「2010イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展」 板橋区立美術館

板橋区立美術館板橋区赤塚5-34-27
「2010イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展」
7/10-8/15



世界最大規模を誇る絵本原画コンクール、「ボローニャ国際絵本原画展」の入選作品を展観します。板橋区立美術館で開催中の「2010イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展」へ行ってきました。



勝手な思い込みながら絵本の原画展というと子ども向けのイメージがありますが、実際には大人も十分に楽しめる、言わば『強度』をもった展覧会でした。よって可愛らしい絵本ばかりがあると思って行くと、失礼ながら良い意味で見事に裏切られます。社会的なテーマを突っ込んだものからシュールな主題、また一つの平面として描き込みが充実した作品など、現代アートの絵画展として捉えても遜色のない内容でした。


タシエス(スペイン)「盗まれた名前たち」

特別展示として紹介されているスペインの絵本作家、タシエスの一連の原画からして、どこか毒々しいまでの作風を見せる絵画的な作品と言えるかもしれません。またマン・レイを思わせるようなコラージュから、水彩、素描風の作品など、技法も非常に多様です。ともかく出品作家が多いので個々の作品には触れませんが、計20カ国、総勢87組の作家の絵本の共演は予想以上に見応えがありました。


ジュアンクリース・ベラ(スペイン)「美容師さん」

原画展の審査の様子を映した映像コーナーも見逃せません。今回の原画展では計2454名もの応募があったそうですが、ここでは5名の審査員が議論を交わしながら入選作を選定していく課程がおさめられています。ある審査員の「子ども向けでなくても子どもの心に届くもの、そして芸術性を大切にした作品を選びたい。」という主旨の発言が心に残りました。おそらくはそうした視線がコンクールの質を維持することに繋がっているのかもしれません。


ディアナ・マルガレタ・チェプレアヌ(ルーマニア)「アフリカの絵のかりうど」

いつもアットホームな板橋区美ですが、今回はさらに手作り感が漂うスペースが用意されています。手作りパンも楽しめる期間限定のカフェ、「カフェ・ボローニャ」でゆっくり絵本を手にしながらくつろぐのも良いのではないでしょうか。私も成増行きのバスを待つ時間、カフェの書籍コーナーで絵本を楽しみました。



8月15日までの開催です。おすすめします。

*展示風景は板橋区立美術館ニュースより拝借しました。
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