「近代絵画の巨匠たち - 浅井忠 岸田劉生そしてモネ - 」 泉屋博古館・分館 8/20

泉屋博古館・分館港区六本木1-5-1
「近代絵画の巨匠たち - 浅井忠 岸田劉生そしてモネ (住友コレクション)- 」
8/5-10/9



泉屋博古館・分館で開催中の「近代絵画の巨匠たち」展へ行ってきました。私などサブタイトルに大きな字で「そしてモネ」と書かれると、さぞやたくさんのモネが展示されているのかと思いこんでしまいますが、その期待は見事なまでに裏切られました。モネは2点。展示のメインは、岸田劉生、梅原龍三郎、浅井忠らを初めとする日本の近代絵画です。(約50点。)主に、明治・大正期の洋画を概観出来る内容でした。

先日、ブリヂストンで拝見した坂本繁二郎も2点ほど展示されています。その内の1点、「二馬壁画」(1946)はこの展覧会のハイライトかもしれません。お馴染みのパステル色の馬のモチーフが、人の高さを超えるほどの巨大なキャンバスに描かれている。その大きさは圧倒的です。天井の低いブリヂストンでは物理的に展示出来ないとさえ思うほどでした。ブリヂストンの回顧展で坂本の馬に魅了された方には、この作品だけを見るだけでも展覧会へ行く価値がある。あえてそうおすすめしておきたいと思います。ともかく意外な場所でまたあの馬に再会することが出来ました。有難いことです。

梅原龍三郎は少し苦手かもしれません。以前に松濤美術館で開催された回顧展はかなり興味深く拝見することが出来ましたが、不思議と他の作家と交じり合うように展示されると、その鮮やかな色彩が目にキツくも感じられます。また、波のようにうねる極太のタッチ。一目見てそれだと分かる個性を示していますが、色彩のオーラに巻き込まれてしまいそうな「薔薇図」(1969)などは、思わず一歩下がってしまうほどでした。梅原の魅力を感じるには、まだまだ学習が足りないようです。

相変わらずの好き嫌いの話で恐縮ですが、岸田劉生も私にとって苦手な作家の一人です。こちらはどの作品を見ても非常に良く描けていて、素直に見事だとは思うのですが、その世界に引き込まれるところまでには至っていません。ちなみに劉生は、「二人麗子図」(1922)など4点が展示されていました。

その他、浅井忠の素朴な風景画、または一見場違いなローランスの「マルソー将軍の遺体の前のオーストリアの参謀たち」(1877)などが印象に残りました。来月7日から一部展示替え(浅井忠の作品を中心に。)があるようです。10月9日までの開催です。

*関連エントリ(アートコレクション展の併催美術展)
「花鳥風月」 ホテルオークラ東京 8/20
「Gold - 金色の織りなす異空間 - 」 大倉集古館 9/16
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