「Office Vacant」/「NEUT.」 セントラルイースト東京2005 10/10

セントラルイースト東京2005・日本橋ステーション(中央区日本橋室町)
「Office Vacant」/「NEUT.」
10/1~10/10(会期終了)

セントラルイースト東京(CET)2005で、唯一有料の会場である日本橋ステーションでの特別企画展です。

「Office Vacant」は、「ニッポンのオフィスを変革せよ!」という合い言葉の元に、ビル内の事務所のレイアウトをそのままにして、6名の作家がアートを展開するイベントです。かつて事務所だった空間には、使われなくなった場所の寂しさとでも言えるような、ある意味で廃墟を思わせるホコリっぽさや、退廃の匂いを感じさせますが、そこへ大胆なビデオ・インスタレーションなどが投入されると、そのアンバランスの妙が、作品を引き立てさせた上に、会場全体をも蘇生させます。真っ暗な空間に薄い幕を吊るして、動きと広がりのある映像を見せたエンライトメントの作品は、自分が立って場所が日本橋の事務室の残骸であることを忘れさせます。しばし時間を忘れて、映像を見入っていると、宇宙の果ての広大で深淵な光景か、逆に意識や神経の流れを視覚化したような超ミクロの世界を思い起こさせました。

「NEUT.」は、デザイン系アートの企画として、半ば文化祭のようなノリで、会場が構成されている展覧会です。都会の街中の風景写真から、看板や標識の文字などを全て塗りつぶして、日常のリアリティーを巧みに消失させた作品や、マウスをクリックすると、スクリーンに映しだされた色や形が変化していく作品などが印象に残りました。

CETのメイン会場ということで、なかなか盛り上がっていた様子ですが、会場入口にあたるビルの一階には、この企画展を示すような大きな看板などがありません。もう一歩、開かれた形になればとも思いました。

*私がCETの神田地区を廻った感想はこちらです。
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