15分の休憩を挟み、RIZINパートも残りタイトルマッチの3試合を残すのみとなります。第六試合は女子スーパーアトム級(49㎏)タイトルマッチ、伊澤星花選手vsクレア・ロペス選手。伊澤選手は現スーパーアトム級王者。2020年にMMAでデビューして以来、未だ無敗の選手です。一方、ムエタイをバックグラウンドとするベテランのロペス選手ですが、MMA転向後は、むしろ組んで強さを発揮しています。
ところが、試合はあっという間。開始1分足らずで伊澤選手がタックルでロペス選手を倒すと、マウントをとりフロントチョークでタップアウト。鮮やかな試合運びで勝利を収めました。
第七試合はバンタム級(61㎏)タイトルマッチ、フアン・アーチュレッタ選手vs扇久保博正選手。この試合は元々アーチュレッタ選手と朝倉海選手が対戦する予定でしたが、朝倉選手の負傷欠場により、40日という短い調整期間ながら扇久保選手に白羽の矢が立ちました。アーチュレッタ選手のバックグラウンドはレスリング、一方の扇久保選手はフルコンタクト空手です。身長差9㎝、体重差4㎏、アーチュレッタ選手有利の下馬評の中、扇久保選手がどれだけ食い下がることができるか?
1Rからアーチュレッタ選手がプレッシャーをかけ、再三グラウンドに持ち込みます。2Rも組み合いが続きますが、圧力をかけ続けているのはアーチュレッタ選手。終盤、倒れた扇久保選手にアーチュレッタ選手が上からパンチを浴びせますが、ゴングに救われます。
3R、扇久保選手は左右のパンチからタックルを仕掛けます。しかし、アーチュレッタ選手はそれを逃れ、逆に扇久保選手の背後を狙います。その後、背後から攻め続けアーチュレッタ選手優勢のまま試合終了。判定3vs0でアーチュレッタ選手の勝利。
最後は、フェザー級(66㎏)タイトルマッチ、朝倉未来選手vsヴガール・ケラモフ選手。国内屈指の人気を誇る朝倉選手に対するのは、第四試合のムサエフ選手と同門のケラモフ選手。この試合では、ムサエフ選手もセコンドについていました。ケラモフ選手はフィジカルが強く過去18回の勝利の内、11回が1Rと序盤に無類の強さを発揮しています。一方、序盤さえ気をつければ、カウンターを当てるのが上手い朝倉選手が有利なのではという声も多くあったようでした。
試合は、1R早々、ケラモフ選手が朝倉選手の足をとりテイクダウン。マウントポジションから肘攻撃。これを何とか逃れ、朝倉選手は立ち上がりますが、流れの中でケラモフ選手は朝倉選手の背後に回ります。
そして背後からリアネイキッドチョークで締め上げると、身体を回して体重を喉元に集中させます。たまらず朝倉選手はタップアウト。あっという間の展開、恐れていたケラモフ選手の土俵に引きずり込まれてしまいました。
今回、堀口選手vs神龍選手が無効試合という残念な点はあったものの、2年前に観戦した時より、質が高く、見応えのある好カードが多かったように感じます。海外のMMA団体とも今後一層交流し、日本の総合格闘技界が質的にもっと高まっていくと良いなと思います。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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