4月23日、秩父宮ラグビー場にてスーパーラグビー2016、サンウルブズ(日本)vsジャガーズ(アルゼンチン)の試合を観戦してきました。
共にスーパーラグビー初参戦のチーム。サンウルブズは未だ勝ち星が遠く、ここまで全敗。一方、全員がアルゼンチン人で構成されているジャガーズも1勝6敗という成績です。
さて試合開始早々、ハイパントをキャッチしたジャガーズのトゥクレット選手に、ややアーリーチャージ気味に入ったサンウルブズ、ロロヘア選手が激突。両者負傷退場という波乱の幕開けとなりました。
注目のファーストスクラムは、全くの互角。それ以降、スクラムはサンウルブズがやや優位に立ちました。この試合、スクラムの優勢とラックからの球出しが比較的早かったのは非常に良かったと思います。一方、課題とされるラインアウトはこの試合もまだ不安定でした。
先制はサンウルブズ。前半5分、ピシ選手がPGを決め3点を先取します。この試合、安定したピシ選手のキックが非常に大きな力となりました。
しかし7分、ジャガーズ、クレビ選手がゴール右にトライ。TMO(テレビマッチオフィシャル)判定となりましたが、認められ3vs5と早くも逆転。
ところが、さほど難しくないGKをエンルナンデス選手が外してしまいます。その後エルナンデス選手は立て続けに2本のGKに失敗。点数としても9点の損失ですが、これがなければ試合の流れも全く違ったものになっていたかもしれないだけに、サンウルブズとしては幸運だったと言えるでしょう。
それでもバックス陣に非常に俊足の選手を揃えるジャガーズ。サンウルブズ・ディフェンスの裏に蹴りだせば、快足を飛ばし、あっという間にゴール前に迫ります。他の試合でも同じですが、ルーズボールを逃さない、攻守の切り替えの早さなどはやはりスーパーラグビー、学ぶところが多いと思います。
10分、アモロシーノ選手のトライ(GK失敗)で3vs10。
一方、サンウルブズも20分、笹倉選手が左隅にトライ。やや難しい角度でしたが、ピシ選手のGKも決まり同点に追いつきます。10vs10。
なおもサンウルブズはジャガーズ陣深く攻め入り、ゴール前に迫りますが、トライは成らず。
しかし32分、ゴール正面、ハーフウェイライン付近でサンウルブズはPGを獲得。50m弱のロングキックでしたが、これを見事にピシ選手が決め、13vs10。
ところが34分、ジャガーズがボフェッリ選手のトライで13vs15と逆転。
さらに終了間際の40分、ゴールほぼ正面、22mラインの若干外側でジャガーズがPGを獲得。エルナンデス選手もさすがにこれは決め、13vs18。目まぐるしい攻防の続いた前半はジャガーズが5点をリードして折り返します。
5点を追うサンウルブズは後半6分、フィルヨーン選手がPGを決め、2点差に迫ります。16vs18。
ところが直後の7分、ハーフウェイライン付近でのパスをジャガーズ・イサ選手がインターセプト。そのまま50mを走り切って、ゴール裏にトライ。GKも決まり、この試合最大の9点差となります。16vs25。
サンウルブズは16分、カーペンター選手がゴール中央にトライ(GK成功)、23vs25。
そして26分、ピシ選手がPGを決め、ついにサンウルブズが逆転に成功します。26vs25。
ところがわずか2分後、今度はジャガーズがゴール目の前でPGを獲得。エルナンデス選手がこれを決め、またも逆転。26vs28。
サンウルブズは再三ドロップゴールを試みるなど、逆転への執念を見せます。そして31分、左端からの非常に難しい角度でしたが、ピシ選手がPGを決め、29vs28。悲願の初勝利まであと9分。
前半も後半も相手陣でプレーすることの多かったサンウルブズ。その後はじっくりと近場を攻めながら時間を使いつつ、それでも勝利を確実なものにするためジャガーズ陣に攻め込みます。終了間際、サンウルブズのトライかと思われましたが、これは成らず。
しかし39分、ゴール前5mラインのスクラムから立川選手がゴール中央に飛び込み、ついに勝利を決定づけるトライ!
ラストプレイの40分、ピシ選手のGKも決まり、36vs28。スーパーラグビー初参戦のサンウルブズは、日本ラグビー史に新たな1ページを加える歴史的初勝利を挙げました。
最後の最後まで息を呑む、壮絶な死闘でした。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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