都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「村瀬恭子 - Emerald」 タカ・イシイギャラリー
タカ・イシイギャラリー(江東区清澄1-3-2 5階)
「村瀬恭子 - Emerald」
6/28-7/26

しばらく見ていると、いつの間にか絵の中の世界へ取り込まれている自分に気が付きました。ドイツのデュッセルドルフを拠点に活動を続ける(画廊HPより引用。)という、村瀬恭子の新作個展です。大作の絵画、約10点ほどが紹介されています。
これらを連作のペインティングと捉えて良いのでしょうか。同ギャラリーのやや広めの空間を用いて展開されているのは、とある少女が森の中を彷徨い続けて歩いている冒険物語です。瑞々しく、また透明感にも長けた油絵具が深い木立を象り、そこへ髪を振り乱し、またスカートを靡かせて進む少女が一人で動き回り続けています。彼女の探検に終わりはありません。洞窟へ入り込み、繁みを踏みつけて歩き、ある時には木をすり抜けてもいました。忙しなく旅を続けるその行き先には一体何が待ち受けているのでしょうか。見果てぬ誰かを探しているようにも見えました。
幻想的なモチーフはもとより、基調となるグレーとの対比も鮮やかな赤やエメラルドグリーンの質感、もしくはその色面が緩やかに、そして動的にせめぎあう様子も魅力的に思えます。また一見、大味にも見えるマチエールも、細部のグラデーションなどがかなり細やかに表現されていました。ゴウゴウと吹き荒れる風の渦を感じる絵画です。
ひょっとするとこの少女は村瀬の分身なのかもしれません。このひっそりとした清澄の空間を間借りした旅は今日も続けられているようです。
今週末、土曜日までの開催です。
「村瀬恭子 - Emerald」
6/28-7/26

しばらく見ていると、いつの間にか絵の中の世界へ取り込まれている自分に気が付きました。ドイツのデュッセルドルフを拠点に活動を続ける(画廊HPより引用。)という、村瀬恭子の新作個展です。大作の絵画、約10点ほどが紹介されています。
これらを連作のペインティングと捉えて良いのでしょうか。同ギャラリーのやや広めの空間を用いて展開されているのは、とある少女が森の中を彷徨い続けて歩いている冒険物語です。瑞々しく、また透明感にも長けた油絵具が深い木立を象り、そこへ髪を振り乱し、またスカートを靡かせて進む少女が一人で動き回り続けています。彼女の探検に終わりはありません。洞窟へ入り込み、繁みを踏みつけて歩き、ある時には木をすり抜けてもいました。忙しなく旅を続けるその行き先には一体何が待ち受けているのでしょうか。見果てぬ誰かを探しているようにも見えました。
幻想的なモチーフはもとより、基調となるグレーとの対比も鮮やかな赤やエメラルドグリーンの質感、もしくはその色面が緩やかに、そして動的にせめぎあう様子も魅力的に思えます。また一見、大味にも見えるマチエールも、細部のグラデーションなどがかなり細やかに表現されていました。ゴウゴウと吹き荒れる風の渦を感じる絵画です。
ひょっとするとこの少女は村瀬の分身なのかもしれません。このひっそりとした清澄の空間を間借りした旅は今日も続けられているようです。
今週末、土曜日までの開催です。
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