「TWS-Emerging 木戸龍介/熊野海/前田雄大/茅根賢二」 TWS本郷

トーキョーワンダーサイト本郷
「TWS-Emerging 172 木戸龍介/173 熊野海/174 前田雄大/175 茅根賢二」
10/1-10/23



トーキョーワンダーサイト本郷で開催中のTWS-Emerging、「172 木戸龍介/173 熊野海/174 前田雄大/175 茅根賢二」へ行ってきました。

出品作家は以下の4名です。*各リンク先はプロフィール。

172 木戸龍介 [Form of Sin]
173 熊野海 [HAPPINESS REVOLUTION]
174 前田雄大 [絵画性の視座]
175 茅根賢二 [Melting scene]


さて今回で本年度の最後となるエマージングですが、いずれの作家の展示もなかなか見応えのあるものとなっています。

まずは1階の木戸龍介です。水や炎などを彫刻で示すという木戸ですが、本展では一つの水の濁流を、あたかも横たわる巨大な一本の老木のように表しました。


「罪への渇望」2011年 *参考図版

細部に刻まれた水の痕跡は激しく、その波濤の先はまるで触手です。内部がくり抜きの空洞になっていて、その内側は幾重のも襞が連なっています。水というよりも何らかの得たいの知れない生き物を見ているかのようでした。迫力も十分です。

2階には本展のちらし表紙も飾り、VOCAやシェル美術賞でもお馴染みの熊野海のペイントが8点ほど揃います。海水浴のような日常的なシーンと巨大な奇岩、そして背景のストライプにマグマが迸る空と、その画面は相変わらずカオスと言えるのではないでしょうか。

雲の上には下を見やる天使風の男やラッパを吹く人間の描写もあり、天と地、ようは聖なる天上と俗的な下界との対比も作品のテーマになっているのかもしれません。

3階奥の茅根賢二の油彩風景画が詩心を誘います。ビル群の間の歩道橋や神社のお祭りなど、都会の日常的な夜景を、あたかも光と影と色の面にだけ還元して軽快に描きだしました。


「Stairs」2011年

全てが混ざり合い、そしてぶれ、さらには溶けていくかのような雰囲気はとても刹那的で、なおかつその動的な画面は映像を連想させます。夢の中で朧げに浮かび上がる、まだ見知らぬ街の景色を空想しているかのようでした。

明日までの開催です。

「TWS-Emerging 172 木戸龍介/173 熊野海/174 前田雄大/175 茅根賢二」 トーキョーワンダーサイト本郷
会期:10月01日(土)~10月23日(日)
休廊:月曜日
時間:11:00~19:00
場所:文京区本郷2-4-16
交通:JR線・東京メトロ丸の内線御茶ノ水駅徒歩8分。
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