されている。

 これを作成する材料となった日報が存在していれば、国民は当時の状況をより詳しく知ることができた。

 まして今回、日報の廃棄が判明した六日間は、陸自の宿営地の隣にあるビルで銃撃戦が起きるなど、一三年に劣らず緊迫していた状況が明らかになっている。日報の廃棄が、検証を難しくした可能性は大きい。

 PKO関連文書の保存期間を原則三年間と定めた、文書管理規則が形骸化している事実も見逃せない。今回のように「上官に報告したから」という理由での廃棄がまかり通れば、組織にとって都合の悪い文書はすべて公開せずに済む「抜け道」になりかねない。

 南スーダンPKOを巡っては、これまでも現地報道を基にした地図を黒塗りにして公表するなど、情報公開に消極的な政府の姿勢が批判されてきた。黒塗りどころか、将来公開される可能性を摘む「廃棄」は、より深刻な問題だ。 (新開浩)
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「おまえは歌うな」

2016-12-24 08:36:46 | その他
 メールを開いたら、町田の住人から、この詩が送られてきた。中野重治の「おまえは歌うな」である。


  おまえは歌うな
  おまえは赤ままの花やとんぼの羽根を歌うな
  風のささやきや女の髪の毛の匂いを歌うな
  すべてのひよわなもの
  すべてのうそうそとしたもの
  すべてのものうげなものを撥(はじ)き去れ
  すべての風情を擯斥(ひんせき)せよ
  もつぱら正直のところを
  腹の足しになるところを
  胸さきを突きあげてくるぎりぎりのところを歌え
  たたかれることによつて弾ねかえる歌を
  恥辱の底から勇気を汲みくる歌を
  それらの歌々を
  咽喉をふくらまして厳しい韻律に歌いあげよ
  それらの歌々を
  行く行く人びとの胸廓(きようかく)にたたきこめ


 プロレタリア作家であった中野らしい詩である。しかし、中野が詩を詠み始めるのは、室生犀星の影響である。犀星も「風のささやき」や「ひよわなもの」、「風情」などをうたっている。

 中野も、当然、そういうものをうたっていたからこそ、「おまえは歌うな」、つまり自分自身に対して、そういうものをうたうことを禁じようとしたのであろう。

 人間、「恥辱の底から勇気を汲みくる」だけでは、生きてはいけないのだ。

 夢二も、荒畑寒村ら社会主義者とも交流している。
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