都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ルオーとローランサン」 松下電工汐留ミュージアム 7/8
松下電工汐留ミュージアム(港区東新橋1-5-1 松下電工ビル4階)
「ルオーとローランサン - パリの踊り子たち - 」
4/29-7/9(会期終了)

もっと早く行けば良かったのですが、会期終了日の前日に見てきました。松下電工汐留ミュージアムで開催されていた「ルオーとローランサン」展です。

一見しても分かるように、ルオー(1871-1958)とローランサン(1883-1956)の作風はかなり異なります。しかしともに生粋のパリっ子で、活躍していたのもエコール・ド・パリの同時代です。その繋がりから、両者が共通のモチーフとして追求し続けた「踊り子」をキーワードに作品を並べていきます。また二人は、同じロシアバレエ団の舞台や衣装を手がけていたこともあるそうです。(会場ではそれも紹介されています。)ともに大成功を収めたとのことですが、バレエと言ってもどこか内省的な姿に見えるルオーの踊り子と、もっと開放的で、まさにダンスの動きの巧みに表現したローランサンの違いは歴然です。興味深く見ることが出来ました。

ところで、ルオーはこの美術館などでも良く拝見しますが、ローランサンについてはこれまであまり接したことがありません。となると、やはりまとめて見ることで新しく得られるイメージのようなものがわいてきます。元々ローランサンには、淡く、また軽いタッチの作品であるという先入観(余計な)を持っていましたが、実際に見ると、グレーを多用しているせいか、画面はどことなくくすんでいて重く、思いの外、色が鮮やかに抜けて来ません。特に初期の作品は造形も平面的で、画面全体がかなりのっぺりとしていました。ただ、キャリアを重ねていくうちに立体感が生まれ、また色遣いにも明るさが増していきます。それにしてもこのグレーの使い方は少々意外です。むしろルオーの厚塗りのグリーンの方が、華々しく輝いているように見えるくらいでした。グレーとピンクが重なり合う色彩感。かなり独特です。

汐留ミュージアムでは既に会期を終えてしまいましたが、7月14日からは長野県の蓼科湖畔にあるマリー・ローランサン美術館へ巡回(10/1まで)するそうです。この夏、そちら方面へお出かけの際には少し立ち寄ってみるのも良いかもしれません。
「ルオーとローランサン - パリの踊り子たち - 」
4/29-7/9(会期終了)

もっと早く行けば良かったのですが、会期終了日の前日に見てきました。松下電工汐留ミュージアムで開催されていた「ルオーとローランサン」展です。


一見しても分かるように、ルオー(1871-1958)とローランサン(1883-1956)の作風はかなり異なります。しかしともに生粋のパリっ子で、活躍していたのもエコール・ド・パリの同時代です。その繋がりから、両者が共通のモチーフとして追求し続けた「踊り子」をキーワードに作品を並べていきます。また二人は、同じロシアバレエ団の舞台や衣装を手がけていたこともあるそうです。(会場ではそれも紹介されています。)ともに大成功を収めたとのことですが、バレエと言ってもどこか内省的な姿に見えるルオーの踊り子と、もっと開放的で、まさにダンスの動きの巧みに表現したローランサンの違いは歴然です。興味深く見ることが出来ました。


ところで、ルオーはこの美術館などでも良く拝見しますが、ローランサンについてはこれまであまり接したことがありません。となると、やはりまとめて見ることで新しく得られるイメージのようなものがわいてきます。元々ローランサンには、淡く、また軽いタッチの作品であるという先入観(余計な)を持っていましたが、実際に見ると、グレーを多用しているせいか、画面はどことなくくすんでいて重く、思いの外、色が鮮やかに抜けて来ません。特に初期の作品は造形も平面的で、画面全体がかなりのっぺりとしていました。ただ、キャリアを重ねていくうちに立体感が生まれ、また色遣いにも明るさが増していきます。それにしてもこのグレーの使い方は少々意外です。むしろルオーの厚塗りのグリーンの方が、華々しく輝いているように見えるくらいでした。グレーとピンクが重なり合う色彩感。かなり独特です。

汐留ミュージアムでは既に会期を終えてしまいましたが、7月14日からは長野県の蓼科湖畔にあるマリー・ローランサン美術館へ巡回(10/1まで)するそうです。この夏、そちら方面へお出かけの際には少し立ち寄ってみるのも良いかもしれません。
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