6月21日、交流戦最後の三連戦の初戦、対楽天戦を横浜スタジアムに観戦に行ってきました。この日の観客動員数は、一昨日より4人少ない32,144人。球団史上最速で主催試合の観客動員数100万人を突破しました。今シーズンからライト側にスタンドが増設され3万人以上収容できるようになったことも大きいと思います。なお、東京オリンピックを迎える来年には、レフト側の増設スタンドも完成します。
因みに、観客動員数が確か実数計算となった2005年。横浜はその年、牛島監督の下3年連続の最下位を脱し、4年ぶりに3位に入りましたが、観客動員数は976,004人とシーズンを通じて100万人に及びませんでした。その後、TBS時代はだいたい年間110万人~120万人で推移。2012年に親会社がDeNAとなってから毎年動員数を増やし、昨年は初めて年間200万人を突破。今年の100万人到達はその昨年より4試合早いペースです。かつては当日でも余裕で入場できた横浜スタジアムも2016年頃からチケットが入手しづらくなり、今やプラチナチケットと呼ばれるほどになりました。
さて、横浜の先発は前々回観戦した西武戦と同じ、防御率リーグ1位、7勝を挙げている今永投手。その時と同様、この日も7回までで12三振を奪う一方、球数の多いことが気になりました。初回は1三振を含む三者凡退で上々の立ち上がり。
一方、楽天の先発は打たせて取るタイプの辛島投手。今年はここまで5勝3敗の成績。
その辛島投手ですが、横浜の先頭打者、ここ4試合20打席ヒットのなかった神里選手にいきなりの本塁打を浴びてしまいます。ここ2日ほどは昼夜の寒暖差が大きく、右中間に強い風が吹いていました。昔から横浜スタジアムはこの時間帯の両翼ポール際の打球は伸びると言われています。神里選手の打球もライトポール際に高く上がり、通常であればライトフライという当たりでしたが、良く伸びました。横浜がいきなりの先制。
楽天打線は毎回ランナーを出しながら、三振も多く、得点に結びつけられません。一方の横浜も、初回の2本のヒット以降は4回まで毎回三者凡退と完璧に抑えられます。今永投手の球数を考えれば、早く追加点が欲しい所です。
5回裏。先頭のロペス選手が一塁側の大ファウルの後の2球目を捉え、ライトスタンドに13号本塁打。ロペス選手は直前の5回表、茂木選手のあわやライト線を抜く強烈な当たりを一塁ゴロに抑える美技も光りました。貴重な中押し点で、0vs2。
ところが直後の6回表。今度は逆に楽天の先頭打者、島内選手に本塁打を浴びてしまいます。
続く浅村選手は、この日10個目の三振に討ち取ったものの、ブラッシュ選手には4球連続ボールの四球。銀次選手はセカンドフライで二死・一塁。
さらにウィーラー選手。カウント1-0からの2球目を捉えた打球は、レフトに高々と舞い上がります。完全に本塁打かと思いましたが、スタンドぎりぎりで失速。打球は一旦、左翼手筒香選手のグラブに収まったかに見えたのですが、これを落球。さらに筒香選手がボールを見失っている間に、ブラッシュ選手は生還、ウィラー選手も二塁に到達します。しかし、判定はエラーではなく二塁打でした。これであっという間に同点。因みに筒香選手、この日の打撃も全く良いところがなく四打数四三振でした。
次の辰己選手は、並みの二塁手であれば何でもないボテボテのゴロ。しかしソト選手の送球が不味く、クロスプレーとなります。判定はアウトでしたが、楽天・平石監督からのリクエストによりビデオ判定。結果は、判定通りアウトでしたが、もしこれがセーフともなれば、流れが完全に楽天に行っていたかもしれません。
6回裏。楽天先発の辛島投手は、二死までこぎつけたものの、桑原選手、宮崎選手に四球を与え、二死二塁・一塁となったところで降板。二番手として、かつて横浜にも在籍したベテラン久保投手が登板します。その久保投手、前の打席本塁打のロペス選手を危な気ないライトフライに討ち取り、見事火消し役を務めました。
一方の横浜も7回135球を投げた今永投手に代わり、8回表からパットン投手が登板します。今シーズン安定しないパットン投手、この日も楽天の強力な上位打線に対し、浅村選手と銀次選手に四球を与えピンチを作りますが、それでも直球が走っていたので比較的安心して見ていられました。
その後も横浜は球威のある楽天三番手、森原投手を攻めあぐね、7回、8回と無安打。特に8回は1番からの好打順で三者凡退に討ち取られただけに、どちらかというと敗戦ムードが漂う展開でした。
そういう点では、9回表に登板した三番手・エスコバー投手が、下位打線とはいえきっちりと抑えたことは大きかったと思います。
そして9回裏、楽天は新加入のブセニッツ投手が登板します。
横浜は一死から宮崎選手が何とか四球を選んで出塁。代走に石川選手を送ります。続くロペス選手二塁ゴロで、二死二塁。
一昨日は一死でこの日は二死の違いがあるとはいえ、走者二塁、一打サヨナラの場面で、この日も大和選手に打席が回ってきます。もちろんスタンドの横浜ファンは一昨日の再現を期待し、弥が上にもボルテージが高まります。
その大和選手、カウント2-1から外角いっぱい、低めではありましたがストレートがやや甘く入りました。捉えた打球は、一昨日は左中間、この日は右中間にぐんぐん伸び、球場の大歓声にも乗って右翼手ブラッシュ選手の頭を超えました。
6月19日の再現に、優勝したかのような大騒ぎのスタジアム。全体としても締まった良いゲームでした。これで横浜は交流戦の勝ち越しを決めました。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした