どこの市町村役場でも、非正規の公務員が増えている。「会計年度任用職員」と呼ばれる人びとは、正規の公務員と同等の仕事をしているのに、あるいはそれ以上の仕事をしているのに、低賃金である。低賃金で働かせることが出来る制度として、そういう制度が生みだされたのだ。
市町村の財政が苦しくなっているといわれて、どこの市町村でも、公的な仕事を民間委託したり、指定管理者にしたりして、要するに民間企業に仕事を丸投げするようになった。同時に正規の公務員を減らしていった。その理由は、人件費への支出を減らすという目的である。
ただし、市町村の財政が苦しくなっているということを理由にしているが、市町村の財政状況は千差万別なのに、ほぼ同時的にこうした非正規公務員への依存と正規職員の減員が開始されたことは覚えておかなければならない。ということは、これは国が主導した、ということでもある。
実際、浜松市でも、窓口にいる人びとはほとんど非正規である。つまり役所の仕事はほとんど非正規に担われている。窓口の奥には、正規の公務員がいる。要するに、「中核的」な仕事は正規の公務員にさせ、そのほかのすべての仕事は非正規にやらせるということなのだ。
では浮いたお金はどこへいくのか。簡単なことだ。産業界に様々な補助金として渡されていく。市民サービスを低下させ、企業サービスは増大させていく、というのが現在の政策で、それは国も地方自治体もかわらない。
だから、企業や経営者は、自民党議員のパーティー券を買い、寄付するのである。企業に税金をまわしてもらうための一種の賄賂というわけである。自治体の正規公務員は、退職後、そうした企業へと天下っていく。
日本は利権に覆いつくされていて、すべての政策は企業への利権へとつながる。マイナ保険証も、農業政策も、あらゆる政策が、企業などの利益になるように展開されている。
こんな日本に誰がした?選挙民がしたのである。