「特集陳列 古代エジプトのミイラ」 東京国立博物館

東京国立博物館・平成館企画展示室(台東区上野公園13-9
「特集陳列 古代エジプトのミイラ」
7/13-9/20



東京国立博物館・平成館企画展示室で開催中の特集陳列、「古代エジプトのミイラ」へ行ってきました。

東博のミイラというと東洋館を思い出しますが、改修中とのことで、ここ平成館一階の企画展示室にて関連の文物とあわせて紹介されています。(出品リスト)なお会場は常設展内です。ミイラを含めた一部文物の撮影が可能でした。

まず目立つのはいわゆるミニチュア風の木彫です。いずれもあの世で使われるようにと墓へ収められたものばかりでした。


「舟の模型 上エジプト出土」中王国時代・前2000年頃

ナイルの水運とも繋がる舟が多く見られます。これはもちろん実際の舟を象ったものですが、あの世においても死者や荷物を載せて動くものと考えられていました。


「少女の像 上エジプト出土」中王国時代・前2000年頃

一人の少女が象られています。死者の世界で奉仕するための召使いとして造られました。ちなみに手に持つ獲物と頭上のカゴのパンは、あの世で食べる晩餐の品だそうです。

展示室の最奥部ではミイラとともに、それを包んでいた布が展示されていました。


「パシェリエンプタハのミイラ エジプト、テーベ出土」第22王朝・前945~前730年頃


「パディインヘルのミイラの包み布 下エジプト出土」ローマ帝政期・1世紀

このミイラは1904年、エジプト考古庁から東博の前身の帝室博物館へ寄贈されたものです。ミイラ自体の持つ歴史の重みは言うまでもありませんが、既にここ上野で100年にもわたって公開されていることに、東博の長い歴史を知る面もあるのではないでしょうか。

その他では写真撮影は出来ませんでしたが、青い釉薬のかけられた陶製の人形なども出品されていました。


右「ガウトセシェンのウシャブティ デイル・エル=バハリ出土」第21王朝・前1070~前946年頃
左「ホルメスのウシャブティ エジプト出土」 第26~30王朝・前7~前4世紀




平成館では「誕生!中国文明」が開催中ですが、一部時代も重なる両文明を見比べるのも興味深いのではないでしょうか。パネル解説など、古代エジプト人の死生観を理解出来るような工夫もされていました。



特別展を鑑賞の際は是非ともお見逃しなきようご注意下さい。9月20日まで開催されています。
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